団体信用生命保険とは?住宅ローン契約者が死亡したら残債はどうなる?

読了目安[ 5 分 ]

「もし、この先自分が病気になって死んでしまったら……。」

住宅を購入するときは、ほとんどの人が住宅ローンを利用します。つまり、何十年もの間住宅ローンを返済し続けなければいけません。そう考えると自分がこの先健康で生きていられるか不安になりますね。

私も、住宅ローンを使って家を買ったときは、この先収入が維持できるだろうか、もし病気になったら……、最悪死んでしまったら残された家族は……と、様々な不安に襲われたのを覚えています。

そこで、今回は、万一自分が何らかの理由で死亡した場合のための住宅ローンの保険、団体信用生命保険についてご紹介しましょう。

団体信用生命保険とは

団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンの契約者が亡くなった場合に残りの住宅ローン(残債)が一括返済される保険のことです。

つまり、団信付きの住宅ローンを組んでいれば、契約者が亡くなった場合の返済の心配は不要になります。

団体信用生命保険は、民間の金融機関でローンを組む場合は強制加入ですが、健康状態等で保険に加入できない場合は住宅ローン自体が組めないことになります。

ワイド団信プランとは

糖尿病や肝機能障害などの持病を持つ方は、団信に加入できないため、住宅ローンを組めない=家を持つことが出来ないと思うかもしれませんが、心配しないでください。金融機関によっては、通常の団体信用生命保険に加入できない場合に契約者の引き受け範囲を広げた「引受条件緩和型団体信用生命保険(ワイド団信プラン)」というプランが用意されています。

ただし、その分金利が高くなります(後述)ので注意してください。

団体信用生命保険に加入せずに住宅ローンは組めないのか

団体信用生命保険に加入しなければ、住宅ローンが組めないということはありません。

住宅金融支援機構が提供する「フラット35」は、任意で団体信用生命保険をつけるかどうかを決められるため、民間の金融機関で借り入れができなかった場合でも、融資を受けられる可能性があります。

団体信用生命保険の保険料は?

一般の団体信用生命保険

民間の金融機関で団体信用生命保険に加入した場合、保険料は金利に上乗せして返済することになります。

問題なのは、重い病気やけがで返済が困難になった場合です。一般の団信では、死亡と高度障害状態を除いて、保険金は支払われないからです。

特約付き団体信用生命保険

そこで、最近注目を浴びているのが、がんなど一定の病気になって返済ができなくなった時に備える「疾病補償付き住宅ローン」です。

補償内容は金融機関により様々ですが、がんや脳卒中、急性心筋梗塞の3大疾病を補償するタイプと、これらに高血圧症や糖尿病なども加えて7~8種類の重病に備えるタイプが主流です。疾病補償付き住宅ローンの対象の病気にかかって、所定の状態が一定期間続くと、保険金で残債を一括返済してくれたり、毎月の住宅ローン返済額を補償してくれます。

住宅ローンによって、多額の負債を背負う身としては非常に心強い商品ですが、当然そのぶんコストがかかります。疾病補償付き住宅ローンは、金利に0.2〜0.3%程度上乗せされる商品が多く、たとえば2000万円を35年で借り、金利が1.5%の場合、0.3%の金利上乗せで、完済までの支払い総額は約125万円増えます。この額で「安心を買う」のだということを認識したうえで、検討しましょう。

ワイド団信プランの保険料

ワイド団信プランは通常の団体信用生命保険に加入できない場合でも加入出来る可能性のある保険ですが、どの金融機関も金利上乗せ0.3%ほどとなっています。(2017/6/8現在)

商品名 上乗せ金利
りそな銀行
りそな住宅ローンワイド団信プラン
0.3%
みずほ銀行
加入条件緩和割増保険料適用特約付団体信用生命保険
0.3%
じぶん銀行
ワイド団信
0.3%
三菱UFJ信託銀行
住宅ローン「5(GO)サインα」
0.3%

フラット35の場合

フラット35の団体信用生命保険の保険料は金利上乗せではなく、普通の保険のように年1回支払う形になります。

フラット35を利用する場合の団信の特約料は、ローンの返済とは別に毎年1回支払うことになります。その特約料は、借入残高等と特約料率により算出されます。
例えば、期間35年、元利均等返済で1,000万円借入れた場合、初年度は35,800円となりますが、特約料率に変更がなければ、2年目以降は借入残高の減少に伴い、徐々に減っていきます。

10-4. 保険料(特約料)は?:長期固定金利住宅ローン 【フラット35】

団体信用生命保険のポイント

最後に団体信用生命保険の注意点とポイントについてお話します。

1.生命保険料控除にはならない

生命保険料控除を受けられる保険は、保険金の受取人が本人や家族が対象の保険です。ところが、団体信用生命保険の契約者と保険金の受取人は、ローン契約者ではなく金融機関のため、生命保険料控除の対象にはなりません。

2.途中解約の可否

団体信用生命保険は、順調に返済が進んで残債が減れば必要性が薄まります。その際に、途中解約ができるタイプもあります。借入当初の住宅ローン残高の大きいうちは団体信用生命保険に加入し、将来貯蓄が増えたり、専業主婦の妻が働けるようになるなど事情が変わったら解約するといった柔軟な使い方ができるタイプの方がおすすめといえるでしょう。

団体信用生命保険の必要性を検討しよう

個人的には、団体信用生命保険は、残される家族のことを考えると必須の保険だと思います。ただし、自身のケースでは保険料がいくら上乗せされるのか、また途中解約は出来るのかなど、しっかりと見比べた上で「住宅」と「安心」を購入しましょう。

ちなみに、将来の収支を予測するキャッシュフロー表を作ってシミュレーションするとわかりやすいのですが、おかしな話、契約者が元気な場合より、契約者が亡くなって結果的に住宅ローンが完済された方が、表面上家計が楽になるケースもあるようです。

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