EU離脱が加速し、やがて…2017年ヨーロッパ「史上最悪のシナリオ」とは

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今回は、万が一を想定して、欧州の最悪シナリオを想定、分析してみます。イギリスのEU離脱が国民投票で決定し、フランス・イタリアなどでも同じくユーロ放棄やEU離脱が起きれば、どのような事態が起きてしまうのか。仮定シナリオをお読みください。

最悪のシナリオ:欧州各国がEUから次々に離脱

オランダ・フランスそして総選挙を急ぎ実行したイタリアで、反ユーロ・反EUを掲げる政党が続々と勝ち名乗りをあげて、政権獲得。選挙の公約通りに、EU離脱の是非を決める国民投票を行った結果、EUからの離脱派が多数を占めて英国に続いて各国の離脱が決定。

分裂する欧州とロシアの進出

これによって、欧州の分断と混乱は激しくなります。同じ国内でも、ヒト・モノ・カネ・サービスの移動の自由を求めるEU派と反EU派の争いは激化。EUの盟主として力を増すドイツ&EU官僚と欧州各国はEU離脱交渉を巡る交渉で対立していくことになります。

さらに、ロシアの覇権を取り戻したいプーチン大統領は、欧州の分断を煽ります。トランプ政権で、米露関係が改善されていけば、ロシアが欧州に対する影響力を増すことができます。

ロシアの欧州進出を最も脅威に感じるのはドイツ。EU解体で欧州西側の結束力が弱まったところで、ロシアが出てくる状況は好ましくありません。もし、ドイツとロシアが手を組めば、スーパーパワーの登場により、独露対仏英をはじめとする西ヨーロッパ連合というシナリオも可能性は低いながらありえます。

もっとも、ドイツとロシアが手を組む可能性は低く、それよりも強大なドイツに対する欧州各国の警戒感から、ロシアを含めたドイツ包囲網を敷かれる可能性が高いでしょう。

元々、EUの目的の一つは、二度の世界大戦で主役を演じたドイツを封じ込めること。EUを一つの国にすることで、EU内の戦争を無くす。ドイツの独走・強大化を抑えるという目的を持っていました。

もし、英国に続いてフランスやイタリアがEUを離脱すれば、ドイツを抑える力を持つ国はEUに存在しなくなります。

経済混乱とユーロの変化が更に争いを生む

EU離脱を巡る各国の混乱は、経済に悪影響を及ぼします。さらに、通貨ユーロからフランスやイタリアが離脱した結果、ドイツ及び経済規模の小さい小国だけの通貨になりました。

フランスやイタリアは、自国通貨を復活させます。さらに、EU離脱を巡る経済混乱で一時的に国力を落とします。すると、自国通貨は、それまで利用していたユーロに比べて、安い価格で復活。そうなると、通貨安で輸出企業に利益がもたらされて、外貨を稼げるようになります。ユーロを離脱した国々の経済は、ようやく復活へと向かうことになります。

それに対して、実質上、ドイツ一国になったユーロ。通貨安の要因だった国々が離脱することで、上昇して高値を付けることになります。すなわち、通貨高による輸出不振が起きてしまいます。好調だったドイツの貿易黒字は減り始めて、景気悪化に向かいます。

このシナリオ通りに動いた場合、人々はどう考えるでしょうか。

ドイツ対周辺諸国の争い

★ドイツ⇒ 他国がEU・ユーロを離脱したせいで、ドイツが苦しむことになった。EUに加盟していた時は、ドイツが散々助けてやったのに、恩知らずどもがと憎しみを持ちます。

★EU・ユーロを離脱した国⇒ EU・ユーロを離脱したことで、景気が良くなった。かつて、不景気や失業が増えたのは、やっぱりユーロのせいだったんだ。ユーロで恩恵を受けたのはドイツ、不利益を被ったのは我々。なのに、ドイツは全てを我々のせいにしている。

さあ、ここまで事態が悪化すると、もはや何が起きても不思議ではありません。分断された欧州は、ドイツ対仏英という第二次大戦前の対立軸に戻るのが最悪のシナリオです。そこに、波乱のタネをまくロシア。米国第一主義を貫く米国は、かつて孤立主義を唱えて欧州への干渉をしなかった過去の姿と重なります。

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