税金や手取りはどっちが得?ボーナスなし年俸制とありの月給制の違い

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男性なら、誰でも1度はプロスポーツ選手を夢見たことがあるはずです。昔はプロ野球選手で、今はサッカー選手が多いでしょうか。

プロスポーツの中には、大会に出て賞金獲得を目標にしていたり、広告塔としてスポンサーが付くなど、様々なお金の稼ぎ方があります。

そんな、プロスポーツを扱ったニュースや新聞を見ていると、年俸(ねんぽう)という言葉を頻繁に見聞きします。

日本のプロ野球選手や海外で活躍するサッカー選手の年俸が○億円という記事を見て、「年俸制って高いお金が貰えるんだ。」と憧れたことがあるかもしれません。

一般のサラリーマンからすれば、プロスポーツ選手のような年俸制はあまり馴染みがないと思いがちですが、年俸制を導入している企業は13.3%もあり、規模が大きいほど年俸制の導入割合は増えています。

企業規模 年俸制を
導入している
企業
年俸制を導入していない企業 年俸制導入企業
における
適用労働者割合※1
導入を
予定している
導入を
検討している
導入予定はなく
検討もしていない
13.3 0.7 6.3 79.7 16.8
1,000人以上 32.6 0.4 3.5 63.5 13.7
300~999人 24.5 0.3 4.8 70.4 13.3
100~299人 18.4 1.0 5.1 75.6 17.9
30~99人 10.4 0.6 6.8 82.1 32.8
時間外労働の割増賃金率の定めの有無、定め方、割増賃金率階級別企業割合(%)
※1年俸制導入企業における適用労働者割合とは、年俸制を導入している企業の基幹を定めずに雇われている常用労働者(パートタイム労働者を除く)に対する年俸制の適用労働者割合である。
出典|平成24年就労条件総合調査結果の概況|厚生労働省から抜粋

なぜ年俸制は注目を集めているのでしょうか。年収制(月給制)と比べて何が違うのでしょうか。年俸制と聞くと、年収制(月給制)よりも実力主義、成果主義が強く感じられるのですが、本当にそうなのでしょうか。

今回は、年俸制と年収制(月給制)の比較、どちらが得なのかについてお話していきます。

年収と年俸の違い

年収とは1年間で得た収入の合計のことで、年俸とは1年単位で定めた給料の額のことを言います。言い換えると年収は積み上げ方式の合計金額で、年俸は初めから決まっている金額です。

つまり、どちらが良いというものではありません。もう少し細かく見てみます。

年収とは

年収とは1年間で得た収入の合計のことで、ボーナスや残業代、業績給などの各種手当全てを含め、かつ社会保険料や所得税が引かれる前の全ての収入のことを指します。

ただし、副業など収入が複数ある場合は、個人的な年収はそれらの総合計になりますが、会社単位で得られるお金を年収と称する場合もあります。
また、収入の中から社会保険料や所得税などを引いて、手元に残るお金を手取りと言います。

年俸(ねんぽう)とは

年俸とは、ある会社(仕事)における雇用契約開始や雇用契約改定時に1年単位で定める給料の額のことで、ボーナスや残業代、業績給などの各種手当を年俸に含めるか含めないかは、雇用契約の内容によります。

そのため、年俸制にはいくつかの賃金パターンがあります。

年俸制の賃金パターン

一般的に、労働者の労働対価としては、基本給、残業代(時間外労働手当)、ボーナス(賞与)、業績給(業績手当)、各種手当などがあり、年俸制の賃金パターンを考える際に、これらを含めるのか含めないのかを考える必要があります。

1.全てを年俸に統一する

前年度の貢献度合いや年齢・熟練度から基本の年俸、ボーナス、残業代、業績給などを見越し、総合計して12か月で割って支給するパターンです。

おそらく、最も多いのがこの年俸のパターンでしょう。ボーナスがない会社の中には、このようにまとめられている場合があります。

2.年俸とボーナスを分ける

前年度の貢献度合いや年齢・熟練度から基本の年俸、残業代、業績給などを合計し、年俸とは別に業績に応じてボーナス、または予め決められた4か月分などの賞与を支給するパターンです。

業績に応じたボーナスであれば実力主義のように感じますが、4か月分などが予め設定されていると、年収制とあまり変わりません。

3.年俸とボーナスと業績給を分ける

前年度の貢献度合いや年齢・熟練度から基本の年俸、残業代、業績給などを合計し、年俸とは別に予め決められた2か月分などの賞与に加えて、業績に応じた業績給を出すパターンです。

年俸制の疑問点

年俸制の賃金パターンを見て感じた人もいるはずです。「年収制と年俸制って何が違うの……?」年収制と年俸制の損得を知りたかった人には期待はずれですが、雇用の内容によるため、どちらが得でどちらが損ということはありません。

では、年俸制でよくある疑問を見ていきましょう。

1.年俸制は1年に1回の支払い?

年俸制と言っても、1年に1回支払われるわけではなく、ほとんどが12か月に分けて月次で支払われます。これはプロ野球選手も同様です。そのため、たとえ年俸制でも、月に受け取る額が大きく変わるわけではないため、生活自体はあまり変化を感じないでしょう。

2.年俸制はボーナスがない?

年俸は支払われる給料が年単位で決まっているため、ボーナスがないと思われる方も少なくないようです。前述した通り、ボーナスも含めて年間の給与額を決める会社もよくあります。

しかし会社によっては、ボーナスは別だったり、業績に応じたボーナスを取り決める会社もあるため、必ずしもボーナスがないとは言い切れません。

3.年俸制は残業代がない?

こちらもよくある勘違いですが、年俸制では残業代が支給されないと考えている人がいます。しかし、年俸制でも残業代が別に支払われる場合もあります。
ただし、年俸制は見込み残業時間(みなし労働時間)が含まれる場合が多いため、社則を見て残業代の取り決めを確認した方が良いでしょう。

4.年俸制は成果が反映されやすい?

年俸制は実力主義、年収制(月給制)は年功序列というイメージを持っている人もいますが、どのタイミングで成果を反映するかの違いです。

一般的に、年俸の中にボーナスや個人の業績給が含まれていれば、見直しは1年に1回になりますが、成果によるボーナスや業績給が別になっている年俸制であれば、期内でも成果が反映されます。

ただし、初めからボーナスや業績給が別の月給制の方が、年俸制よりも早めに成果が反映されやすいことが多いでしょう。

5.年俸制は税金が高くなる?

年俸制は、所得税が高くなるという話を聞いたことがある人はいないでしょうか。結論を言うと、年間トールで見ると総支給額に対する税率は同じになるため、年俸制も年収制(月給制)も所得税額は変わりません。

ただし、年俸にボーナスや個人の業績給が含まれると月次の収入が増えるため、その分源泉徴収額が多くなります。多く徴収された分は、その後に年末調整があるため、税金額はおなじになります。もちろん、社会保険料も同様です。

年俸制のメリットとデメリット

年俸制のメリット

年俸制の会社は、一般的に年収制の基本給の総額よりは収入が高くなります。そのため、業績給や残業代による収入の上下が少なく安定しています。少なくとも、直近一年のライフプランは立てやすいでしょう。

年俸制のデメリット

年俸制は、契約更新時に向こう一年の収入がある程度決まっています。そのため、途中で大きな成果を出してもすぐに収入に反映されません。

モチベーション維持が課題の人にとっては、成果が反映しやすい年収制(月収制)の方が仕事の意欲が途切れにくいかもしれません。また、みなし労働を取り入れている会社が多いため、残業代がもらえないこともモチベーションを下げる要因になるかもしれません。

年俸制と年収制(月収制)の損得の結論

結論として、年棒制と年収制(月収制)は、どちらもメリットとデメリットがあるため、損得を考えるよりもまず契約内容をよく理解することが大切です。会社によってボーナスや残業代の支給、昇給のタイミングなども異なるため、全て確認しましょう。

強いていうなら、冒頭の平成24年就労条件総合調査結果の概況|厚生労働省を見ると、年俸制を導入している業種は、情報通信業(33.7%)、学術研究、専門・技術サービス業(30.9%)、金融業、保険業(25.3%)となっており、いずれも個人の実力が評価されやすい業界だということがわかります。

つまり、年功序列よりも実力主義で評価をする意欲が高い会社である可能性が高いはずです。

仕事に対する正当な評価を求める人にとっては、年俸制を選ぶ方が自分の意に沿った会社の体制で働けるということでしょう。

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