宝くじや競馬に当たると課税対象?ギャンブルにも税金がかかる?

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後ほど説明をしますが、基本的に宝くじで当たったお金は非課税所得です。つまり、当選金には所得税、住民税ともに課税されません。これは、「当せん金付証票法」に記載されています。

ところで、パチンコや競馬、競艇、オンラインカジノなどの賭博(とばく)、いわゆるギャンブルが趣味という人も多いでしょう。

世の中には、一攫千金を夢見ている人、できる範囲で小さく儲けたい人、損得は度返しでギャンブルを楽しんでいる人だけでなく、ギャンブルで生計を立てている人もいると思います。

どのような気持ちでギャンブルに臨んでいても、勝てば嬉しいですよね。そして、運が良ければある日突然大当たり・大勝をすることもあります。

そのときに、ふと「あれ?もしかしてギャンブルで勝ったお金も確定申告しなきゃいけない?」と考えたことはありませんか。

さて、ギャンブルで獲得したお金は確定申告の必要があるのでしょうか。それとも、宝くじと同じく、申告・納税の義務はないのでしょうか。

今回は、割と身近なギャンブルで得たお金が所得になるのか、確定申告が必要かどうかというお話をしていきます。

ギャンブルには公営と民営と違法がある

Wikipediaによると、賭博とは賭事(とじ)と博戯(ばくぎ)を合わせた言葉のことで、賭事は勝負事の結果に関与できないもの、博戯は勝負事の結果に関与できるものを言います。

そのため、ギャンブルと一言で言っても色々と種類がありますが、主に3つの認識に分かれています。

1.公営ギャンブル

公営ギャンブルとは、国に公に認められたギャンブルのことで、公営競技とそれ以外に分かれます。公営競技は競馬、競輪、競艇、オートレースで、これらはスポーツの勝敗を争う賭事です。

また、宝くじ、toto、ロト、スクラッチなどは、それ以外の公営ギャンブル(公営くじ)になります。totoはサッカーの勝敗を争う賭事ですが、対象となるJリーグがギャンブルを主催していないため公営競技ではありません。

2.民営ギャンブル

日本で民営ギャンブルに該当するのは、パチンコのみです(民営ギャンブルという呼称が妥当かわかりませんが)。

パチンコは風営法に定められた遊戯の一種ですが、三店方式によってお金の払い戻しがあるため、一般の人からすればギャンブルという認識で間違いないでしょう。

3.違法ギャンブル

上記以外のギャンブルは、日本国内では全て違法ギャンブルになります。違法賭博は、野球賭博や相撲賭博が話題になりましたが、個人間で行う高額な賭け麻雀なども違法です。

ただし、日本から海外のサーバーにアクセスして楽しむオンラインカジノは、規制する法律がないためグレーゾーンと考えます。もちろん、マカオなど海外で行うギャンブルには、日本の法律は適用されません。

課税の有無1.公営競技

競馬、競輪、競艇、オートレースで獲得した払戻金は、一時所得として確定申告が必要です。公営競技では、獲得した収入から経費を引き、特別控除の50万円を引いた額を一時所得として扱います。

そして、一時所得の2分の1の金額を他の所得と合算した総所得金額に対して税金がかかります。これを総合課税と言います。

例えば、競馬のあるレースにおいて10万円で10枚の馬券を1万円ずつ買い、そのうちの馬券1枚が万馬券だった場合、払い戻しは100万円です。この時の課税所得を計算してみます。

収入 – 経費 – 控除 = 一時所得
一時所得 × 1/2 = 課税対象額

100万円 – 1万円 – 50万円 = 49万円
49万円 × 1/2 = 24.5万円

注意点としては、経費とみなされるのはレースではなく、当たり馬券にかかった金額だということです。当たらなかった馬券の購入費用は経費算入ができません。

もし他に所得がなければ、一時所得49万円の半分の24.5万円が課税対象になります。

ちなみに、公営競技の課税対象は1レース(1回の当たり)毎が基準です。そのため、年間様々なレースのトータルで1000万円損をしていても、経費が1000万円というわけではありません。

課税の有無2.宝くじ、toto、ロト、スクラッチ

宝くじの当選で得たお金が非課税所得であることと同様、toto、ロト、スクラッチの当選で得たお金も非課税所得です。

では、なぜ競馬、競輪などの公営競技と宝くじ、totoなどのくじは課税・非課税が分かれるのでしょうか。

大きな違いとしては、競馬や競輪などは知っている人と知らない人で当選確率に差が出る可能性があることに対し、宝くじやtotoは差が出ない完全な確率でアタリ・ハズレが決まるという背景があります(totoは関係あると言われそうですが)。

もしこれらのくじで高額当選をすると、家や車など高額な買い物をする人が多いため、税務署の調査が入る場合もあります。そのため、高額当選をしたときは、当選証明書をもらいましょう。ちなみに、競馬にも万馬券的中証明書があります。

ただし、宝くじ、toto、ロト、スクラッチでも、仮に会社名義で購入して当選した場合は、法人の雑所得となり法人の課税対象になります。

課税の有無3.パチンコ

パチンコで獲得したお金も、本来は一時所得、または継続的な収入をあげていれば雑所得として確定申告が必要です。

ただし、パチンコは公営競技と違い、何をもって収支と経費を明確にするのか、どの単位で確定申告をすれば良いのかが曖昧です。さらに、三店方式のため、パチンコによる所得とするべきなのかもわかりません。

そのため、一般的には確定申告をしない人の方が多いでしょう。ただし、パチンコの収支報告をブログなどで公にしている人は、一時所得、雑所得として確定申告をした方が良いかもしれません(本来は確定申告すべき)。

一方、パチンコ雑誌などに顔を出している人は、ライターや編集という職業を持っていますが、パチンコの収支も紙面で報告しているため、明確に確定申告が必要になります。

課税の有無4.違法ギャンブル

野球賭博や相撲賭博、賭け麻雀で得た収入も一時所得になるため、確定申告と納税の義務が発生します。さらに、一時所得のため、公営競技と同様50万円の特別控除があります。

違法ギャンブルをしている人がまともに確定申告をするとは思えませんが、民法第708条によると、たとえ違法ギャンブルの勝ち負けで動いたお金でも、合法ギャンブルとして成立していないため、負けた人には請求権がありません。

不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。

そのため、違法ギャンブルが発覚した後、50万円を超える所得があれば、確定申告は行われているのかもしれません。

ちなみに、違法ギャンブル参加者は刑法の賭博罪にあたり、50万円以下の罰金、重く見られれば3年以下の懲役、違法ギャンブルを開催した胴元に対しては3か月以上5年以下の懲役となっています。

刑法第185条
 賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。

第186条
 常習として賭博をした者は、3年以下の懲役に処する。
第2項
 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、3月以上5年以下の懲役に処する。

課税の有無5.オンラインカジノ

オンラインカジノで獲得したお金も50万円以上の所得があれば、一時所得として確定申告が必要です。

こちらも公営競技と同じでトータルの収支で考えるのではなく、1回毎のベットに対する所得を合算し、トータルの所得に対して特別控除50万円を引いた一時所得を算出し、さらに2分の1をした金額に課税されます。

ちなみに、オンラインカジノはわたしが知る限り国内サーバーで運営されていません。なぜなら、国内サーバーだと違法ギャンブルになるためです。

そのため、オンラインカジノはグレーゾーンなのですが、現在のところは日本にオンラインカジノを取り締まる法律はありません。

ただし、オンラインカジノが海外サーバーで行なわれていても、収支のデータは明確なため確定申告からは逃れられないと考えてください。

課税の有無6.海外のカジノ

世界にはたくさんのカジノがあり、普段ギャンブルをしない人でも雰囲気を味わうために行ったという人は多いでしょう。ちなみにカジノの規模と数が世界一なのはマカオ、次にラスベガス、そしてアトランティックと続きます。

海外のカジノで獲得したお金も50万円以上であれば、一時所得として確定申告が必要です。ただし、海外のカジノで獲得したお金は全て海外の通貨なので、これが一時所得とみなされるのは日本円に換金したときです。

ちなみに、海外で獲得したお金は全世界所得課税によって管理されるため、日本での課税対象になります。これは簡単に言うと、国内外のどこから所得を得ているかにかかわらず、すべて課税の対象とすることです。

日本の場合は、日本の居住者に対して世界のどこから得た所得に対しても課税をする全世界所得課税を採用しています。居住者の定義は国によって異なりますが、日本の場合は住所を有するか、国内に1年以上住むことで居住者となります。

ただし、世界の他の国では居住者の定義などが異なるため、二重課税問題が起こります。全世界所得課税と二重課税問題の説明は、以下を参考にしてください。

参考|外国で納めた税金を日本で納める税金から差し引く──外国税額控除制度|国際税務研究会
参考|全世界所得課税とは?|辻・本郷税理士法人

ギャンブルで生計を立てていれば事業所得

このように日本の法律では、合法・違法にかかわらずギャンブルで得たお金にも所得税や住民税が課税される場合があります

ちなみに、冒頭で「ギャンブルで生計を立てている人もいると思います。」と書きましたが、もし税務署が「ギャンブルで生計を立てている」と判断した場合は、事業所得とみなされる場合もあります。

ギャンブルによる収入は、それを職業としていれば事業所得、明確に所得を得る目的で行っていれば雑所得、一時的な収入であれば一時所得に該当します。所得区分は曖昧な部分もあるため、以下も参考にしてください。

参考|副業で確定申告が必要な所得とは?仕送りや競馬、株式売買も課税対象?

ただし、公営競技にしろ、パチンコにしろ、よほどのことがない限り換金した事実を税務署に知られることはないだろうと考え、確定申告をしない人は多いようです。

税務署が調査対象としやすいのは、高額当選で不動産などを購入したり、派手な生活で噂が立ったとき、またはインターネット上で馬券や舟券を購入して当選した場合です。

もちろん、ギャンブルで得たお金も申告・納税をすることは国民の義務なので、みなさんは誠実に義務を実行しましょう。どちらにしても儲けたお金で人生を変えるほど生活スタイルを変えませんよう。

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