住宅ローンの繰上返済とは?期間短縮型・返済額軽減型のお得な活用方法

読了目安[ 5 分 ]

住宅ローンの基本的な仕組み、金利タイプ、返済方式を理解して、ようやく住宅ローンを借りることができました。

ところが、住宅ローンは借りたら終わりではありません。これから長い長い返済が始まります。

もちろん、返済が始まったら今度は「できれば、早く返してしまいたい……。」「利息の負担を少しでも減らしたい……。」と考えるのは自然なことですね。

この住宅ローン返済の2つの要望を叶える方法として、繰上返済があります。

今回は、繰上返済の期間短縮型と返済額軽減型を理解して、うまく活用する方法についてお話いたします。

住宅ローンの繰上返済とは

繰上返済とは、月々の返済とは別に手元のまとまったお金をローンの返済に充てることです。通常、返済しているお金は、元金と利息の両方に充てられますが、繰上返済の場合による返済はすべて元金に充当されます。

繰上返済を行うと元々の約束より前倒しで返済することになるため、元金減少に相当する伴う利息分が節約され、返済期間を短縮したり、毎月の返済額を軽くしたりといった効果も期待できます。

そのため、家計に余裕があるのでしたら積極的に繰上返済は実施したい方法のひとつになります。その住宅ローンの繰上返済には、やり方によって下記2つの方法があります。

  1. 期間短縮型
  2. 返済額軽減型

1.繰上返済:期間短縮型とは

期間短縮型とは、月々の返済額はそのままで返済期間を短縮する方法です。メリットは、返済額軽減型に比べて、利息軽減効果が高いことです。

住宅ローンの繰上返済「期間短縮型」イメージ

2.繰上返済:返済額軽減型とは

返済額軽減型とは、返済期間はそのままで月々の返済額を圧縮する方法です。メリットは、当面の資金繰りが改善することです。

住宅ローンの繰上返済「返済額軽減型」イメージ

どちらの繰上返済方法がおすすめ?

1.返済額の節約効果が大きい繰上返済方法は?

では実際に、どちらの繰上返済方法がおすすめなのか、シミュレーションして確かめてみましょう。下記表は

  • 元金3000万円
  • 返済期間35年
  • 金利2%(元利均等)

で借り入れしている場合に、5年目に約100万円を繰上げ返済した場合の節約効果です。

期間短縮型 返済額軽減型
節約利息額 約790,000円 約330,000円
短縮回数 18回 0回
毎月返済額 99,400円 95,700円

ご覧のとおり、「期間短縮型」のほうが「返済額軽減型」より返済額の節約効果が大きいことがわかります。単純な返済額の節約効果を考えても、老後のことを考慮した早めの住宅ローン完済を考えても、「期間短縮型」のほうがおススメと言えるでしょう。

2.資産運用出来る繰上返済方法は?

返済額の節約効果で見ると、期間短縮型がおすすめといいましたが、早くから資産運用を考えている・実践している人にとっては、繰上返済できるまとまったお金が手元にあるのであれば、繰上返済をせずに、そのお金を元手に利回り数%で運用をすること考えるでしょう。

  • その利益で増えたお金で18回分早く一括返済をする
  • その利益で増えたお金を毎月3,700円ずつ取り崩して返済に当てる

仮に上記のようなことが実現できたとすると、「期間短縮型」も「返済額軽減型」もどちらも同じ利回りで実現できます。要しますと、経済効果に着目するとどちらの方法も同じ経済効果だ、という視点です。

経済効果に着目すると、どちらの方法を選択しても、繰り上げ返済した金額から得られる効果は、借入金利で運用するのと同じ経済効果であることが分かります。どちらかがトクなのではなく、基本的には同じだと考えておくべきでしょう。

繰り上げ返済の「期間短縮型」と「返済額軽減型」、どっちが有利?| SUUMO(スーモ)

上記では、年3%(1ヶ月複利)で運用する事例が紹介されていますが、実際に年3%で運用するためのコスト(時間)は考慮されていません。今、繰上返済を考えている方はリスクを取らずに返済してしまうこともできますが、資産運用を踏まえることで、面白い視点なので覚えておいても良いと思います。

繰上返済利用時の3つのポイント

1.繰上返済には手数料がかかる

繰上げ返済には、金融機関や繰上する金額により手数料がかかる場合があるため、予め金融機関に確認をしてください。様々なウェブサイトなどでシミュレーションすることができますが、返済手数料は一律ではないため、やはり確認することが確実でしょう。もし、繰上返済手数料が予想以上に掛かるのであれば、少しずつ返済するなどの手法は取れなくなる可能性があります。

尚、以前は100万円などの大きな額でないと繰上返済が行えなかったのですが、最近はネットの活用等により、1万円など少額で繰上返済することも可能にな住宅ローンが増えているようです。

2.繰上返済は早い時期が効果が高い

繰上返済のポイントですが、できるだけ早く行ったほうが効果が高くなります。

上と同じ条件の住宅ローンで、10年後に「期間短縮型」の繰上返済を行った場合の節約利息は、約62万円(短縮回数16回)、15年後だと約47万円(同14回)になります。これは、返済当初は返済額に占める利息の割合が大きいのに対し、返済が進むにつれ小さくなるため、同じ金額を元金に充当した場合に飛ばせる利息が少なくなるためです。

3.住宅ローン控除を考慮する

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受けている方は注意が必要です。

前述の通り、実施するのであれば早く繰上返済を行った方が効果が高いことは間違いないのですが、住宅ローン控除は住宅ローンの年末残高を基に計算されます。そのため、繰上げ返済で年末の残高を減らすと、住宅ローン控除の対象額も減ってしまいます。

12月のボーナスシーズンになると、テレビでは「ボーナスの使いみち」に関するインタビューが実施されますよね。「子どもの教育に使うつもり」「老後のために貯蓄したい」などと答える中、「住宅ローンの繰上返済をしたい」という回答を見かけることもしばしばあります。年末に繰上返済をするなら、少しだけ待って年明けに行ったほうがよいことを覚えておきましょう。

住宅ローンについて知る

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