万が一夫が…残された家族に必要なお金はいくら?【生命保険の決め方】前編

読了目安[ 5 分 ]

生命保険の加入を検討するとき、まず初めに考えなければいけないことは必要保障額をいくらにするかということです。
必要保障額は、家族構成、現在の収入、資産状況、住まいの状況、お子さまの年齢などによって異なるため絶対的な数字はありません。

必要保障額の計算方法

今回は遺された家族が一生涯に必要とするお金(=支出)について具体例をともに計算します。
必要保障額の説明については
妻一人で決めたら危険!生命保険「適正な必要保障額」見極めのコツ
を参考にしてください。

生命保険「適正な必要保障額」見極めのコツ、マネーゴーランド

必要保障額の計算に欠かせない情報

必要保障額の計算をする際に最低限必要な情報は、

  • 家族の年齢
  • 手取り収入
  • 住まいのこと
  • 子どもの進路
  • 車の所有の有無
  • そして夫に万一のこと

があった場合の生活スタイルです。

特に、住まいと今後の生活スタイルについての情報は、必要保障額に大きな影響を与えます。
住まいについては、

  • 持家か賃貸か
  • 住宅ローン利用の有無
  • 団体信用生命保険加入の有無
  • 固定資産税額がいくらか

によって住居費に大きな差が生じます。
生活スタイルについては、

  • 生活費の節約度合い
  • 教育費の修正の有無
  • >夫が亡くなった後の妻の就労の有無

によって、生活費や教育費、これから入ってくるお金の見込み額が大きく変わります。
では、

Aさんに万一のことがあった場合の支出額

を計算してみましょう。
<Aさんのプロフィール>
家族構成:
Aさん(30歳)
妻(30歳)
子ども(0歳)
夫の収入:手取り月収25万円(手取り年収300万円)
住まい:持家(一戸建て)で住宅ローン返済中、団体信用生命保険加入、固定資産税10万円
生活費:15万円(住宅ローンを除く)
車の所有:1台(価格150万円)
預貯金:100万円
夫に万一のことがあった時:妻は就労する予定

生活費はいくら?

今後の生活費は、子が独立するまでの生活費と子が独立した後の妻だけの生活費に分けて考えます。
子が独立するまでの生活費は、夫にかかっていた生活費が不要になるため、これまでの生活費の70%から80%とします。ここでは70%で計算します。
子が独立した後は、妻だけの生活費を考えればよいので、これまでの生活費の50%で88歳までかかるとします。
(厚生労働省「平成27年簡易生命表の概況」女性50歳の平均余命88.13歳より)

  • 子が独立するまでの生活費(子は23歳で独立):15万円×12月×70%×22年=2,772万円
  • 子が独立した後の生活費(妻53歳〜88歳の36年間):15万円×12月×50%×36年=3,240万円

住居費はいくら?

Aさんは、住宅ローンを組み団体信用生命保険に加入しているため、万一のことがあった場合の住宅ローンの残債は団体信用生命保険で返済されます。
賃貸住宅または社宅に居住している人は、賃料も別途計算に入れましょう。
固定資産税は徐々に下がりますが計算しやすいように88歳まで10万円がかかることとします。

  • 住居費=10万円×(88歳-30歳)=580万円

教育費はいくら?

夫に万一のことがあっても、子どもが希望する教育を受けさせてあげたいと思うのは親心でしょう。
そこで、妻は勤労収入を得る予定のため、子どもの進路は、保育園・公立小学校・公立中学校・公立高校・私立大学とします。

保育園は月2万円、小学校から高校卒業までにかかる費用460万円、私立大学にかかる費用446万円で計算します。
いずれも厚生労働省、文部科学省などの教育費用の平均値を元に設定しています)

  • 教育費の合計:2万円×12月×6年+460万円+446万円=1,050万円

葬儀費用とその他の費用はいくら?

葬儀費用は、日本消費者協会「第10回葬儀についてのアンケート調査」によると平均188.9万円であったので、合計200万円とします。

その他の費用として車の買替費用や住居関連費などを計算します。
予備費として生活費の1年分、住居関連費として修繕費用を600万円にします。
(アットホーム株式会社「新築一戸建て購入後30年以上住んでいる人に聞く『一戸建て修繕の実態』調査」で自宅修繕費平均総額が556 万円を参考に設定)
妻は70歳まで15年に1度、車を買い替えることとします。
・その他の費用=15万円×70%×12月(予備費)+600万円(修繕費)+150万円×3回(車の買替費用)=1,176万円

よって、遺された家族が一生涯に必要なお金(=支出)の合計は9,018万円になります。

費目 期間 期間詳細 金額
家族の生活費 子の独立まで 子0歳〜22歳の22年間(子は23歳で独立) 2,772万円
月額15万円×70%×12ヶ月×22年
子の独立後 妻53〜88歳(平均寿命)の36年間 3,240万円
月額15万円×0.5×12ヶ月×36年
住居費 固定資産税 10万円×(88歳ー30歳) 580万円
教育費 保育園・高校まで
公立、私立大学
2万円×12ヶ月×6年+460万円+446万円 1,050万円
葬儀費用 200万円
その他費用 予備費 15万円×70%×12ヶ月 126万円
住居関連費 修繕費 600万円
車の買替え費用 150万円×3回 450万円
合計 9,018万円

計算結果が同じになる家庭はありません。
我が家だけの支出額を算出してみてはいかがでしょうか。
今回の計算では9,018万円の支出になることがわかりましたが、私たちはこれからかかるお金のすべてを自助努力で準備する必要はありません
遺族年金などの公的保障があるからです。
次回は”これから入ってくる予定のお金”についての計算方法をお伝えします。
なお、この記事では、主契約が死亡保障の保険を「生命保険」と呼んでいます。

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