副業が会社にバレたら解雇は正当?法律違反?副業を認めさせる方法は

読了目安[ 6 分 ]

「副業をしているなんてけしからん!クビだあぁぁーー!」というセリフを聞いて、何となくその場面がイメージできますよね。

副業を禁止している会社は多く、会社が禁止している副業をしたために解雇されてしまうことがあると聞いてもそれほど違和感を感じない人は多いでしょう。

マネーゴーランドの独自調査では、副業をしている人の半数は勤めている会社が副業を禁止しているにもかかわらず、隠れて副業をしていることがわかっています。

参考|副業を会社に隠している人の割合は?副業を本業にしたい人は2割も

では実際、正社員として働きながら、会社に内緒で副業をしていることがバレてしまったら、どうなるのでしょうか?

「ごめんなさい」で済むのでしょうか、または本当に「クビだ!」と言われてしまうのでしょうか。そして、副業がバレたらクビというのは、正当な行為なのでしょうか。

今回は、副業が会社にバレたときの解雇は憲法としてどうなのか、また会社に副業を認めさせる方法がないのかについてお話します。

副業を禁止している会社の実態

副業を禁止している会社の割合はどれくらいなのでしょうか。また、なぜ副業は禁止されているのでしょうか。

リクルートキャリアが社員10名以上の1147社を集計対象にした「兼業・副業に対する企業の意識調査」によると、副業を禁止している会社は77.2%、容認している会社は22.6%となっています。

参考|兼業・副業に対する企業の意識調査|リクルートキャリア

会社が副業を禁止する理由

ちなみに同調査において、会社が社員の副業を禁止している理由は以下の通りです。

出典|兼業・副業に対する企業の意識調査|リクルートキャリア

社員の長時間労働・過重労働を助長する|55.7%
情報漏洩のリスク|24.4%
労働時間の管理・把握が困難なため|19.3%
労働災害の場合の本業との区別が困難|14.8%
人手不足や人材の流出につながる|13.9%
競業となるリスク、利益相反につながる|7.7%
風評リスク(業績不振、将来不安とみられる可能性)|4.9%
その他|33.3%

法律上は副業をしても問題ない

会社が副業を禁止している理由を見ると、たしかになるほどという理由が並んでいます。

ただ、人によってはどうしてもダブルワーク、トリプルワークが必要な人もいるでしょう。それでも、会社が決めた副業禁止は絶対なのでしょうか。

日本国憲法第22条には「職業選択の自由」が定められており、勤務時間以外の時間に対して会社が副業を禁じることは、一般的に考えて法の意思に反しているといえます。

では、会社に対して堂々と「法律で認められているので、わたしは副業をします!」と宣言しても良いのでしょうか。

たしかに、会社が副業を禁止することは職業選択の自由の意思に反してはいるものの、明確な法律違反というわけではありません。

会社には、円滑な経済活動を行うために秩序を保つ必要があり、そのためのルールを作る「企業秩序定立権」という裁量が与えられています。

会社は企業秩序定立権によって、会社独自の理論に基づいた規定を作り、違反する労働者に対して懲戒処分を下す権限があるということです。

そして、会社の意志に反して異を唱える場合は訴訟を起こし、会社の規定の正当性と法律を照らし合わせたうえで裁判所の裁定が必要になります。

つまり、安易な気持ちで「法律で認められているので、わたしは副業をします!」と宣言することは難しそうです。では、もしどうしても副業をしたい場合はどうすれば良いのでしょうか。

副業したいときの行動1.就業規則をチェック

会社の規定は、会社の就業規則に記載されます。この就業規則に副業禁止の記載があれば、一般的には社員の副業は認められません。

もちろん、会社の禁止事項なので、規定違反の内容によって、社員には以下の6種類の懲戒処分が課される場合があります。

  1. 戒告・譴責…口頭のみの注意や始末書の提出
  2. 減給…労働基準法で定められた上限での減給
  3. 出勤停止・停職…一定期間の労働行為の禁止
  4. 降格…役職などの降格処分
  5. 諭旨退職…会社からの退職勧告
  6. 懲戒解雇…いわゆるクビ

もし、社員の副業が発覚した場合、多くは戒告(かいこく)や譴責(けんせき)で反省を促すことになるでしょう。ただし、副業の内容や副業の影響によっては、それ以上の懲戒処分が課されます。

例えば、企業機密がある部署で働く社員が同業他社で働くことは利益相反行為に当たるため、諭旨退職や懲戒解雇となる場合もあるでしょう。また、銀行員が風俗店で働くことは、社会的信頼を貶める行為とみなされ、降格や諭旨退職となる場合もあるでしょう。

これらは全て就業規則に規定されているものなので、まずは副業がどのように扱われるかの認識をしてください。

副業したいときの行動2.注意を受けたらやめる

自分の立場と責任、業務内容を鑑みたうえで、副業をした場合は自己責任です。ここは自分で判断をして欲しいのですが、会社に損害を与えずに副業が見つかってしまった場合、多くの会社は口頭のみの注意(戒告)で済ますことになるでしょう。

そのため、異論・反論がなければ、「はい、副業はやめます」と言えば、多くの場合それ以上のおとがめはないはずです。

ただし、「やめます」と言ってそのまま副業を続け、2度目の副業発覚があると話は違います。その場合、譴責なのか、減給なのか、出勤停止なのかはわかりませんが、確実に1度目よりも処分は重くなるでしょう。

もちろん、これを繰り返しせば、どれだけ会社に損害を与えずに副業をしているだけだと言っても、業務命令違反を繰り返す社員ということで懲戒解雇処分となってもおかしくありません。

副業したいときの行動3.相応の理由で認めてもらう

「法律で認められているので、わたしは副業をします!」と宣言する勇気もなければ、隠れて副業をするのも怖いという人は、副業を諦めなければいけないのでしょうか。

実は、場合によっては副業が認められるケースがあります。それは、会社の給料だけでは生活ができないため、仕方がなく副業をしている場合です。

大家族を養わなければいけない、病気の親の看病をしなくてはいけないなどは、これまでの裁判の判例から正当な理由として認められています。

リクルートキャリアの調査通り、会社が副業を禁止しているのは、「社員の長時間労働・過重労働を助長する」「情報漏洩のリスク」「労働時間の管理・把握が困難なため」「労働災害の場合の本業との区別が困難」などのためです(どれだけ建前かはわかりませんが)。

もちろん、相応の理由がありつつ、これら会社が副業を禁止する理由を考慮できるのであれば、会社は副業を認めざるを得ないでしょう。

実力があれば副業は認められる

さて、副業に対する会社の立ち位置と憲法の定めは理解できたでしょう。会社が副業を禁止する理由、社員が副業をしたいという気持ち、どちらもわかります。

会社が副業を禁止している以上、わたしたちは明確な理由がなければ副業をできないのですが、簡単に認められる場合もあります。それは、副業をしたい人が会社にとって優秀で、手放したくない人材の場合です。

会社にとって優秀な人材には、長く集中して仕事をして欲しいものですが、「兼業や副業ができないならやめます。」と言われるわけにもいきません。

そのため、優秀な人材が副業をすることはあっさりと認められるケースが多いようです。ただし、優秀な人材であっても、仕事は今以上に頑張らなければいけません。

仕事でミスをしたり、仕事の効率が遅くなると、「副業のせいでは?」という疑問どうこうよりも、そもそも優秀な人材という看板が外れてしまうからです。

まぁ、そのような優秀な人は副業の目的が収入の場合は、副業をするよりも賃金交渉をした方が効率が良いとは思いますが……。

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