還付金170万円以上!住宅ローン控除の条件・手続きと計算方法

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サラリーマンはお給料やボーナスから税金が差し引かれていますが、一定の条件を満たすと「控除」が受けられ、払い過ぎた税金を返してもらえます。

中でも「住宅ローン控除」は他の控除より税金の戻ってくる額が大きく、場合によっては払った税金がまるまる返ってくることも。どんなしくみなのでしょうか。

控除とは

控除とは、税金の計算をする際に一定の額を差し引くことを言います。

確定申告の控除には大きく分けて「所得控除」と「税額控除」がありますが、払った所得税から控除額がそのまま還付される仕組みになっている住宅ローン控除は「税額控除」に該当します。

所得税を計算する流れは下記のようになっていますが、住宅ローン控除は所得税を算出した後の4番目の計算式に該当します。

  1. 収入 – 給与所得控除 = 所得
  2. 所得 – 所得控除 = 課税所得
  3. 課税所得 × 所得税率 = 所得税
  4. 所得税 – 税額控除 = 所得税納付額
※ 多くの方が給与所得者だと思いますので、ここでは給与所得者にフォーカスして説明しています

順を追って見ていきましょう。

給与所得控除とは

給与所得者の場合、それぞれの「所得控除」と「税額控除」の前に、「給与所得控除」が行われます。

収入 – 給与所得控除 = 所得

給与所得控除額は以下表で大まかに知ることができます。

平成28年分 給与所得控除額速算表
給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超12,000,000円以下 収入金額×5%+1,700,000円
12,000,000円超 2,300,000円(上限)

所得控除とは

所得控除とは生命保険控除や医療費控除など14種類の控除項目のことを指し、所得から差し引くことができます。所得控除後の金額を課税所得と言います。

所得 – 所得控除 = 課税所得

所得控除は以下の様なものがあります。

  • 雑損控除
  • 医療費控除
  • 社会保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 寄附金控除
  • 障害者控除
  • 寡婦(寡夫)控除(この控除は女性の場合と男性の場合とで要件に差があります。)
  • 勤労学生控除
  • 配偶者控除
  • 配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • 基礎控除

税額控除とは

やっと本題の税額控除です。税額控除とは、算出された所得税からまるまる差し引くもので、控除額がそのまま還付されます。(所得税額を越えて還付はされません)

所得税 – 税額控除 = 所得税納付額

以下の様なものがあります。

  1. 配当控除
  2. 外国税額控除
  3. 政党等寄附金特別控除
  4. 認定NPO法人等寄附金特別控除
  5. 公益社団法人等寄附金特別控除
  6. (特定増改築等)住宅借入金等特別控除
  7. 住宅耐震改修特別控除
  8. 住宅特定改修特別税額控除
  9. 認定住宅新築等特別税額控除
  10. 試験研究を行った場合の所得税額の特別控除
  11. エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の所得税額の特別控除(いわゆるグリーン投資減税)
  12. 中小企業者が機械等を取得した場合の所得税額の特別控除
  13. 雇用者の数が増加した場合の所得税額の特別控除
  14. 国内の設備投資額が増加した場合の機械等の特別控除
  15. 特定中小企業者が経営改善設備を取得した場合の所得税額の特別控除
  16. 雇用者給与等支給額が増加した場合の所得税額の特別控除
  17. 生産性向上設備等を取得した場合の所得税額の特別控除
  18. 地方活力向上地域において特定建物を取得した場合の所得税の特別控除

給与所得者にはあまり関係なさそうなものも多いですが、、住宅ローン控除は「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除」に該当します。

住宅ローン控除は控除額がそのまま還付される

前述の通り住宅ローン控除は「税額控除」に該当するので、控除額が10万円なら、10万円が返ってくるというわけです。節約効果がものすごく高いのです。

では住宅ローン控除でどのくらい節税できるのでしょうか。控除を受けられる金額は年末のローンの残高の1%で、控除を受けられる期間は10年間。1年の控除金額の上限は40万円(耐震性や省エネルギー性など一定の条件を満たした住宅は50万円)となっています。

控除額の計算方法
上記住宅ローン減税を受けることの条件を満たしているとして、戻ってくる所得税の計算方法は

控除額 = 住宅ローンの年末残高 × 1%

となります。

ただし、控除額には上限があります。

控除額上限(年間)
一般住宅 20万円
認定住宅 ※新築 30万円
一般住宅(消費税率8,10%) 40万円
認定住宅 ※新築(消費税率8,10%) 50万円
※ 平成26年4月1日から平成31年6月30日までに取得

住宅ローン減税とは?手続きはいつまで?条件や必要書類は?

例えば、年末のローンの残高が2000万円だったら住宅ローン控除の額は20万円(2000万円×1%)ですから、20万円が返ってきます。払った所得税額よりローン控除の額が大きい場合は、所得税額から引ききれなかった分が、住民税から差し引かれます(詳細は上記リンク先をご覧ください)。

さらに、これが10年間続くわけですから、仮に住宅ローンの借入額が2000万円で35年返済、金利が1%のケースだと、10年間の控除額の合計は170万円以上にもなります。

控除を受けるには

住宅ローン控除の適用を受けるためのおもな条件として、次のようなものがあります。
・控除を受ける年の所得が3000万円以下
・新築または購入したマイホームの登記簿上の床面積が50平方メートル以上
・中古住宅は築20年以下、中古マンションは築25年以下
・ローンの返済期間が10年以上

住宅ローン控除の適用を受けるには、住み始めた翌年に確定申告をする必要があります。そうすると、残り9年分の「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」が送られてくるので、2年目からはその計算書とローンを借り入れた金融機関から送られてくるローンの「残高証明書」を使って年末調整で手続きします。

条件や手続方法についても住宅ローン減税とは?手続きはいつまで?条件や必要書類は?にまとめてありますので、詳しくはこちらをご覧ください。

住宅ローン控除はマイホームを買う人にとって大きなメリットですが、「控除があるからマイホームを買う」というのは本末転倒。住宅ローンは長期にわたって返していくものなので、返済の負担が重すぎて家計を圧迫しないよう慎重に検討しましょう。

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