脱退しずらくなる?個人型確定拠出年金「メリットの影にある留意点」

読了目安[ 4 分 ]

来年から個人型確定拠出年金(DC)の対象者が拡大されます。専業主婦や公務員の人も対象になり、基本的に60歳未満の誰もが加入できるようになります。先日「iDeCo(イデコ)」という愛称も決定、どれくらい普及するかが楽しみなところです。

確定拠出年金から脱退一時金の受け取り要件

一方で大きな留意点もあります。基本的に誰もが個人型確定拠出年金(DC)加入できるようになることで、企業などの確定拠出年金からの脱退要件が厳しくなることです。

まずは、現在の確定拠出年金脱退一時金の受給要件を確認しましょう。少し複雑ですが、次の個人型確定拠出年金(DC)脱退要件その1から個人型確定拠出年金(DC)脱退要件その3.のいずれかの要件に該当する場合は脱退一時金を受給することができます。個人型確定拠出年金(DC)脱退要件その2.は、平成23年の制度改正で追加されたもので、平成26年1月1日から施行されました。

確定拠出年金(DC)脱退要件その1

個人型DCに加入できない人※1が、次の1.~6.の要件をすべて満たす場合

  1. 60歳未満である
  2. 企業型DCの加入者ではない
  3. 確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではない
  4. 最後に企業型DC又は個人型DCの加入者資格を喪失した日から2年以内である
  5. 通算拠出期間※2が3年以下か、又は個人別管理資産額が50万円以下である
  6. 企業型DCの加入者資格喪失時に脱退一時金を受給していないこと

※1:個人型DCの加入資格がない人の代表は、サラリーマン家庭の専業主婦(国民年金の第3号被保険者)や公務員ですが、その他は次のような人です。

  • 国民年金保険料の納付免除等の承認を受けている人
  • 企業年金(厚生年金基金、確定給付企業年金)の加入者
  • 私立学校教職員共済の加入者

※2:掛金を拠出した期間で、企業型DCや企業年金制度から個人型DCへ年金資産を移換している場合、それらの加入期間も含みます。

確定拠出年金(DC)脱退要件その2

個人型確定拠出年金(DC)に加入できる人で、次の1.~5.の要件をすべて満たす場合

  1. 継続個人型DC運用指図者(企業型DC加入者の資格喪失後、企業型DC運用指図者又は個人型DC加入者となることなく個人型DC運用指図者となった人で、その申出をした日から起算して2年経過している人)であること※3※4
  2. 確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではない
  3. 通算拠出期間が3年以下か、又は個人別管理資産額が25万円以下である
  4. 継続個人型DC運用指図者となった日から2年以内である※5
  5. 企業型DCの加入者資格喪失時に脱退一時金を受給していない

※3:運用指図者となる申出をしたときから継続して、個人型年金の加入資格のある人に限ります。従って、当該申出以降、国民年金第3号被保険者の期間がある人や、他の企業年金に加入した期間のある人の場合は対象になりません。
※4:施行日(平成26年1月1日)前に運用指図者となる旨の申出をし、既に運用指図者になっている人でも、その申出から2年を経過した(施行日以降の)時点で対象となります。
※5:施行日において既に継続個人型年金運用指図者である方の場合は施行日から2年以内

確定拠出年金(DC)脱退要件その3

企業型確定拠出年金(DC)から直接脱退する人で、次の1.~3.の要件をすべて満たす場合
要件その1、その2と異なり個人型確定拠出年金(DC)の加入者となる資格の有無を問いません。

  1. 企業型DC加入者、運用指図者または個人型DC加入者、運用指図者でない
  2. 個人別管理資産額が15,000円以下である
  3. 最後に当該企業型DC加入者の資格を喪失してから6ヵ月を経過していない

今後の確定拠出年金脱退一時金受け取り要件

来年からは、上記の要件その2が廃止されます。平成26年1月に要件緩和されたばかりですが、これはわかりやすくいうと、会社で企業型確定拠出年金(DC)に加入していた人が、中途退職をして、その後個人型確定拠出年金(DC)に加入せず、資産を放置している人があまりにも多いために導入されたものです。
来年からは、きちんと加入して継続運用してくださいということになります。

さらに、要件その1については、個人型確定拠出年金(DC)に加入できない人というのが、国民年金保険料の納付免除等の承認を受けている人などに限定されますので、大幅に縮小されることになります。

ライフプランをしっかり立てることの必要性

公的年金に全面的に頼れなくなる中、老後に対して大きな不安を感じる人が増えています。老後資金の積立手段としては、運用益非課税など税制面でかなり有利な確定拠出年金ですが、いざという時に使えないお金です。

今後予定されるイベントに、いつどれくらいのお金が必要か、しっかりライフプランを立てて、確定拠出年金(DC)を賢く活用しましょう。

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