米ドル依存の世界経済の裏で金を買い集めるロシアと中国の狙いとは

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今、米ドルが信頼を失えば、それに代わる代替通貨はありません。

第二の通貨として期待されたユーロは、度重なるユーロ圏の危機で存在そのものが怪しくなってきました。中国の人民元は、金融市場の開放・情報の公開性・世界規模での利用度のどれをとっても米ドルに遠く及びません。

新しく仮想通貨のビットコインがでてきていますが、法整備面も含めると安定した通貨と呼べるにはかなりの時間を費やすことでしょう。

参考|お金の概念に革命が起こるかも…仮想通貨のビットコインとは?
参考|ビットコインが急落!世界が大慌て「人民元とビットコインの深い関係」

それに対して、金(ゴールド)の価格は、歴史的に見て一時的な下落はあっても常に復活してきました。

20世紀末には金融改革による様々なデリバティブに押され、装飾品・電子部品などの実用的な金属に甘んじていた金(ゴールド)ですが、今後さらなる高値に上昇していく可能性があります。

政治・経済力は落ちても米ドルは強い

トランプ政権によるアメリカ第一主義・反グローバリズムが高まることは、世界経済にとって危険な綱渡りになる可能性があります。

トランプ大統領が演説しているように、近年、世界に対するアメリカの地位は低下しました。中国など新興国の台頭や中東の混乱などで、アメリカ一国が覇権を握る状態は終りました。

強いアメリカを復活させるために他国よりも、自国に関心を置き、アメリカ第一主義を取ろうとするトランプ大統領の気持ちはわかる気がします。

しかし、政治・経済的なアメリカの力は落ちても、米ドルの世界的な支配力は落ちていません。今も貿易の決済をはじめとした基軸通貨・世界通貨の地位は米ドルが保ったままです。

一時は、ユーロ決済を望む動きも高まりましたが、EU諸国の経済軋轢によってユーロが弱まったため、米ドルの地位は以前より相対的に強くなったと言えるでしょう。

経済危機の救い主が不明な状態に

世界金融危機から10年以上経ちますが、まだサブプライムローンなどの不安定なデリバティブ問題は解消されておらず、今でも新しいローン商品は作られています。つまり、また世界金融危機が起きてもおかしくはありません。

では、アメリカ第一主義を掲げるトランプ政権は、リーマン・ショック級の被害が欧州やアジアを襲った時に、救いの手を差し伸べるでしょうか。

リーマン・ショック時は、FRB(連邦準備制度理事会)が速やかに金融システムの救済に動きました。

しかし、救済された金融機関は、危機が終わった後に巨額のボーナスをもらったためにアメリカ人を激怒させています。「ウォール街をぶっつぶせ」運動は、まだ終わったわけではありません。

となると、次に金融危機が起きた時に、FRBは救いの手を差し伸べられないかもしれません。

では、その他の世界各国・機関はどうでしょうか。欧州中央銀行は、未だギリシャやイタリアの財政破綻危機に手一杯です。中国はそもそも人民元の信用が足らず、危機収束能力があるとは思えません。内向きのアメリカは、他国の危機を助けるかどうか不明です。

つまり、今再び金融危機が起きると、危ない状態にあるということです。

ロシアと中国が金(ゴールド)を集める理由

米ドルに一極集中している通貨体制は、アメリカの機嫌を損ねると大変です。アメリカは、自国利益確保のために米銀行との取引停止・アメリカ内資産凍結など金融を武器として使えるのです。

そのため、トランプ政権樹立後に株価が上昇しても金(ゴールド)は高値を維持しているのです。

そんな中、ロシア・中国などは、外貨準備にしっかりと金(ゴールド)を組み込んで、万一の事態に備えています。自国通貨だけでなく、米ドルが使えない時の代替通貨はやはり金(ゴールド)です。

各国中央銀行の金保有量

中央銀行の金保有量、マネーゴーランド

※引用:WGC 2016年12月末 青線:中国、紫線:ロシア

2008-2009年をさかいに、中国は600トンから1800トン、ロシアは500トンから1400トンまで、順調に金保有量を伸ばしています。

さらに、中国とロシアは金保有量だけでなく、生産にも力を入れています。

出典|金脈を探せ!世界一金の採れる国は中国!金生産量ランキング

このような急激で大きな舵取りは、中国やロシアのように優秀なブレーンの上に一党独裁体制が成り立っているために行えることです。

いつ来るかはわかりませんが、もし次の経済危機が起きれば、未曽有の被害が世界を襲うかもしれません。そのときに強いのは、金(ゴールド)のような現物資産を抱えている人や国です。

このように金(ゴールド)を買い集めている国は、次の覇権を狙って経済危機を待ち望んでいる面もあるのかもしれません。

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