130-170万円は扶養外で手取り減!パート主婦が損する年収・得する年収は?

読了目安[ 7 分 ]

2016年10月から、501人以上の企業で働くパートの方は、社会保険への加入条件が年収106万円以上と変更になりました。

今まで奥様がパートで働く場合、103万円の壁と130万円の壁が大きく立ちはだかっていたと言えますが、2016年の10月からは、更に106万円の壁も出現したことになります。

パートで働いている方、今一度これらの壁と働き方について考えてみましょう。

配偶者控除が適用される「103万円の壁」とは

これまで主婦が働く際には、配偶者控除が受けられる「年収103万円以下」にすることを意識していました。それは、以下のような理由からです。

  1. 収入が100万円超えると住民税が発生する※1
  2. 収入が103万円超えると所得税が発生する※2
  3. 収入が103万円超えるとご主人の配偶者控除(38万円)を受けられなくなる
※1市区町村により基準が異なります。
※2給与所得控除65万円+基礎控除38万円=103万円となり、103万円を越えなければ全額控除

これは、妻の年収が103万円以下であれば、夫の課税所得から配偶者控除38万円※3を差し引くことができ、夫の所得税・住民税の負担が軽くなります。つまり、103万円以下であれば、税金の負担を増やすことなく、世帯年収を増やすことができます。

※3住民税では課税所得から33万円
2016年に言われていた「配偶者控除」の廃止そのものは見送られ、2018年1月から103万円の壁が150万円まで引き上げられることが決まっています。

103万円の壁を超えても配偶者特別控除が使える

パート収入が103万円の壁を越えてしまっても、141万円までであれば「配偶者特別控除」が使えますので、一気に税金が高くなるわけではありません。

仮に「配偶者特別控除」が無かった場合、38万円が控除されずにそのまま税金の計算にそのまま算入されるので、夫の年収が500万円(所得は346万円)の世帯で38万円×20%=7万6,000円も所得税が増えてしまいますが、実際は配偶者の収入、つまり奥様の収入によって段階的に所得税が増えていきます。

配偶者特別控除は、控除を受ける人(ご主人)のその年における合計所得金額が1千万円以下であれば、基本的には利用できます。

ということは、多くの世帯はそれほど税金が急に高くなることはないのではないでしょうか。ですので、あえて103万円の壁に固執しなくても130万円まではご主人と自分自身の税金を足してもそれほど税負担は増えるわけではないのです。

参考|No.1191 配偶者控除|所得税|国税庁
参考|No.1195 配偶者特別控除|所得税|国税庁
参考|No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁

2018年1月からの配偶者控除の引き上げ(103→150万円)に伴い、配偶者特別控除も141万円だった上限が、201万円まで引き上げられることになっています。

パート主婦が死守する「130万円の壁」とは

130万円の壁はかなり大きな壁で、多くのパートがこの壁を超えないように死守しています。なぜなら、妻の収入が130万円を越えると、ご主人の扶養から外れてしまい、社会保険料を自分で払わなければいけなくなるからです。

補足1.会社員の妻が免除されている保険

会社員の妻の場合は、健康保険の扶養家族ということで、健康保険料と国民年金保険料が免除されています。特に国民年金保険料は第3号となって、保険料を払わなくても支払っているものとしてカウントされるという大きな優遇が施されています。

補足2.自営業の妻だと免除がない?

これが自営業の妻の場合は同じパート収入でも国民年金第1号として毎月約1.5万円の国民年金保険料を支払わなければなりません。今、この違いが国会で問題になっていて、近いうちに第3号はなくなるかもしれません。

2016年10月から「106万円の壁」が出現

今までは、前述の通り年収130万円を超えると社会保険の加入となり、年金や健康保険の保険料の負担が出てくる為、年収130万円以下に就労時間を調整するパートタイマーの主婦は多くいました。

これが2016年10月からパートタイマーなどの短時間労働者へのセーフティネットを目的に、厚生年金適用の基準が拡大されることになります。

厚生年金・健康保険加入の新基準

パートの厚生年金・健康保険の加入基準は、正社員の労働時間と労働日数の4分の3以上であれば、年収の金額に関係なく加入しなければなりません。

新しい制度では、この4分の3基準を満たさない場合でも、次の要件をすべて満たす場合には加入することになります。

  1. 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
  2. 賃金の月額が88,000円以上であること
  3. 同一の事務所に継続して1年以上雇用されることが見込まれること
  4. 学生でないこと(夜間、通信、定時制を除く)
  5. 厚生年金保険の被保険者の合計が常時500人を超える事業所に使用されていること。従業員数が500人以下の事業所の場合でも、労使で合意がされていること

上記(1)〜(5)の基準をすべて満たすと厚生年金に加入することになります。厚生年金に加入するようになると、保険料が天引きされるため、これまでと同じ年収で比較した場合、手取り額が少なくなります。

変化はデメリットばかりではない

手取りが減るというデメリットだけではなく、主婦が社会保険に加入することで、将来の年金に厚生年金が上乗せされる、健康保険には傷病手当金、出産手当金などがあり保障が充実される等のメリットがあります。

年収106万円の新しい壁で誰が損をする?

厚生年金・健康保険の加入基準が上記のように変わりますが、ここで重要なのは「賃金の月額が88,000円以上(年収で106万円以上)であること」です。

「所得税を払いたくない」と、103万円に収入を押さえていた人は、いままで同様何ら問題はありません。

問題なのは、年末に勤務時間調整をして130万円を超えないように調整していた人たち。106万円を超えた時点で夫の扶養からはずれてしまいますので、今まで1円もかからなかった厚生年金と健康保険の保険料が少なくても約1万円はかかってくるでしょう。

夫の扶養からはずれるという誤解

パート年収が106万円になったからといって、夫の扶養に入る資格を失ったわけではありません。

あくまで、幾つかの条件を満たした場合に、自分の勤め先で社会保険に加入することになるというだけで、労働時間や会社の規模などを満たしていなければ、106万円以上でも、夫の扶養に入り続けることができます。

注意したい会社の規模

日本は中小企業が多いので、実は該当する会社はそれほど多くありませんが、その中には多くのパートを雇用している会社が多いのも事実です。

特にスーパーやファストフード店、チェーン展開している飲食店等は、該当するパートが多いので問題になっています。(企業にとってはそれだけ社会保険料の負担が増えるので利益が減少してしまう)

雇用されている会社の従業員数がわからない人は、会社に確認をしてください。今年は該当しなくても、来年再来年は該当するかもしれません。

今年は大手の会社だけが該当しますが、これが順次100人以上の会社、そしてすべての会社に拡大していくことは必至です。

年収130~170万円では手取り額が減少

さて、この扶養内で働くかということについては、30~40代になって子育て等が一段落した女性が、再就職する際に気にする点でもありますね。

年収150万円のパート・アルバイトの注意点とは

ここでの注意点は、年収150万円だと夫の社会保険の扶養からはずれてしまうことです。

一般的に社会保険料の負担を加味すると、手取り額が増えるのは170万円くらいからになります。(501人以上の企業で働く場合は135万円くらい)

年収150万円だと、社会保険料の自己負担のない130万円を少し切るくらいで働いた方が手取り額は多いという逆転現象が起こってしまいます。

手取りは減っても将来の賃金&年金アップにつながる

しかし、再就職先の仕事で成果を出すことができれば、後々より給与の高い仕事につけることも考えられます。1年目に支払う社会保険料は必要経費と割り切ってみるのはいかがでしょうか。

結果的に、2年目からは同じ労働時間で年収は170万円以上稼ぐか、稼げなくても社会保険料を支払うと老後の自分の年金額が増えるので、デメリット、失敗ではありません。

扶養内にこだわりすぎないこと

無理をしてキャリアアップを目指す必要はありませんが、ご主人の仕事が永久に安泰と言えないご時世ですので、もしチャンスがあれば扶養内にこだわらずに賃金が上がる可能性のある仕事を探すのも一つの手ではないでしょうか。

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