贈与したつもり・・が相続税の課税対象に!贈与の5つの失敗

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「1年間で110万円を超えなければ大丈夫」

贈与税について、そのように考えていませんか?

確かに、子や孫に、1年間に110万円を超えるお金を送らなければ贈与税はかかりませんが、細かいルールがあります。

ルールを知らないと、のちのち贈与税、或いは相続税が課税され、贈与した側もされた側も残念な思いをするかもしれません。

贈与を考えている方に、覚えておいてもらいたいポイントをご紹介します。

贈与とは

そもそも贈与とはどういう行為なのか、おさらいです。

贈与とは「自分の財産を無償であげます」と意思表示して、もらう側も「もらいます」という承諾をすることによって成立する、契約に基づく行為です。

賢い贈与の方法とは?税金が発生しない条件と非課税になる特例制度

この贈与という行為ですが、1月1日から12月31日までを一区切りとした暦年1年間に、贈与額が110万円を超えると贈与税が課税されるルールになっています。

贈与税の基礎控除額110万円を超える財産をもらったら、申告をして贈与税を支払います。これを 暦年課税(れきねんかぜい)といいます。

申告や納税が必要な贈与を受けた場合は、もらった人が翌年の2/1~3/15の間で申告・納付しなければなりません。

贈与の注意1.毎年贈与契約書を作成する

贈与の事実を税務署に否認されないために、まずは契約書をきちんと作成しましょう。

実は通常の贈与(暦年贈与:基礎控除額110万円)の他に、非課税枠の大きい教育資金や配偶者への贈与などいくつかの特例があります。

適用には申告が要件であったり、使途の制限があったりと条件を満たさなければなりませんが、いずれの渡し方をするにしても契約書の作成はしておいた方が良いでしょう。

贈与の注意2.名義の移転が必要

「贈与」として扱うためには、財産の管理権も移転が必要です。

例えば、祖父母が孫のために孫名義の預金通帳を作成し、お金を振り込んだだけでは贈与になりません。

贈与は、「あげます」「もらいます」という合意があって、はじめて成立します。ですので、孫の知らないところで、孫ども名義のお金を増やしても、贈与したことにはなりません。

そして、仮に、合意があったとしても、印鑑・キャッシュカードなどの管理も孫が行っていなければ、贈与にはなりません。

贈与の注意3.定期贈与は課税対象

定期贈与とは、例えば合計の1100万円を贈与する目的で、それを毎年分割で払っていたとされた場合です。

年間110万円であれば非課税なのでは?と思うかもしれませんが、初めからまとまった金額を贈与しようとしていた場合は、課税対象です。

毎年100万円ずつ10年間にわたって贈与を受けることが、贈与者との間で契約(約束)されている場合には、契約をした年に、定期金給付契約に基づく定期金に関する権利(10年間にわたり100万円ずつの給付を受ける契約に係る権利)の贈与を受けたものとして贈与税がかかります。

No.4402 贈与税がかかる場合|贈与税|国税庁

これを避けるためには贈与の都度きちんと契約書を作成し、現金渡しではなく銀行口座を通して資金移動をすることで記録を残すなど、一手間二手間かける必要があります。

贈与の注意4.贈与税は非課税に。ところが相続税で課税された

贈与には、相続時精算課税制度というものがあり、一定の条件を満たすことで、2,500万円まで控除可能な制度です。

父母・祖父母が65歳以上であれば利用できるこの制度、贈与税は控除されますがその名の通り、相続時に、相続財産の価格に算入されてしまいます。

詳しくは、こちらをご覧ください。
参考|相続時精算課税の注意点!贈与税が控除できても相続税は課税されます。

この制度を活用することでのメリットももちろんありますが、制度を利用した時・利用しなかった時を十分にシミュレーションする必要がありますので、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

贈与の注意5.相続開始前3年以内の贈与財産は、相続財産に加算

今までご紹介した注意事項をすべてクリアして暦年課税を利用して贈与を受けたはずの財産に、相続税がかかることがあります。

それは、「相続開始前3年以内の贈与財産は、相続財産に加算する」というルールによるものです。

こればかりは、急に亡くなってしまうなど仕方のない事もあるでしょう。

しかし、実はこのルール、相続で財産をもらった人に適用されるものです。

財産をもらう予定のない人へ贈与をしておけば、贈与済みの財産にまで、相続税はかかりません。贈与者から見て配偶者や子(=相続人)が存命であれば、孫に対して早期から贈与を始めておけばいいのです。

贈与を失敗しないために

贈与は相続税の節税対策として有効な手段です。「あげたつもり」の贈与にならないように注意しましょう。

また、相続対策に早すぎはありません。「そのうち考えよう」はやめて、1日でも早く向き合ってみることをお勧めします。

「まさかこんなに早く」や、「あと1年早く考えておけば」は、誰にでも起きうることなのですから。

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