万が一夫が…残された家族に必要なお金はいくら?【生命保険の決め方】後編

読了目安[ 6 分 ]

今回は、遺された家族に入ってくる見込み額(=収入)を計算し、最終的に遺族が生命保険で準備しておきたい保障額を算出します。

遺された家族が一生涯に必要とするお金(=支出)については、前回のコラム
万が一夫が…残された家族に必要なお金はいくら?【生命保険の決め方】
を参照してください。

遺された家族は一生涯に必要なお金のすべてを準備するわけではない

前回のコラムでは、遺された家族が一生涯に必要なお金(=支出)の合計は9,018万円になりましたが、その全額を準備する必要はありません。
なぜなら、私たちには公的保障や企業内保障で賄われる保障があるからです。

私たちは、支出額の総額から公的保障と企業内保障を差し引いた部分を生命保険や生命共済などの私的保障で準備することになります。
万が一夫が…残された家族に必要なお金はいくら?【生命保険の決め方】後編、マネーゴーランド

公的保障でいくらもらえる?

私たちには公的保障として遺族年金がありますが、夫の職業にかかわらず、18歳未満の子どもがいる場合は、子どもが18歳に到達する年度の末日まで(1、2級障害のある場合は20歳未満)、遺族基礎年金を受給することができます。年金額は定額で、子どもの人数に応じて加算があります。

会社員・公務員は遺族基礎年金に加えて遺族厚生年金を受給することができます。遺族厚生年金は、妻が亡くなるまで受給できます。

夫の職業 年金の種類 受給できる金額
自営業者 遺族基礎年金 780,100円+子どもの加算額
専業主夫
会社員 遺族基礎年金+厚生年金 加入期間・平均収入などで決まる
公務員 遺族基礎年金 780,100円+子どもの加算額

さらに、遺族厚生年金を受給する妻には中高齢寡婦加算があります。中高齢寡婦加算とは、遺族基礎年金を受け取れない妻に対して、夫の死亡時に妻が40歳以上などの場合であれば、 妻自身の老齢基礎年金を受給する65歳になるまでの間加算されるものです。

妻は65歳になると、亡くなるまで妻自身の老齢基礎年金を受給することができます。

遺族年金の受給イメージ

万が一夫が…残された家族に必要なお金はいくら?【生命保険の決め方】後編、マネーゴーランド

それぞれ遺族年金を受給できる年金の種類と金額は以下のとおりです。

(1)遺族基礎年金の年金額

基本額 780,100円(定額)<年額>
加算額 子ども2人めまで 1人につき224,500円
子ども3人め以降 1人につき74,800円

(2)遺族厚生年金の目安額:平成15年以降の勤務期間が長い人の場合

平均標準報酬額
(賞与を含めた平均月収)
20万 25万 30万 35万 40万
加入期間 会社員 公務員 会社員 公務員 会社員 公務員 会社員 公務員 会社員 公務員
25年以下 24.7 29.6 30.8 37 37 44.4 43.2 51.8 49.3 59.2

(3)中高齢寡婦加算の金額

585,100円

(4)妻の老齢基礎年金の金額

780,100円

Aさん30歳の試算例

では、次のAさんに万一のことがあった場合の収入額を計算してみましょう。

Aさんのプロフィール

家族構成 Aさん(30歳)、妻(30歳)、子ども(0歳)
夫の収入 手取り月収25万円(手取り年収300万円)
住まい 持家(一戸建て)で住宅ローン返済中、団体信用生命保険加入、固定資産税10万円
生活費 15万円(住宅ローンを除く)
車の所有 1台(価格150万円)
預貯金 100万円

夫に万一のことがあった時

  • 妻は就労する予定(子どもが小学校入学後55歳まで年間収入60万円)
  • 勤務先からの死亡退職金・弔慰金は合計300万円

受け取れる公的保障の金額

遺族基礎年金の合計額 子どもが18歳に到達する年度の末日まで (780,100円+224,500円)×18年 18,082,800円≒1,808万円
遺族厚生年金の合計額 妻は平均寿命88歳で亡くなるものとする 37万円×(88歳-30歳) 2,146万円
中高齢寡婦加算の合計額 585,100円×(65歳-48歳) 9,946,700円≒995万円
妻の老齢基礎年金の合計額 780,100円×(88歳-65歳) 17,942,300円≒1,794万円
合計 6,743万円

公的保障には、遺族年金の他に、全国健康保険協会(協会けんぽ)・健康保険組合に加入していた人が亡くなった場合に受け取れる埋葬料または埋葬費があります。
受け取れる金額は5万円です。国民健康保険に加入していた人が亡くなった場合は、葬祭費が支給されます。葬祭費の金額は市区町村によって異なりますが、2万円から7万円が一般的です。

企業保障にはどんなものがあるの?

会社員や公務員の人が亡くなると退職とみなされます。退職手当に関する規定がある場合には、その規定に基づいた死亡退職金や弔慰金が支給されます。
どちらも受給資格や受取人の条件などは企業によって異なります。

企業によっては、社員が亡くなった時にその社員に子どもがいた場合、その子どもが18歳になるまで一定額を支給し、配偶者には配偶者年金を支給する遺族・遺児育英年金制度があります。勤務先の制度はしっかり確認しておきましょう。

・Aさんの企業保障 死亡退職金および弔慰金の合計額 300万円

妻の勤労収入や働けない期間は慎重に

若くに夫を亡くした場合、妻の過ごす時間は大変長いものになります。
公的保障や企業保障である程度の生活資金は賄うことができますが、妻が就労することは家計の大きな支えになります。妻の勤労収入を見込む時に気をつけたいことは、子育てや親の介護、妻の体調等の理由により、妻が働けない期間を見積もることです。

Aさんの妻については、子どもが小学校に入学後(妻:37歳)独立するまでの年間収入は60万円で、その後は親の介護があるため就労しないこととします。

・Aさんの妻の勤労収入 60万円×(53歳-37歳)=960万円

社会保障 遺族基礎年金の合計額 (780,100円+224,500円)×18年 1,808万円
遺族厚生年金の合計額
(妻の寿命:88歳)
37万円×(88歳-30歳) 2,146万円
中高齢寡婦加算の合計額 585,100円×(65歳-48歳) 995万円
妻の老齢基礎年金の合計額 780,100円×(88歳-65歳) 1,794万円
埋葬料 5万円
企業保障 死亡退職金や弔慰金など 300万円
自己資産 預貯金、有価証券、売却可能な資産など 100万円
その他 妻の勤労収入 60万円×(53歳-37歳) 960万円
合計 8,108万円

自分で準備する金額はいくら?

遺された家族が一生涯に必要とするお金(=支出)から遺された家族に入ってくる見込み額(=収入)を差し引きます。
今回のケースでは、支出額が9,018万円、収入額が8,108万円になったため、910万円を生命保険や生命共済などの私的保障で準備すればよいことがわかりました。

家族構成や収入、働き方や住まいなど、条件が1つ異なるだけで必要保障額は大きく異なります。今回の計算方法を参考に、オリジナルの必要保障額を算出し、生命保険の加入や見直しに役立て家計のムダをなくしましょう。

※計算事例は夫に遺族年金の受給資格があるという前提。夫は会社員で厚生年金加入。平成15年4月以降の勤務期間が長く(加入期間25年未満)、18歳未満の子どもが1人、平均標準報酬額は30万円。図3「(2) 遺族厚生年金の目安額」は生命保険文化センター『遺族保障ガイド』より

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