10億円つかって伝説に名を刻め。もう時間がない。幻のアーティストを招聘せよ!

読了目安[ 6 分 ]

スポーツくじtotoBIGで10億円当選したら何に使うか……妄想を続けたい。

前回は邦画超大作の製作を紹介したが、はっきり言って映画なんて水ものだ。あたるときはデカいが、ダメなときには本当に人が入らない。芸能人が自分で製作資金を調達したけど客が入らなくて、借金返済のために何年も地方営業をしたなんて話も聞く。

『この世界の片隅に』の片渕須直監督の前作『マイマイ新子と千年の魔法』(2009年)も惨憺たる結果で、現在までの興行収入は4805万4600円である。

いくらtotoBIGの当選金での映画制作とはいっても、上映2週間で打ち切りでは10億円使った甲斐がないではないか。妄想にも夢がない。

そこで、今回はより確実に、あなたの名前が後世まで語られるような使い途をご紹介しよう。大物ミュージシャンの日本初来日のスポンサーになるのである。

名の知られたアーティストはほとんど来日している。ジミヘンやジャニス・ジョップリンなど早逝したミュージシャンは別だが、ビートルズやマイケル・ジャクソンやプリンス、マドンナといった超大物から、「えっこんな人も来てたの?」といった超マイナーなアーティストまで、海を超えてやってきてくれたのである。ただし次の2人を除いては──。

日本に来ていない現存する超大物、それが、ヴァン・モリソンアレサ・フランクリンだ。

生きるレジェンド、ヴァン・モリソンとアレサ・フランクリン

伝説的ミュージシャン:ヴァン・モリソン

ヴァン“孤高のロッカー”モリソン、御年71歳。北アイルランド出身の伝説的ミュージシャンだ。1993年にロックの殿堂入りを果たし、「ローリング・ストーン誌の選ぶ偉大な100人のシンガー」において24位に選ばれている。

Van Morrison at Notodden Blues Festival
Van Morrison at Notodden Blues Festival:Wikipedia

ゼム時代の「グロリア」やソロになってからの「ブラウン・アイド・ガール」「ムーンダンス」「テュペロ・ハニー」などのヒット曲は、他のアーティストからカバーされまくっているので耳にした方も多いだろう。しかしなんといっても日本人の印象に強いのはザ・バンドの解散コンサートを映画化した『ザ・ラストワルツ』での「キャラバン」の雄姿だろう。短い脚を蹴り上げての熱演はヴァン・モリソンの「小太り、笑わない、変なシャツ」という日本でのパブリックイメージを定着させた。

ヴァンが他のミュージシャンと違うところは、ずーっと現役を貫いているところ。しかも我が道を往くで創作意欲も枯れる素振りがない。2016年9月には、36作目となる最新アルバム『キープ・ミー・シンギン』をリリースしている。

泣く子も黙るソウル界の元祖ディーバ:アレサ・フランクリン

片やアレサ“レディ・ソウル”フランクリン、御年75歳。泣く子も黙るソウル界の元祖ディーバ。女性アーティスト初のロックの殿堂入りを1987年に果たし「ローリング・ストーン誌の選ぶ偉大な100人のシンガー」の輝く1位に選ばれている。

Arethafranklin
Arethafranklin:Wikipedia

日本のファンが動くアレサを初めてみたのは、これも映画『ブルースブラザース』での定食屋のおかみ役だった。ここでの性格きつそうな肝っ玉おばさんが日本でのパブリックイメージだろう。

飛行機が嫌なら船を用意しよう

いつ日本に来てくれるのだろうという期待を裏切るかのように、アレサは今年に入ってコンサートの引退宣言をしてしまった。もう時間がない。

ヴァン・モリソンが日本に来ない理由ははっきりしていない。一説では飛行機嫌いらしいが、それにしてはアメリカとの間を行き来している。なにしろお気に召さないとずっと観客に背中を向けたまま演奏したという逸話を持つお方なので、気分の問題なのだろう。

アレサが日本に来ない理由ははっきりしている。極度の飛行機嫌いなのである。1967年にオーティス・レディングが飛行機事故で死んだのがきっかけだと言われているが、日本はおろか、米国・カナダ以外の公演はいっさいやっていないのだ。

なんとかして10億円で、この2人を呼ぶことができないだろうか?

妙案がある。二人一緒に呼んでしまうのだ。ジョイントコンサートである。

二人ともブルーズをルーツに持つミュージシャンで共通項も多い。ヴァンのお友だちのザ・バンドの「ザ・ウエイト」はアレサの持ち歌だし、ブルーズの名曲「Share Your Love With Me」は二人ともカバーしている。なにより、日本においては、ファン層がすっかりと言っていいほど重なっている。ヴァンファンのCD棚にはアレサのCDが必ずあるし逆もまた真。

ジョイントコンサートという名目でヴァンを説得しよう。アレサとの共演を断る人間はいないだろう。そしてアレサには船で来てもらう。飛行機が嫌いなら客船をチャーターすればいいのだ。アレサの住むデトロイトから車で東海岸に出てもらい、パナマ運河を通ってハワイ経由で横浜に上陸してもらおう。ざっと20日間はかかるが。

武道館伝説の2デイズコンサート

10億円で足りるか心配になってきた。概算を弾きだしてみよう(あくまで概算です)。

まずはギャラ。ボン・ジョヴィ、ブルース・スプリングスティーンクラスで100万ドル(約1億円)以上と言われているので、ヴァンには1億5000万円、アレサにはおよそ1か月の拘束なので3億円を提示しよう。

渡航費用は2人合わせて2億円。滞在費用が2人合わせて5,000万円。

ツアーメンバーも豪華にしたいので2億円用意しておこう。

忘れちゃならないのがエージェントに払う費用だ。ここでケチると後が大変だ。スーパーギタリスト夢の共演と銘打ったのにプレゼンターとして出てきて1曲も弾かなかった某レジェント級ギタリストのニュースは記憶に新しいだろう。1億円は用意したい。

ここまででざっと10億円だ。

ギャラ ¥450,000,000
渡航費 ¥200,000,000
滞在費用 ¥50,000,000
ツアーメンバー ¥200,000,000
エージェント費用 ¥100,000,000
合計 ¥1,000,000,000

なんだか二人がこれまでに来日しなかった理由がわかる気がしてきた。呼ぶまでにこんなに費用を使ったら採算が合わないだろう。ポップカルチャーの大旦那よろしくポンとポケットマネーを出す人がいなかったら無理なのだ。

意外にお安いコンサート開催費用

10億円が尽きてしまった。

ここから後は招聘会社やレコード会社に任せよう。洋楽ファンはこれまで怪しげな呼び屋にさんざん騙されているので、ちゃんとした会社が表に立った方がいいだろう。あなたはあくまで冠に名前が入るスポンサーである。

ちなみに、コンサート会場は日本武道館で2デイズだ。キャパは小さいがなんといっても武道館、ビートルズもボブ・ディランもやっている。

費用も出しておこう。

  • 武道館使用料が1日500万円×4日間(2日間はリハーサルと片付)で2,000万円
  • 音響設備、照明、スタッフ、警備関係の人件費が1000万円×2日間で2,000万円
  • 音響機材と舞台演出費用が3,000万円ぐらいか。
  • ライブ告知費用はそんなにかけなくてもいいだろう。新聞、雑誌、テレビ、車内吊広告などでざっと5,000万円。
  • ポスター、パンフレット、チケットなどで約3,000万円。

合計するとコンサート費用でざっと1億5000万円。

収入が1万円×1万人×2日間=2億円。
グッズ関連の収益も上がるだろうから、招聘会社は楽に黒字にはなるだろう。

アレサのピアノでとヴァンが歌う。デュエットは二人とも敬愛するレイ・チャールズのナンバーかもしれない。そんな妄想の広がる10億円の使い途である。

きっとあなたの名前はアレサとヴァンを呼んだ人間として歴史に刻まれるであろう。

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