住宅ローンとどちらが得?現金一括で購入のメリットとデメリット

読了目安[ 7 分 ]

住宅金融支援機構の住宅ローン金利推移グラフを見ると、現在の低金利が多少上下はあるものの、すぐには金利が上がらないと予想できます。

そのため、賃貸住宅に住んでいると「このままずっと家賃を払い続けるよりも、金利が低いうちに家を購入した方がいいかも!」と考えることがあるはずです。

ただ、いくら金利が低くても何十年も利息を支払い続けることは家計の負担になります。もしも、今すぐでなくても良いから現金一括でマイホームを購入できたとしたら……。

民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)

4-2. 民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等):長期固定金利住宅ローン 【フラット35】

今回は、現金一括で住宅を購入するメリット・デメリットについてご紹介します。

現金一括で住宅を購入する人なんているの?

いるんです。実際に住宅を現金一括で購入される方はいます。しかも、みなさんの予想を上回っているかもしれません。

Q1:どのような方法で現在のお住まいを所有しましたか?

住宅購入やローン返済に関する調査、マネーゴーランド意識調査

ローン返済額みんなの平均はいくら?「住宅購入とお金」全国実態調査 – マネーゴーランド

購入した住宅の金額までは調査していませんが、全体の8.7%の方が現金一括で住宅を購入しています。もし両親からの贈与なしに現金一括で購入するとしたら、よほど上手に貯蓄・運用していたのでしょう。

現金で一括購入するメリットとは

さて、住宅ローンを組まずに現金で住宅を一括購入するメリットについてですが、それは諸費用を節約できることが一番のメリットです。

現金で一括購入する場合にも不動産取得税や登記費用などの諸費用が掛かりますが、住宅ローンを組むとその他に、融資手数料やローン保証料、抵当権設定費用なども予算に含める必要があります。

例として、

  • 販売価格3000万円の住宅
  • 頭金1000万円
  • 返済期間35年(ボーナス払いなし)
  • 金利1.400%(超長期固定金利型30年超~35年以内)

という条件で2000万円を借り入れしたとして、シミュレーションをしてみました。

選択した金利が借入全期間変動しなかった場合の新規借り入れ(平成29年2月現在)
項目 ローン支払い時 現金一括時
頭金 10,000,000円 30,000,000円
借り入れ 20,000,000円
借り入れ利息分 5,309,844円 不要
保証会社保証料 412,280円 不要
保証会社事務取扱手数料 32,400円 不要
印紙代 20,200円 不要
登記費用 130,000円 130,000円
総合計 35,904,724円 30,130,000円

参考:りそな銀行HP 住宅ローンシュミュレーション「新規お借入れシュミュレーション」

この場合、登記費用は現金での購入時にもかかる費用なので、約577万円が現金一括購入との差額となります。引っ越し費用や新居に合う家具や家電をそろえたとしても、おつりがきそうな金額ですね。また、住宅ローンの申込みにかかる時間と書類を集める手間が省けることも、忙しい人にはメリットだと感じることでしょう。

現金で一括購入するデメリットとは

住宅購入のために利用できる減税制度や低金利のメリットを活かせないことが、デメリットになります。

デメリット1.住宅ローン控除が利用できない

一定の住宅ローンを組むことで利用できる「住宅借入金等特別控除」の対象外になります。この控除は、住宅ローンの年末残高の1%(平成31年6月30日までの期間。上限40万円)を10年間所得税等から控除できるところが魅力です。年末の住宅ローン残高が2500万円だとすると、1%の25万円が控除できる限度額となります。

デメリット2.無理して一括購入すると、万が一の時に他のローンに頼ることに

現金一括で住宅を購入すると、住宅ローンはない代わりに貯蓄が減ります。もし、足りないお金を教育ローンやカードローンに頼ってしまうと、住宅ローンに比べ高い金利を支払うことになりかねません。

デメリット3.団体信用生命保険を利用できない

住宅ローンを組むと一般的に団体信用生命保険に加入でき、死亡保障だけでなく高度障害になった場合は、住宅ローンの残債が保険金で完済されます。団信生命保険は一般の生命保険よりも保険料が割安な事が多いため、万が一に備えることもできます。

デメリット4.購入資金を運用できない

住宅ローン金利水準よりも高い運用利回りが可能であれば、現金一括で住宅を購入するよりも、手元資金を運用することで得られる利益を住宅ローンの支払いに充当できます。現在は超低金利状態のため、住宅ローン金利水準よりも高い運用利回りを得ることは、比較的難しくありません(簡単とは言いません)。

できれば住宅ローンを組まず現金一括購入するに越したことはありませんが、このように意外とデメリットもあることがわかります。おすすめは、ある程度余裕資金を残しつつ、有利な住宅ローンを組むということ。返済計画を立てるときにはファイナンシャルプランナーなど、住宅購入に詳しい専門家を頼ってみるのもひとつの手でしょう。

住宅やライフイベントを想定したお金の使い方を!

お金の使い方は様々です。今すぐに住宅を購入したい人にとっては、住宅ローンを組まず現金一括購入に越したことはありませんが、このように意外とデメリットもあることがわかります。

余程現金に余裕がある人以外にとっておすすめは、ある程度余裕資金を残しつつ、有利な住宅ローンを組むことです。そのためには、現在の自分のお金の出入りだけでなく、将来のお金の出入りを見越す必要があります。

返済計画を立てるときにはファイナンシャルプランナーなど、住宅購入に詳しい専門家を頼ってみるのもひとつの手でしょう。

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