世界最大級の上場企業誕生か? 「サウジアラムコ」のIPOの運命は…

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砂漠の王国サウジアラビアの国営石油会社「サウジアラムコ」が、2018年までにIPO(新規株式公開)を行う見通しです。2017年の株式市場で最大のビッグイベントになるかもしれません。早めに情報を掴んでおきましょう。

サウジアラムコのIPO

サウジアラビアのサルマン皇太子は、サウジ改革の一環として、サウジアラムコの株式5%未満を上場する計画を明らかにしています。このサウジアラムコ、石油会社として世界最大で、企業価値は2~3兆ドル。5%を上場しても1,000~1,500億ドルに達する予定。

あのアップルやマイクロソフト、Google(グーグル)を大きく超える株式時価総額になりそうです。

これだけの巨大企業が上場すれば、株式市場に大きな影響が広がると予想されています。サウジアラムコを買うための資金を揃えなければいけない投資家は、他の株を売るなどでお金をかき集めますから、他社の株式が下がるとの見方も出ています。

また、実現する可能性は低いながらも、なんと、上場先に東京証券取引所の名前も挙がり視察に訪れたとのニュースも。さすがに、これは、本命をじらすための作戦でしょう。

大改革を迫られているサウジアラビア

なぜ、今頃になって国営石油会社を上場するのでしょうか?

サウジアラビアの原油生産コストは、1バレル4~10ドル程度と言われており、現在の原油価格50~55ドルと比べて破格のローコスト。米国のシェールオイル・他国の原油と比べてもサウジの原油生産における利益率は大。

ただ、サウジアラビアは、社会保障・軍事費に巨額のお金を支払っており、歳入の約9割・GDPの約5割が原油収入。原油が無くなれば、国として成り立たない状態です。

そして、2014年以降の原油価格下落で2015年の財政収支は赤字に転落しました。いずれ、石油は無くなるかもしれませんし、エネルギー革命によって、石油の利用が減るリスクも存在します。

そこで、石油だけに頼ってばかりはいられないと大規模な国家プロジェクトを2016年4月に発表、サウジアラムコのIPOもその壮大な計画の一環です。

サウジアラビアのVision2030:砂漠の国から貿易都市に!

中東の湾岸諸国は、UAEのドバイを筆頭に、石油だけに頼らない観光・ビジネス・投資の拠点を創り上げようと国家・都市プロジェクトを実行しており、サウジアラビアも同様のプロジェクトを立ち上げました。

世界最大の上場企業が誕生か? 国営石油の「サウジアラムコ」のIPO、マネーゴーランド

【サウジアラビアのVision2030】の主なプロジェクト

  • サウジアラムコ戦略:原油以外の分野でも世界をリードする企業へ
  • 公的投資ファンド再編:世界最大のソブリン・ウェルス・ファンド
  • 戦略的パートナーシップ:他国との経済連携を強化して貿易のハブ化

原油世界一の座を維持したまま原油依存から脱し、さらに投資・貿易においてパワーアップ、中東随一の大国としての存在感を高めるというのがサウジアラビアの戦略。

シェールオイルの開発に成功した米国は、サウジアラビア優遇政策を徐々に減らしていく可能性が指摘されており、そうなるとサウド王家の支配力が揺らぐリスクがあるだけに、改革の行方は、中東和平にも絡んできます。

サウジアラムコのIPOで得た資金でサウジアラビア国家の大改革!?

サウド王家は、イスラム教スンナ派、その中でもワッハーブ派が主流。シーア派の大国イランと中東の盟主の座を争わなければならず、サウジアラムコのIPOで得た資金を元に、国家の大改革にチャレンジ。人権その他の点で、欧米との価値観の違いをどう消化していくかにも注目が集まります。

サウジアラムコのIPOが成功するかどうかは、中東の盟主を称するサウジアラビアの今後を左右することでしょう。国営企業の民営化においては、様々な不正や腐敗があぶりだされてくるものです。

トランプ政権になり、イスラエルへの肩入れが強まる米国。IS・ロシアとの利害が絡むシリア。それに加えて2017年の中東情勢は、サウジアラビアに注目です。

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