年金受給開始年齢が75歳に引き上げ?老後資金は最低3000万円必要…

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現在の公的老齢年金支給開始年齢(定額部分)が65歳に変更されてしばらく経つことは、誰もが知っていますね。

年金支給開始年齢が65歳に変更されたのが、1994年の決定から男性は7年後の2001年、女性は12年後の2008年です。そう考えると、意外と時間が経っているものですね。

ところで、年金受給開始が75歳からになるかもしれないと言われたら、みなさんはどのような反応をするでしょうか。「え、75歳!」と驚いた方、「まぁそうなるよな。」と納得される方など感想はそれぞれでしょう。

しかし、日本の少子高齢化に伴う社会保障額の増加、今後の経済成長を考える限り、年金受給開始年齢の引き上げは十分にありえることです。

しかも、現在30歳~40歳の現役世代が、現行の支給開始年齢の65歳まで25年~35年程あり、仮に今後、法案決定から施行まで10年程度、時間がかかるとしても、現役世代が定年に至るまでに支給開始年齢の引き上げがないとは思えません。

では、仮に年金受給開始が75歳からになった場合に備えた、具体的な考え方を持っておきましょう。

事例|35歳年収500万円の老後資金計画

例えば、夫(35歳)年収500万円、妻(33歳)専業主婦、子ども(3歳)の家族構成で考えてみましょう。

住宅は、3700万円の自宅を住宅ローン(借入額3100万円、固定金利1.3%、35年)で購入したばかりです。住宅ローン完済は70歳ですが、65歳で定年退職時の退職金を住宅ローン完済にあて、残りを運用して老後資金に充てることを予定しています。

ところが、もし年金支給開始が75歳になった場合、定年が65歳だと、無収入期間は10年になります。予定通り退職金で住宅ローンを完済すれば毎月のローン返済はありませんが、無収入の10年は非常に重いものです。

もちろん、65歳時の退職金で住宅ローンを繰上返済する場合、利息額は圧縮できますが、金融機関への手数料や抵当権抹消の手続き・手数料、また団体生命信用保険がなくなることなどを考えると、良いことだけではありません。

参考|住宅ローンの繰上返済とは?期間短縮型・返済額軽減型のお得な活用方法

どちらにしても足りない分を埋めるためには、現在勤めている会社を定年退職後に、何らかの収入が必要になると考えた方がよいでしょう。

65歳定年後に5年間働いた場合

では、65歳の定年後に住宅ローンの繰上返済せずに、シニア就職で70歳まで5年間働いてローン返済を続けた場合、65歳〜75歳の10年間で必要な老後資金の額を試算してみます。

定年後に夫婦で生活するために必要な生活費は、月間23万円です。また、シニア就職による収入は月間18万円として、月9万円の住宅ローンを返済していくとしましょう。

65歳-70歳:(23万円+9万円-18万円)×12か月×5年間=840万円
71歳-75歳:23万円×12か月×5年間=1380万円
840万円+1380万円=2220万円

65歳~75歳までの支出は2220万円になるので、65歳定年後に5年間働いたケースでは退職金が2220万円以上必要ということになります。

加えて妻の老齢年金支給開始は、夫の2年後です。夫婦に必要な生活費が、妻の国民年金も含めた金額だとすれば、残り2年についても差額分の加算が必要になります。

もし、豊かな老後を送ることを考えるならば、子どもの結婚資金や孫との係わり合い、友人との付き合いに必要な金額も変わります。また、医療費など思い掛けない出費かかってくるかもしれません。

35歳年収500万円の場合の結論:最低3000万円は必要

総合的に考えれば、3000万円以上の資金が「最低限」必要な額で、介護費用など余裕資金を含めれば、プラス1000万円単位で必要になります。

なによりも「健康に、持続的に働くことのできる身体」を持つことで、定年後にわずかだとしても、コンスタントに収入を得ることができるでしょう。この「収入があるか・ないか」は、非常に大きな差になります。

30代、40代の読者の皆さん、自身の「70歳」は、見えてきましたでしょうか。

老後のために準備すべきこと

定年前の世代と定年後の世代には、老後資金の意識の違いがあります。

三井住友アセットマネジメントが、全国の20代-60代の1200名を対象に行った意識調査によると、「仮に60歳で退職となる場合、その後の生活資金として公的年金・退職金以外に自分で用意するべきだと思う金額を教えてください。」との質問に対して、20-50代の回答の平均額は2901万円でした。

一方、すでに退職をしている60代に同様の質問をすると、回答の平均額は3277万円でした。つまり、退職前の世代と、退職後の世代が考える老後資金には、376万円もの差が出ているのです。

出典|老後生活資金と退職金調査レポート|三井住友アセットマネジメント

また、退職金を受給した人の75%以上が、受け取った退職金が十分ではなかったと回答しており、老後資金の準備を始める時期でも平均は35.2歳からという回答をしています。

資産運用すると老後の満足度がアップ

老後のための資金準備は早くから始めた方が良いことは、現在老後を過ごしているリアルな声でよくわかりましたが、その方法の一つとして考えなければいけないのは、やはり資産運用です。

三井住友アセットマネジメントの調査によると、資産運用をしている人は指定ない人に比べて、老後の生活に満足している割合が高いことがわかっています。

出典|老後生活資金と退職金調査レポート|三井住友アセットマネジメント

資産運用している|満足している(79.0%)、満足していない(21.0%)
資産運用していない|満足している(65.0%)、満足していない(35.0%)

将来に漠然とした不安を抱えている人は、とても多いはずです。公的年金や退職金に過度に依存せず、自分で老後資金を準備する方法には、個人年金保険や確定拠出年金など、たくさんあります。

もし、まだ20代の人も「老後なんて、40年以上も先だから。」と思わずに、早めの準備を心掛けましょう。個人年金保険や確定拠出年金のについては、以下も参考にしてください。

参考|【30代から始める】個人年金保険で節税しながら老後資金を手に入れよう
参考|転職・独立時にも安心!確定拠出年金で節税しながら老後資金を準備すべし

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