俳句で学ぶ昭和のお金事情!古人も金銭の貸し借りや工面に苦労していた

読了目安[ 3 分 ]

俳人でもある筆者は、興味を持って過去の先輩たちの俳句を多く楽しんできました。

俳句を読むと、その時代の一般的な日常生活を感じ取ることができますが、当時の生活事情だけでなくお金事情もいろいろな形で俳句に表れていて、とても趣があります。

そこで今回は、金銭の貸し借りやお金の工面を詠んだ俳句をいくつかピックアップして、当時のお金事情を考えてみましょう。

保険事情を詠んだ俳句

俳句で学ぶ昭和のお金事情, マネーゴーランド

「芍薬(しゃくやく)や 枕の下の 金減りゆく」石田 波郷(いしだはきょう)

大事なお金を枕の下に隠して持っているけれども、病気になったことでそれがどんどん減っていく……。

この句の作者「石田 波郷」は大正から昭和にかけての俳人で、保険制度が十分機能していなかった当時、病気になってしまったためお金の心配を現した句です。

国民健康保険制度が始まったのは1938年ですが、当初は戦争などの影響もあり、保険料の支払いも滞りあまりうまく機能していませんでした。

現在の健康保険制度に改定されたのは1961年、また民間の医療保険は1976年、アリコ・ジャパンが発売開始してからのことです。保険制度のありがたみに気づかされます。

集金事情を詠んだ俳句

俳句で学ぶ昭和のお金事情, マネーゴーランド

「妻留守に 集金多し 茎立てる」杉本 寛

妻が留守の時に限って集金が多く来る気がする(妻に置いて行かれたようで、何だか少し寂しいな)。

「集金は残り一軒雨蛙」納谷 一光

集金はあと1件だけど雨が降ってきそうだ(面倒だけどがんばって仕事を終わらせてしまおう)。

どちらもそう古い句ではありません。ほんの30~40年前の光景ですが、今ほど口座振替やオンラインの決済方法が発達していなかったので、お金の支払いはその場で行うか、集金がもっぱらでした。

そんな内容の句です。現在はIT化が進み、海外送金も仮想通貨を使えば安く行えるようになったため、ずいぶんと便利な時代になったと感じます。

お金の工面・借金事情を詠んだ俳句

俳句で学ぶ昭和のお金事情, マネーゴーランド

「金借りて 冬本郷の 坂くだる」佐藤 鬼房(さとう おにふさ)

(仕方がないけれども)お金を借りて冬の本郷の坂道をくだるのは何となく辛いなぁ。

「金貸してすこし日の経つ桃の花」長谷川 双魚(はせがわ そうぎょ)

友人にお金を貸したけどあれから連絡がない。もう桃の花も咲いてしまったなぁ。

「金借りにきて 懐手解かぬとは」ねじめ 正也

お金を借りに来て和服の袂に手を入れたままとは、失礼なやつだ(本当はどんな気持ちなんだろうか)。

個人に対して銀行が金銭の貸付を行う融資行為は昭和初期からありましたが、当時から保証人の擁立が必要なうえ、金利が6-8%と高いこともあったため、あまり庶民的ではありませんでした。

当時の庶民がお金を工面しなければいけないときは、持ち物を売るか個人からお金を借りる方が一般的でした。

人からお金を借りる時は何となく神妙に思ったり、人にお金を貸すときは相手の気持ちが何となく気になったりなど、時代が変わっても金銭にまつわる感情は変わらないものなのでしょう。

お金に関する事情は今も昔も変わらない?

古人の生活や文化を考えるうえで、やはり金銭事情は切っても切り離せません。

様々な本から当時の生活を知ることも大切ですが、このように短い句に込められた思いを感じ取るとより、庶民の感情の揺さぶられ方を感じられて、少し切ないような共感ができるような気持ちになります。

それぞれの時代の生活環境やお金事情を知ることでお金のありがたみを知り、今のわたしたちの生活をより良く変えられるように考えてみましょう。

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