宝くじの売上は何に使われる?未換金の時効当せん金額の推移と用途

読了目安[ 6 分 ]

宝くじを販売する目的は、地方財政資金の調達のためです。そして、宝くじを運営する大元は、地方自治体によって結成された「全国自治宝くじ事務協議会(全国協)」です。

ただし、運営元は地方自治体ですが、販売を取り仕切っているのは受託依頼を受けたみずほ銀行(受託銀行)で、さらにみずほ銀行は個人や企業が運営する宝くじ販売所に販売の許可を出しています。

つまり、宝くじは、地方自治体とみずほ銀行の2者間で運営されているものになります。ちなみに、日本の法律上、個人や法人が許可なく宝くじを販売することは、刑法187条(富くじ発売等)に抵触し、法律違反になります。

(富くじ発売等)
第一八七条 富くじを発売した者は、二年以下の懲役又は百五十万円以下の罰金に処する。
2 富くじ発売の取次ぎをした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
3 前二項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、二十万円以下の罰金又は科料に処する。

引用|刑法

地方自治体とみずほ銀行が宝くじの運営を独占しているとは言え、売上や利益を好きに使って良いわけではありません。宝くじは、公のギャンブルであり、総務省管轄で行われているため、売上の使途はある程度決まっています。

では、実際に宝くじの売上や利益はどのように使われているのでしょうか。また、本来もらうはずの当選金が未換金の場合、そのお金はどうなってしまうのでしょうか。

今回は、宝くじの売上や未換金の推移と用途についてお話していきます。

宝くじの売上と推移

近年、宝くじの年間売上は少しずつ減少しています。宝くじ売上のピークは、2005年の1兆1047億円、それから右肩下がりで2016年には8452億円にまで落ち込んでいます。

出典|宝くじ販売、減少止まらず 18年ぶりの9000億円割れ – ITmedia ビジネスオンライン

売上が落ちているとは言え、宝くじは予め当せん金がある程度設定されたうえで販売額を見込んでおり、還元率が46%になるように設定されています。

つまり、宝くじの売上が落ちても、無茶な予算組をしない限り赤字になることはないということです。

宝くじ売上の配分と使途

ではこれだけ大きな売上を生む宝くじは、一体何に使われているのでしょうか。

平成20年度の実績ベースで見ると宝くじの売上総額は1兆419億円であり、「第1回宝くじ問題検討会」では、宝くじの売上の使途として以下の内容が公表されています。

出典|第1回宝くじ問題検討会 総務省説明資料

地方公共団体の収益金|4181億円(40.1%)
売りさばき手数料・当せん金支払手数料|802億円(7.7%)
印刷・宣伝費等|678億円(6.5%)※うち普及宣伝費281億円
当せん者に支払われる当せん金|4758億円(45.7%)

さて、内訳を見てわかる通り、「当せん者に支払われる当せん金」の割合は前述した46%です。そして、「地方公共団体の収益金」40%もほぼ決まった数字です。残った「印刷・宣伝費等」「売りさばき手数料・当せん金支払手数料」の14%もおよそ決まっています。

つまり、宝くじとは、当せん者に46%、地方自治体に40%、みずほ銀行に14%が分配される仕組みができあがっているといえます。分配というとわかりにくいですね。当せん者への還元率が46%だということです。

ちなみに、競馬、競輪、競艇、オートレースの還元率は75%(ただし所得税・住民税はかかる)、パチンコは85%ほどと言われるため、ハマると一番怖いのは宝くじなのかもしれません。

参考|宝くじや競馬に当たると課税対象?ギャンブルにも税金がかかる?

宝くじの未換金額(時効当せん金)と推移

宝くじの売上がどのように分配され、何に使われているかはわかりましたが、宝くじに当選しても換金されない時効くじもかなりあるという話を聞いたことがある人は多いでしょう。

このような未換金のお金のことを「時効当せん金」と言います。時効当せん金は、一体いくらくらいあるのでしょうか。

参考|宝ニュース:過去の記事一覧 | 宝くじ公式サイト

平成21年度|201億円(1兆419億円の1.92%)
平成22年度|191億円(9875億円の1.93%)
平成23年度|170億円(9189億円の1.85%)
平成24年度|181億円(1兆44億円の1.8%)
平成25年度|163億円(9135億円の1.78%)
平成26年度|161億円(9444億円の1.71%)
平成27年度|165億円(9007億円の1.83%)

全体の金額が大きいため麻痺してしまいますが、時効当せん金は毎年160億円から200億円程度もあります。グラフにすると減少傾向にありますが、売上に対する割合で見ると1.8%前後のため、大きくは変わっていません。

時効当せん金はどうなる?

毎年160-200億円という巨大なお金は、誰がどのように処理をするのでしょうか。「みずほ銀行の収益になる」という話を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、それは間違いです。

宝くじ公式サイトには、時効当せん金の取り扱いについて以下のように記載されています。

時効当せん金について
時効当せん金は、宝くじの収益金と同様に、全額、発売元である全国都道府県及び20指定都市へ納められ、収益金とともに公共事業等に役立てられています。

引用|時効当せん金について | 宝くじ公式サイト

つまり、宝くじの売上同様、販売実績に応じて全国都道府県及び20指定都市に分配され、地方自治体の財源になるということです。

ちなみに、平成21年度の予算ベースでは、地方公共団体の収益金(予算額)4311億円は以下のように振り分けられています。同じように、160-200億円の時効当せん金も振り分けられ、地域の公共事業などの社会貢献に使われているということです。

公共事業|3110億円
高齢化少子化対策事業|382億円
国際化事業|67億円
情報化対策事業|143億円
環境保全・創造事業|239億円
芸術文化振興事業|161億円
地域経済活性化事業|124億円
災害対策事業|76億円
社会貢献活動事業|6億円
調査研究・人材育成|3億円

宝くじが当たらなくても寄付と思えば…

宝くじの売上と時効当せん金について理解すると、なかなか当たらずイライラしていた人も、自分が使ったお金が地域のために使われ、人の役に立っていることで、ちょっとした寄付感覚になりませんか?

ちなみに、宝くじの関係団体とお金の流れの関係性は以下のようになっています。

出典|第1回宝くじ問題検討会 総務省説明資料

地域が行う様々な公共事業の中には、東日本大震災や熊本地震などの災害の復興費用も含まれているため、「あー、まだ寄付してなかったわー。」という人は、宝くじにはずれると寄付をしたことになるんですね。

もちろん、本来受け取るべきお金が換金されないことは良いことではありません。そのため、総務省でもネット銀行やATMで宝くじを購入できる施策を勧めている最中です。

参考|ネット銀行やATMで宝くじを買う方法は?メリットと取り扱い銀行一覧

また、全国自治宝くじ事務協議会でも、あたり券の見逃しや番号の勘違いをなくすために、宝くじの日にお楽しみ抽せんを行って、時効当せん金を減らすことに努めているようです。

参考|ハズレの宝くじは捨てないで!1年1回賞品が当たるお楽しみ抽せんとは

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