雇用保険の改正で退職後の失業保険はどうなる?3つの改定ポイント

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2017年度からの雇用保険制度の見直し内容が、2016年12月、厚生労働省から発表されました。

雇用情勢が着実に改善したことと、それにともなって積立金残高が過去最高となったことから保険料率の引き下げや、倒産や解雇により退職となった「特定受給資格者」の給付日数の一部年齢層についての拡充など、いくつかの点が検討されています。

正式には国会の審議を経てから決定となりますが、変更案の中から失業保険(基本手当)に関わる変更点と、基本手当を受給する上での手順と注意点も併せて説明します。

失業保険(基本手当)の賃金日額の見直し

最低賃金の引き上げにより、「基本手当」を計算するための賃金日額の下限額が、最低賃金を下回る状態となったことから、下限額の引き上げとそれにともなって上限額の引き上げが検討されています。

現在の下限額は全年齢、2,290円ですが案では2,460円に。上限額は、30歳以上45歳未満では、現在14,150円から14,850円に変更予定です。

平成29年8月1日現在、年齢別の賃金日額・基本手当日額の上限額、下限額がそれぞれ次のようになりました。

離職時年齢 賃金日額 上限額 基本手当日額 上限額
29歳以下 ¥13,420 ¥6,710
30〜44歳 ¥14,910 ¥7,455
45〜59歳 ¥16,410 ¥8,205
60〜64歳 ¥15,650 ¥7,042
年齢別の賃金日額・基本手当日額の上限額(平成29年8月1日現在)
年齢区分 賃金日額 下限額 基本手当日額 下限額
全年齢 ¥2,470 ¥1,976
年齢別の基本手当日額の下限額(平成29年8月1日現在)

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基本手当の日額は、基本的には退職直前6ヶ月間の給与の総額を180で割って賃金日額を出し、それに算出割合を掛けて決定されますので、具体的な金額はそれぞれで異なります。

「特定受給資格者」の給付日数を拡充

「特定受給資格者」とは、倒産や解雇など会社の都合により、離職せざるを得なかった人が該当します。

基本手当の所定給付日数(基本手当を受給できる上限日数)は、退職時の年齢と雇用保険の被保険者であった期間によって決められています。

そのうち、被保険者期間1年以上5年未満の人で、退職時年齢が30歳以上35歳未満の人が、現在90日から120日へ、35歳以上40歳未満の人は90日から150日への拡充が予定されています。されました。

被保険者期間 1年未満 1〜4年 5〜9年 10〜19年 20年以上
一般 全年齢 90日 90日 120日 150日
特定受給資格者
特定理由離職者※1
29歳以下 90日 90日 120日 180日
30〜34歳 90日 120日 180日 210日 240日
35〜44歳 90日 150日 180日 240日 270日
45〜59歳 90日 180日 240日 270日 330日
60〜64歳 90日 150日 180日 210日 240日
就職困難者※2 44歳以下 150日 300日 300日 300日 300日
45〜64歳 150日 360日 360日 360日 360日
※1一部の特定理由離職者(理由「1」該当者)は平成34年3月31日まで特定受給資格者と同等の扱い
※2身体・知的・精神障害者など

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有期契約労働者の雇い止めによる失業の扱い

雇用契約期間の終わりが定められている「有期契約労働者」であって、本人が契約更新を希望したにも関わらず雇い止めになった人は、本来「特定理由離職者」として扱われますが、暫定的に5年間特定受給資格者として扱うことについても検討されています。
諸条件に合致すれば、今後5年間も所定給付日数は、特定受給資格者としての日数となります。

基本手当を受給する上での手順と注意点

退職前に会社から、「離職票」が必要かどうかを問われるケースがあります。これは退職直前の給与の額を会社が証明したもので、基本手当の手続きに必要です。退職後も仕事をしようと考えている人は、必ず必要であることを伝えます。

すぐに仕事をしないまたは仕事ができない人も請求しておきます。もし何も聞かれない場合は、発行されると考えていいでしょう。

仕事を探そうと思ったら離職票を持って、住居地を管轄するハローワークで求職の申し込みを行います。申し込み後、待機期間として失業している期間が7日間必要で、その期間に継続的な仕事に就けた場合は、基本手当の対象とはなりません。

その後ハローワークの説明会に参加し、具体的な指示や今後のスケジュール、不正受給をした場合のペナルティなどについての説明を受けます。

基本手当は、「受給期間」(退職日の翌日から受給が終了するまでの期間)が原則1年間と決まっています。受給期間を超えてしまうと、所定給付日数が残っていても受給できません。

基本手当を受給するためには、「失業中」であって、「仕事ができる状況であること」と「仕事がしたいと思っていること」が必要です。

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