年金受給開始年齢が75歳へ…「定年後に最低3000万円」ないと危険と判明

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年金受給開始が75歳と聞いて、「え、75歳になるの?」と疑問をもたれる方、「なる可能性もある」と納得される方、皆さんの意見はそれぞれでしょう。

しかし、わが国の少子高齢化と社会保障額の増加傾向、加えて経済成長によほどの大きな変化がない限り、考えるべき課題であることに、間違いありません。

今後15年間で年齢引き上げの議論は必ずある

2016年12月14日、国会にて「改正国民年金法」が成立しました。
改正事項は、いままで物価上昇に合わせていた年金額を、賃金にあわせることを主とした「マクロ経済スライド」を見直すものです。

言わずとも、今の公的老齢年金支給開始年齢(定額部分)は65歳、皆さんご承知のとおりですね。
この65歳に変更されたのが、1994年の決定から男性は7年後の2001年、女性は12年後の2008年です。意外と時間が経っているものですね。

現在30歳~40歳の現役世代が、現行の支給開始年齢65歳まで25年~35年程あり、仮に今後、法案決定から施行まで10年程度、時間がかかるとしても、15年~25年の間に、支給開始年齢の引き上げが「ない」とは、到底思えないと筆者は考えるのです。

では、具体的にそうなった場合に備えた「準備」を考えてみましょう。

35歳年収500万円の老後マネープラン例

次のような家族構成を例にします。

  • 夫 35歳、年収500万円
  • 妻 33歳、専業主婦
  • 子 3歳

住宅:3700万円の自宅を住宅ローン(借入額3100万円、固定金利1.3%、35年)
で購入したばかり

今の予定では、定年退職は65歳・ローン完済は70歳の計算です。
65歳時の退職金をローン完済にあて、残りを運用し老後の余裕資金に当てるというもの。
しかし年金支給開始が75歳になった場合、定年が65歳だと、無収入期間は10年間かつ、ローン完済まで5年。
先に退職金でローン完済をし、毎月のローン返済がないとしても、無収入期間の10年は非常に重いものです。

65歳時の退職金で住宅ローンを完済する場合、一括返済分の利息返済額を、圧縮できる効果はもちろんありますが、金融機関への手数料や、抵当権抹消の手続き・手数料、また団体生命信用保険がなくなることなどを考慮すれば、必ずしも一括返済がよいとも限りません。

定年65歳〜5年間働いた場合

ここで現実的に、65歳の定年後にシニア就職口で70歳まで5年間働けると仮定して、ローン返済を続けていった場合、65歳〜75歳の10年間の必要額を試算してみます。

  • 住宅ローン:9万円/月
  • 生活費夫婦:23万円/月
  • シニア就職収入:18万円/月

  • 65歳~70歳:(23万+9万-18万)×12ヶ月×5年間=840万円
  • 71歳~75歳:(23万)×12ヶ月×5年間=1380万円

65歳~75歳までの間、支出は840万円+1380万円=2220万円
つまりこのケースでは、退職金が2220万円以上必要なのは確実で、また65歳以降も、何かしらの収入が不可欠になるでしょう。

加えて妻の老齢年金支給開始は、夫の2年後です。必要生活費が、妻の国民年金も含めた金額だとすれば、残り2年についても差額分の加算が必要になります。

子供の結婚資金や、孫との係わり合い、友人との付き合いも、若いころのような金額では不足に感じるでしょう。
医療費や思い掛けない出費が、子供を育て上げた後、今度は自分達にかかってくるものです。

35歳年収500万円の場合の結論:最低3000万円は必要

総合的に考えれば、3000万円以上の資金が「最低限」必要な額で、介護費用など余裕資金を含めれば、プラス1000万円単位で必要になります。

なによりも
「健康に、持続的に働くことのできる身体」を持つこと、によって、定年後にわずかだとしても、コンスタントに収入を得ることができるでしょう。この「収入があるか・ないか」は、非常に大きな差になります。

30代、40代の読者の皆さん、自身の「70歳」は、見えてきましたでしょうか。

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