手数料・保証料で損しない!3つの住宅ローン諸費用の考え方

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住宅ローンを借りる際に、金利が一番気になるポイントになることはわかりますが、住宅ローン商品の比較は金利だけで良いのでしょうか。

通常、住宅ローンの借入には、様々な費用が上乗せされ、3,000万円借りたはずなのに、返済総額が3,500〜4,000万ほどになります。

もちろん上乗せされた金額は、金利の割合が一番大きいのですが、諸費用の上乗せもバカにはできません。

今回は、住宅ローンにかかる諸費用の種類と金額目安についてお話いたします。

1.住宅ローン手数料

当たり前のはなしですが、金利が低ければ毎月の返済額は少なくて済みますし、住宅ローン残高が減るスピードも早くなります。下記条件で試算してみましょう。

  • 借入総額:3,000万円
  • 返済期間:35年
  • 金利タイプ:全期間金利固定型

上記条件で住宅ローンを組む場合に、ある金融機関が提示する金利を仮に1.55%と1.75%の2通りとします。その際の毎月の返済額と返済総額は以下のような関係になります。

返済額(月) 返済総額
金利(A):1.55% 約92,600円 約3,889万円
金利(B):1.75% 約95,600円 約4,015万円
差額 3,000円 126万円
※ 元利均等返済ボーナス併用なしで約定どおりに返済を行った場合で簡易的に計算

両者の毎月の返済差額は3,000円程度にしかなりませんが、返済総額の差は126万円にもなります。やはり、35年も積み重なると大きな金額になりますね。そのため、0.01%でも低い金利のローンを選択しようと必死になるわけです。

1つの金融機関で2種類の金利?

実はこの条件は、過去にある金融機関で提供されていた住宅ローンの金利なのですが、少し違和感を感じなかったでしょうか。

同じ金融機関、同じ様な条件の商品なのに、金利が2通りあります。理由は、住宅ローン手数料が違うためです。パンフレットやホームページをよく見ると、控え目ながら、住宅ローン手数料の記載があることに気づきます。

例えば、前述の金融機関の手数料は次のとおり。金利が低い方の手数料が高めに設定されています。

概要 手数料
金利(A):1.55% 借入額の2.16% 648,000円(3,000万円×2.16%)
金利(B):1.75% 一律 108,000円

返済総額と手数料を合計すると、

  • 金利(A):約3,954万円
  • 金利(B):約4,025万円

となり、126万円あった差額は71万円にまで縮まります。

金利が低くても住宅ローン手数料が高い場合に注意

上記の通り金利が低くても住宅ローン手数料が高い場合あるので、必ず手数料含めて試算・比較をしましょう。

住宅ローン手数料は、最初に一括で支払うものです。そのため、手元資金に余裕がなければ金利の高い「金利(B):1.75%」を選ぶしかなくなります。住宅ローン手数料を一括でも支払えるようにしっかりと貯蓄していれば、選択肢が広がることも覚えておきましょう。

2.住宅ローン保証料

保証料とは?

住宅ローンを借りる際の保証料とは、何の費用なのでしょうか。

住宅ローンの保証料とは、住宅ローンの返済ができなくなった時に保証会社があなたに代わって住宅ローンの返済する保証制度の費用ということになります。
※「代わって返済する」といっても支払いが無くなるわけではありません。債権が銀行から保証会社に移行するだけで、今度は保証会社から返済を求められる形になるだけです。要するに「肩代わり」ではなく「立て替え」です。

住宅ローン保証料は必須ではない

住宅ローン商品のうち、「当行指定の保証会社の保証をご利用いただきます」といった条件があるものを選択すると、住宅ローン保証料の負担を求められます。保証料の支払先は保証会社です。一方、保証会社の利用が前提ではない商品なら、保証料を支払う必要はありません。

住宅ローン保証料はいくら

必ずではないとは言え、ほとんどのケースで住宅ローン保証料は必要になります。保証料がかかる場合、その負担はいくらなるのでしょうか。保証料には以下の2つの支払い方法があります。

  1. 外枠方式:初めに保証料を一括で支払う
  2. 内枠方式:保証料を金利に上乗せすることで支払う

外枠方式

初めに保証料を最初に一括で支払う外枠方式について見ていきましょう。下の表は、三井住友銀行の保証料の一例です。

保証料を借入時に一括して支払う場合、100万円あたりの保証料
借入期間 元利均等返済 元金均等返済
15年 11,982〜47,918円 10,195〜40,793円
25年 17,254〜69,018円 13,908〜55,662円
35年 20,620〜82,437円 16,329〜65,370円
出典:三井住友銀行のホームページより

1マス1マスで保証料に差があるのは、信用力や担保などによって保証料が違うためです。

さて、例えば、下記のような条件で保証料をシミュレーションしてみましょう。

  • 借入総額:3,000万円
  • 返済期間:35年
  • 金利タイプ:全期間金利固定型
  • 返済方法:元利均等

といった場合に、

20,620円 × 3,000万円 ÷ 100万円 = 618,600円

となり、少なくとも618,600円を借入時に一括で支払う必要があることがわかります。

保証料のかからない商品を利用するなら、この負担はナシです。保証料が必要かどうかで、住宅ローンのコストに見逃せない差がつくこと、お分かりいただけるでしょうか。

内枠方式

次に、保証料を金利に上乗せして支払う内枠方式を見てみます。

ベースの金利に加えて保証料分の金利、例えば0.2%が加算されます。原則、外枠方式よりも内枠方式の方が総返済額が高くなる金利に設定されています。頭金がなく、内枠方式を選択せざるを得ないケースも有りますが、逆に、内枠方式を取り扱かっていない金融機関もあるため注意してください。

保証料の外枠・内枠方式はどちら得か

融資額や返済期間によってケースバイケースとなりますので、一概には判断できませんが、銀行の担当者に尋ねてみると、外枠方式のが有利といった返答が多く返ってきました。住宅ローンはその性格上、長期にわたる返済となるため、返済が続くかぎり保証料も支払い続けなければならない「内枠方式」は不利になりやすい、というのが主な理由です。

保証料の内枠・外枠方式

「外枠方式のほうが有利」と仰る銀行の方も多くいらっしゃるようなのですが、どちらがお得なのかは個人の状況によるので下記のポイントを抑えて検討してみてください。

  • 外枠方式の保証料そのものを頭金として元金を減額してシミュレーションしてみる
  • 将来繰り上げ返済をする可能性があるかどうか
  • 外枠方式で繰り上げ返済をしても保証料が返還されない(または事務手数料が高額)かどうか

3.団体信用生命保険料

団体信用生命保険とは

団体信用生命保険とは、住宅ローンを借りた人が亡くなってしまったり、高度障害になった場合に、本人に代わって生命保険会社が住宅ローン残高相当の保険金を支払ってくれる保険のことです。一般の生命保険と違い、保険金の受取人は住宅ローンの債権者ではなく、金融機関になっています。

イザというときのために加入する団体信用生命保険の保険料(団信保険料)も、諸費用として忘れるわけにはいきません。団信保険料は金利に上乗せされるため、仮に3,000万円を35年返済で借りると、通算で200万円以上払うこともあります。

さっそく団信保険料を含めたさっそくトータルコストの比較を見てみましょう。下表は3,000万円を35年返済で借りた場合の一例です。

金利 返済総額
(うち利息額)
事務手数料・保証料・団信保険料
ローン(A) 1.54%
全期間固定
38,826,354円
(8,826,354円)
2,735,300円
ローン(B) 1.87%
全期間固定
40,903,133円
(10,903,133円)
650,730円
※ 元利均等返済ボーナス併用なしで約定どおりに返済を行った場合で簡易的に計算

トータルコストを金額で比べるのも一案ですが、これを年率に換算して、実質的な借入コストを比較することもできます。そうすると、ローン(A)は2.051%、ローン(B)は2.010%となります。

年率
ローン(A) 2.051%
ローン(B) 2.010%

住宅ローンの諸費用を知ることが得につながる

住宅ローン手数料、住宅ローン保証料、団体信用生命保険料が、意外と大きな諸費用だということがよく分かるでしょう。
今回例として挙げた3000万円の住宅ローンをベースに考えても、これらの諸費用で400万円以上が必要になる場合もあります。

住宅ローンは、何千万円もするとても大きな金額を借りる行為です。そのため、相対的に数百万円が小さな金額に感じる場合もありますが、冷静に考え直してください。

普段私たちは、数万円を稼ぐためにがんばり、数千円を節約するために工夫をしているはずです。

少々面倒に思うかもしれませんが、住宅ローン手数料、住宅ローン保証料、団体信用生命保険料を1つずつ理解して、賢い住宅ローンの選び方をしましょう。

住宅ローンについて知る

  1. 住宅ローンの基本的な仕組みとは?事前審査と本審査の違いは?
  2. 住宅ローン金利の選び方は?全期間固定・変動金利・固定期間選択型の違い
  3. 住宅ローンの返済はどちらが得?元利均等と元金均等方式
  4. 全期間と当初期間の金利引下げはどちらが得?10年固定の注意点
  5. 手数料・保証料で損しない!3つの住宅ローン諸費用の考え方
  6. 住宅ローンの繰上返済とは?期間短縮型・返済額軽減型のお得な活用方法
  7. 団体信用生命保険とは?住宅ローン契約者が死亡したら残債はどうなる?
  8. 住宅ローンで老後破綻?将来の家計と最適な返済期間の考え方
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