いよいよEU解体か…失業率20%超え「4月フランス選挙の行方」徹底解説

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米国以上にヤバい欧州、第二弾はフランスです。

EU維持のためには、フランスで2017年4月に行われる選挙結果が大事。ドイツは、EUとユーロの恩恵を受けやすい国ですから、大国の中でEUを維持するモチベーションが最も高い。フランスが抜ければEUは、ドイツの独占状態になって存在意義をなくします。

参考:為替市場・ドル円に波乱の予感…「2017年世界の政治イベント」一覧

4月のフランス大統領選挙は、国民戦線のル・ペン氏に注目

今回のフランス大統領選挙は、現職のフランソワ・オランド大統領(社会党)の支持率が10%台に下がっており、出馬しても負けが決定的なため、出馬を断念しています。
任期中に起きたテロ事件・若者の高い失業率、進まない景気回復・社会党内の混乱などで、国民の信頼を失ってしまいました。

EUの求める構造改革・政府債務削減・雇用の流動化への混乱。オランド大統領の進めた「従業員を解雇しやすくなる労働改革」に対して、政権及び与党内での分裂、そして、国民から反対のデモが起きるなどにより、構造改革の動きはとん挫。

欧州各国の若年層失業率

若者の失業率を見ると、雇用の流動化・雇用の創出の二つが上手く進んでいないことと過激思想の台頭が理解できます。

欧州の失業率(単位:%)
欧州の失業、マネーゴーランド
※引用:2015年OECD調査
※若年層失業率は15~24歳までの失業者割合

若者の失業率は、ドイツを除く各国で10%以上。フランスやイタリアの20%以上の数字を見ると事態の深刻さを理解いただけると思います。ドイツの数字とフランスをはじめ南欧諸国の数字を比較すると、EUへの失望・怒りを感じます。ドイツ人は働き者で、ギリシャやイタリアの人々は怠け者だけで片付く問題ではありません。

フランス大統領選挙の有力候補者

●マリーヌ・ル・ペン氏:国民戦線(FN)
日本でも有名なル・ペン氏は、現在のフランスで最も支持率が高い人物。2012年のフランス議会総選挙で得た国民戦線の議席数はわずかに「2」。それから、5年が経過した今、大統領の椅子に最強のチャレンジャーとして挑みます。

ル・ペン氏、反グローバル・反EU・反移民ながら、全てのイスラム教徒に反対するような過激派ではありません。ちなみに、父親のジャン=マリー・ル・ペン氏は、かなりの過激派でした。しかし、マリーヌ・ル・ペン氏は、穏健・現実派であることから大統領の座を射止める可能性があります。

ル・ペン大統領が誕生した場合、反EU・反ユーロの方向が強まり、EU崩壊へと向かう可能性が高まります。

★ル・ペン氏の描くシナリオ:EUに対して、国家の主権を取り戻す要求を突き付けて、通らなければ、ユーロ離脱。結果、復活したフランスフランは通貨安⇒輸出増加⇒景気回復⇒雇用回復!

欧州の問題は統一通貨ユーロ:ドイツにとってユーロは安く、他の国には高すぎる。そのため、ドイツ経済は好調になり、他国は不調に陥る現象が起きてしまいます。通貨と金融政策だけが統一されて、財政や社会保障は国ごとにバラバラ。

ル・ペン氏は当選するのか

フランス・ルモンドの調査では、ル・ペン氏:26%、共和党のフィヨン氏:25%(2017年1月19日:ブルームバーグ)と互角の争い。僅差でル・ペン氏がリードしていますが、大統領選挙の制度上、これでは勝てません。

フランス大統領選挙は、第一回投票で、過半数以上を獲得すれば、勝利が決まります。ただし、過半数を獲得した候補がいない場合、1位・2位の候補者による決選投票。
現在の情勢だと、ル・ペン氏とフィヨン氏が決選投票に進むでしょう。決戦投票では、共和党と社会党の支持者が、ル・ペン氏の阻止に動くと予想されています。つまり、ル・ペン氏は大幅なリードをしないと勝てない可能性が高いのです。

しかし、英国・米国と事前予想を覆す結果が起きた2016年。予想に反してル・ペン氏の勝利⇒EU縮小へと動いても不思議ではありません。

参考:
トランプが劇的勝利!政策から紐解く「世界情勢&日本への影響」どうなる?
【速報】ドル円下落は必至か⁉︎ 英国EU離脱で世界&日本経済はどうなる?

●フランソワ・フィヨン元首相:共和党(中道・右派連合)
11月の予備選挙で選ばれた中道・右派の候補者。公務員の削減・法人税引き下げなど構造改革・経済再生路線の政治家。

もう一つの大きな特徴として、カトリック教徒であることを公言して、カトリック教徒の支持を集めていること。信仰の自由を掲げるフランスの中で、公的な場面において宗教色を出さないことは大切な価値観の一つ。一方、イスラム教徒人口の増加などによるキリスト教徒のアイデンティティが薄れることへの危機感を持つ人が増えているのも確か。その層が国民戦線へと流れていたため、フィヨン氏がその票を奪い返す可能性を持っています

●アモン前教育相:社会党の候補者候補、その他
オランド大統領の元、労働者保護から自由化に舵を切ったために、以前の支持者に見放されることに。支持率の下がった与党社会党は候補者選びに苦慮。
1月29日に予備選の決選投票が行われ、アモン前国民教育相が勝利、与党社会党の候補者に。分裂の恐れがあった社会党を固めて大統領選本選で勝ち上がるには道のりは遠い。
その他、無所属のマクロン経済産業相などが票を分け合う事となりそう。

米国トランプ大統領の動きを見ながら、各候補者の論争に注目が集まりそうです。

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