せっかくの相続税対策が無意味に!「あげたつもり贈与」を回避する注意点

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今年も残すところあとわずか。税金面で見てみると、会社から年末調整用に生命保険料の控除証明や扶養控除等申告書などの提出をおねがいされているかと思います。

また個人事業主の場合も、所得税、消費税の計算の締日が年末になりますから、何かとバタバタしてしまう時期になるかと思います。

ここでもう一つ、年末に締日を迎える税金があります。そうです贈与税です。

もうすぐ年末、贈与税も忘れないで!

贈与税は、誰から、いくら、どのような贈与を受けたか?を暦年で一区切りとして税額を計算します。申告や納税が必要な贈与を受けた場合は、もらった人が翌年の2/1~3/15の間で申告・納付しなければなりません。

贈与とは?

贈与とは「自分の財産を無償であげます」と意思表示して、もらう側も「もらいます」という承諾をすることによって成立する、契約に基づく行為です。ですので、例えば子供のためにと子供名義の銀行口座を作ってせっせと入金していても、子供がその事実を認識していなければ、いわゆる名義預金となり贈与したことにはなりません。

よくあることですが、わずかな贈与税がかかるように申告していれば、贈与した証拠になるから大丈夫と思っている方がいます。しかしこれ、極端に言いますと何の証拠にもなりません。

下記のフローチャートをご覧ください。

贈与税に関する解説、マネーゴーランド

贈与は契約が成立しているかいないかがまず先です。上記のような例で名義預金口座に資金移動しても、贈与契約が成立していませんので、単なる自己の口座内での資金移動ということになります。

従いましてこれをもって贈与を主張し申告をしても、誤った認識による誤った申告ということになってしまいます。

贈与を失敗しないために

贈与自体を否認されないために、まずは契約書をきちんと作成しましょう。実は通常の贈与(暦年贈与)の他に、非課税枠の大きい教育資金や配偶者への贈与などいくつかの特例があります。適用には申告が要件であったり、使途の制限があったりと条件を満たさなければなりませんが、いずれの渡し方をするにしても契約書の作成はしておいた方が良いでしょう。

ところがこれで安心か?というとまだ十分ではありません。さらにもう2つ、注意が必要なことがあります。

1つ目は財産の管理権も移転が必要であるということです。上の例で言いますと、子供名義の預金通帳、印鑑、キャッシュカードなどの管理も子供が行っていなければいけないということになります。

そして2つ目が、税務署から定期贈与と認定を受けないようにすることです。たとえば毎年110万円を贈与して10年経過したとしましょう。合計で1100万円の贈与が完了しているはずですが、これを定期贈与であるとして税務署はひっくり返すことがあります。

定期贈与とは、合計の1100万円を贈与する目的で、それを毎年分割で払っていたとされた場合です。これを避けるためには贈与の都度きちんと契約書を作成し、現金渡しではなく銀行口座を通して資金移動をすることで記録を残すなど、一手間二手間かける必要があります。

贈与は相続税の節税対策として有効なツールともなりますので、「あげたつもり」の贈与にならないように注意しましょう。

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