リーマンショックも回避できた⁉︎ 米国で復活論が湧く「金本位制」って何?

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みなさん、金本位制という言葉をご存知でしょうか?

通貨の価値を守るための制度で、中央銀行(=通貨の発行者)が、発行した紙幣と同じ金額の金を保有した上で、発行紙幣と金の交換を保証する制度です。

金本位制の仕組みとは?

金や銀などの貴金属から紙幣にお金が変化した後、為政者(政治を行う人)は、「紙幣を大量に発行する誘惑」に耐える必要がでてきました。紙幣は原価がほとんどかからず、印刷するのもカンタン。ところがお金を大量に発行すると、多いものは価値が下がるという不変の法則が当てはまり、通貨は信用を失い、インフレになってしまいます。

それが分かっていて、なぜ?と思いますよね。でも、戦争・長引く不景気など、お金を大量に発行し戦費調達や好景気にしたいという誘惑は常に出てきます。そこで、通貨の発行量を金とリンクさせることによって、無制限の紙幣発行を無くす金本位制が採用されたのです。金本位制の始まりは1816年の英国、日本も明治維新の時に金本位制が採用されました。

今は、政府・中央銀行・議会が、通貨や国債の発行を決めます。

金本位制とは?、マネーゴーランド

金本位制は、1971年8月15日にニクソンショックによる廃止まで続いた制度

金本位制を採用していると、通貨の発行量は、保有している金の上限額までに制限されます。紙幣の保有者が金と交換してくれと要望すれば応えなければいけませんからね。そのため、ハイパーインフレ(お金の価値が下がり、物の値段が上がること)を引き起こすような無謀な通貨の発行や銀行の貸出しは起きません。

ということは、金本位制を採用していれば、サブプライムローン~リーマンショックそして日本のバブルといった金融危機は起きなかった可能性があるということ。

現代においても、米国の共和党保守派には、この金本位制を復活させようという勢力がしっかりと存在します。2016年大統領選挙に立候補したテッド・クルーズ氏や元議員のロン・ポール氏などが金本位制復活論者。

日本では、金本位制復活なんて過去の亡霊・与太話の一つとして扱われていますが、米国は、実現するかどうかは別にして、真剣に金本位制について議論しています。そして、米国・中国・ロシアの中央銀行は、万一のリスクを考えて金を一定量、外貨準備として保有していることを忘れてはいけません。

ドナルド・トランプ氏の経済政策は、お金を大量に発行する方向に進みそうですから、短期的に金は下がっています。しかし、もし、失敗したら米国政府は大量の財政赤字を抱える可能性があり、金本位制復活の議論が出てくるでしょう。

金本位制の欠点

さて、それでは、金本位制の欠点を最後に述べておきます。なぜ、金本位制が世界で採用されていないか最大の理由はこれです。

金本位制は、保有している金に見合った分の通貨しか発行できません。つまり、新たに金を手に入れなければ、お金を増やせないという欠点を持ちます。経済の成長スピードが緩やかな時代はそれでも良かったのですが、産業革命・第二次大戦後の経済成長になると、金の入手スピードが追いつきません。ということは、物を大量に作る手段はあるのに、お金がない状態=デフレになり、経済的に行き詰ります。

金本位制とは?、マネーゴーランド

そこで、金と通貨の交換を1対1から1対2~へと変更していく施策を取ることで金本位制と経済の成長スピードを両立させることに・・・でも、これだと、金と通貨の交換比率をどんどん上げていけばいくらでも通貨を発行できて、金本位制本来の意味を失います。

これが、世界の国々が金本位制を採用しない理由。そして、現代において、金本位制を復活しようとする人々は、経済成長って本当に必要・過剰な貸出や金融取引が必要ないのではという社会の制度や仕組そのものに対しての疑問を抱いていることになります。

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