全期間と当初期間の金利引下げはどちらが得?10年固定の注意点

読了目安[ 5 分 ]

「100万円を1年預けても、利息はたったの10円だって!」なんてグチが聞こえてくる今日この頃ですが、住宅ローンを借りるなら、話は別です。

2016年3月に入り、メガバンク3行の10年固定金利は、年0.8%になりました。年0.5%で提供するところもあります。住宅ローンの金利タイプには、いくつかありますが、今、とかく取り上げられるのが、この10年固定です。

ただ、今の金利だけを見てとびつくと、後でビックリすることになります。多くの金融機関が販売に力を入れる10年固定は、「当初10年間の金利をぐっと引き下げる」設計になっているからです。

このような、金利引下げプランを選択するためには、それぞれの言葉の意味やメリットデメリットを知らなければなりません。

今回は、金利引下げの2つプランの概要と損をしない金利引下げの考え方についてお話いたします。

店頭金利とは

店頭金利とは、各銀行が市場(短期プライムレート)の金利をベースに設定する住宅ローンの基準となる金利のことです。本来であれば、この店頭金利で住宅ローンの貸し出しを行うのですが、実際には金融機関同士の競争が激しくなっているため、店頭金利から一定金利を引き下げた金利が設定されています。

ここで、

  • 店頭金利から優遇される金利差を「引下げ幅」
  • 実際にローンを借りる際の金利を「適用金利」

と呼ぶことを覚えておきましょう。

金利の引下げ幅について

引下げ幅は金融機関によって一律の場合もありますが、下記例のように▲1.4~▲1.75%と一定の幅を設定しているケースも少なくありません。これは、与信や審査などによって優遇される率が異なるからです。

全期間一律引き下げ例
店頭金利 引き下げ幅 適用金利
3.2% ▲1.4〜▲1.75% 1.45〜1.8%

原則として、「信用力」が高い人ほど低い金利が適用されます。住宅ローンは長期にわたって返済していくものなので、金融機関としては確実に返済してくれる人にお金を貸し出したいと考えます。

2.信用力(与信)とは
住宅ローンの借り入れにおける信用力(与信)とは、金融機関など貸し主が、借り主を信用していくらお金を融資するかの判断基準となる力のことです。

要するに、返済能力があり、きちんと返済できる人かどうかがチェックされます。

一般的に、審査の基準「信用力」の高い人とは

  • 収入が不安定な自営業や非正規社員より安定した企業に正社員として雇用されている人
  • 中小零細企業より大企業に勤めている人
  • 転職したてより勤続年数が長い人
  • 収入が低いより高い人

このような人が信用力が高いとみなされます。そして信用力は、融資を受ける際の「条件」に影響を及ぼします。

信用力が低い(返済が滞る可能性が高い)とみなされると、融資の額が小さくなったり、金利の優遇を受けられなかったり、保証料(万一返済できなくなった際に肩代わりをする保証人を取らない代わりに、系列の保証会社に連帯保証人になってもらうための手数料)が高くなったりします。

住宅ローンの基本的な仕組みとは?事前審査と本審査の違いは?

時々「ローンの審査が通らずに家を買えなかった」というのは、金融機関から信用力が足りないと判断されたため、融資を受けられないケースがあるからです。そして、融資を受けられる場合でも、信用力により、適用金利や保証料などが変わってくる場合があるのです。

金利の引き下げ期間

金利の引き下げには、「全期間一律引下げ」と「当初期間引下げ」の2タイプあります。

全期間一律引き下げ

全期間一律引き下げタイプは、全期間をとおして一律の金利優遇を受けられるものです。

全期間一律引き下げ例
店頭金利 引き下げ幅 適用金利
3.2% ▲1.4〜▲1.75% 1.45〜1.8%

当初期間引き下げ

当初期間引き下げタイプは、借入当初の金利引下げ幅が大きく、最初の特約期間(固定期間)が終わった後は引き下げ幅が小さくなるものです。

当初期間引き下げ例
店頭金利 引き下げ幅 適用金利 特約期間終了後の引き下げ幅
3.2% ▲2.0〜▲2.3% 0.9〜1.2% ▲1.1〜▲1.4%

例の場合は、当初は2%以上の引き下げがありますが、固定期間終了後は▲1.1~1.4%しか引き下げられません。ちなみに、基準となる店頭金利は固定期間終了時のものになるので、今後、市場金利が上昇した場合は、もともとの金利が上がったことに加え、引下げ幅が小さくなることで、実際に適用される金利が相当高くなる(=返済額が大幅に増える)可能性があるので、注意が必要です。

「全期間一律引下げ」と「当初期間引下げ」どちらがお得?

全期間一律引下げと当初期間引下げのどちらが有利かを判断するのは、結局のところ将来の金利がわからないため結論は出せませんが、金融機関等でいくつかのパターンでシミュレーションしてもらうとよいでしょう。

例えば、10年固定金利型をベースにするのであれば、

  • 10年後も金利が変わらない
  • 10年後店頭金利が1%金利が上昇する
  • 10年後店頭金利が2%金利が上昇する

それぞれに対して、「全期間一律引下げ」と「当初期間引下げ」の月々の返済額はいくらか、返済総額はいくらお得か(損か)を比較して検討することをオススメします。

住宅ローンについて知る

  1. 住宅ローンの基本的な仕組みとは?事前審査と本審査の違いは?
  2. 住宅ローン金利の選び方は?全期間固定・変動金利・固定期間選択型の違い
  3. 住宅ローンの返済はどちらが得?元利均等と元金均等方式
  4. 全期間と当初期間の金利引下げはどちらが得?10年固定の注意点
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