自己破産とは?裁判所申立方法やかかる費用は?家族や周囲に影響は?

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過払い金返還請求や借金相談を促す弁護士事務所・司法書士事務所のCMが日々流れていますね。「わたしは借金しないから関係ない。」と思っていませんか?

参考|6分でわかる過払い金返還請求と手続き方法!グレーゾーン金利と時効とは

日本貸金業協会が平成28年10月に発表した「借入れに対する意識調査」によると、借入経験がある個人の直近1年以内の借入理由は以下の通りです。

  • 趣味/娯楽(レジャー、旅行を含む)費用|29.3%
  • 食費|16.3%
  • 家賃の支払い(住宅ローンの返済を含む)|13.8%
  • 自動車の購入費(車検整備費等を含む)|9.0%
  • 衣料費|8.1%
  • 医療費|8.1%
  • 納税・納付等の支払|7.7%
  • ギャンブルにかける費用|5.4%
  • 授業料、保育料、給食費等の学校関係費|4.7%
  • 通信費(電話料金やインターネット利用料等)|4.7%
  • 住宅のリフォーム費|4.5%
  • 学習教材等の教育関係費|3.8%
  • 水道・光熱(電気・ガス等)費|3.8%
  • 冠婚葬祭費用|3.4%
  • 資格試験・受験のための予備校等受講料|1.8%
  • 資格試験・学校等の受験費用|1.1%
  • その他|24.6%
  • 直近1年以内に借入れはしていない/しようとしていない|2.7%

参考|資金需要者等の借入れに対する意識や行動に関する調査結果報告|日本貸金業協会

今まで借入経験がない人にとっては、拍子抜けするくらい普通の理由ばかりです。逆に言うと、これらの理由ために借金が必要な人が多くいるということです。

借金返済が厳しくなるリスクは誰にでもついて回ります。そしてどんな対策を講じても返済が難しくなった時には「自己破産」という最終手段を選ぶことになるのです。

今回は、自己破産の申し立て方法や自己破産にかかる費用などについてお話します。

自己破産とは

自己破産とは、債務整理の手段の1つで、条件のもとに裁判所に「破産申立書」を提出することで、法的に債務免除をする手続方法のことです。

自己破産の手続きを開始すると債権者は強制執行ができなくなり、手続きが完了すると債務者は全ての債務の支払い義務が免除されます。

この場合、債務者は生活必需品と最小限の財産以外がすべて債務整理のために処分され、今後10年間に渡って金融機関等で借り入れを行ったり、クレジットカードを作ることはできません。

JICC|完済日から1年間、自己破産免責日から5年間の登録
CIC|完済日から1年間、自己破産免責日から5年間の登録
KSC|完済日から5年間、自己破産免責日から10年間の登録

金融機関は、個人の信用情報としてこれらの情報を使って審査を行うため、事故情報が抹消されるまでは融資は受けられません。

引用|自己破産件数の推移は?破産する理由とメリット・デメリット

また、自己破産者として住所氏名が国の官報に掲載されます。自己破産者は、場合によって一部就業できない業種があります。

免責確定まで制限がある仕事・資格
弁護士・会計士・司法書士・税理士など、宅建取引業、証券会社の外交員、貸金業者、質屋、損保代理店、生命保険募集人、信用金庫の会員や役員、一般労働派遣事業、日銀の役員、旅行業、警備員、後見人、補佐人、後見監督人など

自己破産ができるのは、債務者が「支払い不能」だと認められた場合のみです。支払い不能かどうかは、債務者の負債額、収入、資産などの状況から総合的、かつ客観的に裁判所が判断します。

参考|借金があるのに自己破産できない…裁判所が免責しない9つの事例

つまり、裁判所の判断によっては、自己破産が認められないこともあるということです。

自己破産にかかる費用

自己破産するためには費用がかかりますが、破産者の財産の有無によって「同時廃止」「少額管財」「通常管財」に分かれています。

同時廃止|約30万円、保有財産が20万円以下の場合のみ選択できる
少額管財|約50万円、別に財産精算の手続きが必要、予納金が20万円必要
通常管財|約70万円、別に財産精算の手続きが必要、予納金が50万円必要

裁判所にかかる費用を「予納金(よのうきん)」と言い、同時廃止の場合は1万円-3万円ほどで済みます。

精算できる財産がある場合、裁判所は自己破産申立者の財産調査・整理をする「管財人(かんざいにん)」を選出します。管財人費用は20万円-50万円ほどかかります。

手続きは自分でも行えますが、諸々煩雑であるのと債権者との交渉があるため、弁護士に依頼することがほとんどです。その場合、28万円-35万円(東京都の相場)を弁護士に払うことになります。

つまり自己破産の申立をすれば、各所からの借金の返済請求は止まりますが、それ以外の費用準備が必要になるわけです。そのため、まったくお金がない人でも、自己破産にかかる費用は約30-40万円ほどになるでしょう。

自己破産で家族への影響は?

自己破産によって財産のほとんどを失うことは辛いことですが、自己破産が直接的に家族に影響を及ぼすことはありません。

自己破産の記録は官報に記されますが、毎日発行される政府情報のため一般の人が見ることはほぼありません。そのため、周囲に自己破産を知られることはないでしょう。

ただし、信用情報機関(JICC・CIC・KSC)には事故として登録されるため、最大10年間はお金に関する信用がないことになります。そのため、家族や子どものローン、賃貸契約などの保証人にはなれません。

また、クレジットカードも使えなくなりますが、デビットカードを作ることはできるため、必要であれば用意しましょう。

自己破産後は、ある程度慣れれば生活上の不便さはそれほどではありません。むしろ、どのように今後の生活を安定させ、しっかりとした収入を作っていけるかを考える方が大切です。

自己破産になろうがなるまいが、普段から身の丈にあったお金の使い方や将来の計画を立てる習慣を持たなければいけないということです。

もし、万が一借金等で困ったとき、今後の生活が見えなくなったときは、1度地方自治体を頼ってみてください。

参考|生活困窮者自立支援法とは?借金など生活に困ったときの無料相談窓口

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