生命保険が4月から2割も値上げ!加入中の保険への影響は…?

読了目安[ 6 分 ]

2017年4月1日。この日は保険業界の人間にとっては、ひとつの節目の日になります。昨年1月、日銀によるマイナス金利発動から、初の業界規模での料率改定が行われたからです。

マイナス金利政策が動き出してからは「必ず来る」と、業界人は誰もが認識していたことですが、具体的な予定利率やそれに伴う保険料の引き上げ額、解約返戻金の減額幅は、ギリギリまで公表しない保険会社もあり、ふたを開けてみないと「まったく分からない」という状況でした。

各保険の保険料引き上げ率

下記の数値は、30代~40代の「保険料引き上げ率」です。

  • 終身保険:20%程度
  • 特定疾病終身保険:15%程度
  • 長期定期保険:15%程度
  • 学資保険:4%程度
  • 養老保険:7%程度
  • 変額養老保険:マイナス2~3%

必ずしも全ての保険会社が引き上げを行っているわけではありませんが、終身保険類は、オール引き上げです。では具体的にいくつかの商品を挙げてみましょう。

終身保険:約20%アップ

今回の料率改訂で、もっとも保険料引き上げ率の高い商品です。2017年4月を待たずに既に昨年の秋口に「募集停止(販売停止)」になっている保険会社や、20年以上の支払い期間設計は発売継続でも、短期払い(一時払い・3年・5年・10年など)は募集停止、という会社もあります。(短払いであるほど、返礼率が良いからです。)

終身保険は「死亡保障を持ちながら資産形成」をする商品ですので、いわゆる「掛け捨て」商品ではありません。一時払いにしても積立にしても、払い込んだ保険料のほとんどもしくはそれ以上が、一定期間後に解約すれば、受け取れる商品です。

そのため保険料の引き上げ=解約返戻金率の低下、に直結し、もどってくるお金も20%程度の目減りになる、という訳ですので、もっとも「駆け込み需要」の考えられた商品です。

参考:貯蓄型は不人気…FP21名が辛口評価「本当に良い終身保険」ベスト5は?

変額保険:マイナス2~3%

さて、ここまで話したのは皆さんにとって「不利になる話」でした。日本国内で販売されている保険商品は、その運用のほとんどをリスクの少ない日本国債に投資している関係上、日銀の「マイナス金利政策」の影響を、まともに受けるのです。

しかし一部商品に、その影響をほとんど受けないものも存在します。それが「変額保険」です。変額保険は他の保険とは別の勘定で運用されるため、国債の組み入れ(商品構成)が一般勘定とは異なります。

株式や海外債券などを組み入れることができ、その分リスクもリターンも一部保険金額を除いて、「保障」されません。満期金や解約返戻金が、そのときの運用益に基づいて支払われますので、本来保険会社がとるべきリスクを契約者がとるために、わざわざ運用益の低いことがほぼ確定している日本国債を、他の商品のように組み入れません。

ですから、変額保険は今回の料率改定で保険料が上がるようなことは無く、死亡保険率の低下に伴い、逆に「保険料が下がる=3月以前に加入したときと同じ運用率だった場合、満期金・解約返戻金が上がる」ということになるのです。

現在加入中の保険への影響は?

よくある質問に「今加入している保険に、影響はありますか?」という声ですが、「基本的にはありません」と回答しています。

現在の保険料や解約返戻金は、契約時に約束されたものから変更はありませんので、現行の保障に直撃はしません。しかし更新後の保険料や、払済(はらいずみ)保険に切り替える際の保険金額、料率改定そのものには関係の無い配当なども、市場環境からは悪化することが確実となるものもありますので、場合によっては、影響をうけるものもあります。

これから加入する人は損する?

また、今後保険に加入する人は「損なのか?」と聞かれることもありますが、これには「分かりません」としか、答えようがありません。

今の段階で保険加入が必要でない人に、「4月からあがるから今のうちに加入しておいたほうが得ですよ」という考えには、大反対です。

必要に応じて、必要な保障を持つのが保険の基本です。それが「いつ」なのかが問題であって、料率改定が「いつ」なのかは、問題ではありません。今回最も条件の悪化した終身保険など、資産形成の方法なら保険以外にもあるので、わざわざ料率改定を持ち出す必要はありません。

料率改定は好材料だった!?

筆者が今回の料率改訂で、逆に「意味があった」と思えるのは、一般消費者が料率改定を期に、先送りにしている問題に「着手できた事」だと思います。マイナス金利政策発動から丸1年以上かかった今、これくらいの保険料値上げなどが無い限り、多くの消費者が今の金融事情の深刻さを理解することはなかったかもしれません。

【監修:株式会社Money&You】

おすすめ記事


コメントを残す

  • コメント欄には個人情報を入力しないようにしてください。

  • 入力いただいたメールアドレスは公開されませんがサーバーに保存されます。
  • 入力いただいた情報の他に、IPアドレスを取得させていただきます。取得した IPアドレス はスパム・荒らしコメント対処ために利用され、公開することはありません。