年末調整で所得税控除対象の項目一覧と確定申告のみの控除

読了目安[ 7 分 ]

天高く、馬肥ゆる秋…北風が吹き始める、毎年この時期になると決まって、お客様からの問い合わせが殺到する質問があります。

「生命保険料控除はいつとどきますか?」という質問です。

みなさん年末調整の管轄部署への提出期限を迫られているのですね。

年末調整で処理できる所得税控除対象一覧

早速ですが、年末調整の際に控除することができる控除項目の一覧をご覧ください。

控除対象項目 備考
1 基礎控除 一律38万円
2 給与所得控除 最低65万円
3 配偶者控除 70歳未満は38万円、70歳以上は48万円
4 配偶者特別控除 所得金額に応じて変動
5 扶養控除 一般的には38万円
6 障害者控除/特別障害者控除 障害者一人ごとに27万円・特別障害者の場合は40万円
7 寡婦控除/寡夫控除 基本は27万円・特定寡婦に該当する場合は35万円
8 勤労学生控除 一律27万円
9 社会保険料控除 社会保険料として支払った額全額
10 小規模企業共済等掛金控除 払い込んだ掛け金全額
11 生命保険料控除
  • (新)平成24年1月1日以降に契約した場合、保険料が8万円を超えた段階から一律4万円
  • (旧)平成23年12月31日以前に契約した場合は、保険料が10万円を超えた段階から一律5万円
12 地震保険料控除 最高で5万円
13 住宅ローン控除 年末時点でのローン残高に応じて変動

ざっとこれだけありますが、これら全てを申請する人はそういないと思いますが、それぞれについてご紹介します。

基礎控除とは

確定申告や年末調整を行う場合に、すべての人が一律で受けることのできる控除です。

特に条件というものはなく、控除金額は一律で38万円です。

給与所得控除とは

給与所得控除とは、会社に勤めていて、給与という形で支払われている場合に適用される控除です。

給与所得により控除される金額が異なりますが、最低でも65万円が控除されます。

配偶者控除・配偶者特別控除とは

配偶者控除とは、その名のとおり、控除対象となる配偶者がいる場合に適用される控除です。

控除対象となる配偶者は、次の4つの条件を満たす場合になります。

  1. 民法の規定による配偶者であること(内縁関係はダメです。)
  2. 納税者と生計をひとつにしていること。
  3. 年間の合計所得金額が38万円以下であること。(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
  4. 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと、又は白色申告者の事業専従者でないこと。

参考|No.1191 配偶者控除|所得税|国税庁

4つ目がややわかりにくいですが、要するに個人事業主の専属お手伝いとかやってても、給与収入を得てる場合はダメですよ、という意味です。

控除される金額は70歳未満で38万円、70歳以上で48万円です。

つまり、あなたが納税者で70歳未満の奥さんの給与収入が103万円以下の場合、あなたの所得から38万円の控除を受けられるということになります。

次に、配偶者特別控除ですが、こちらは配偶者の所得が38万円以上あって、配偶者控除が受けられない場合に適用される控除です。

配偶者の所得が38〜76万円までの範囲である場合、所得金額に応じた控除が受けられます。
参考|No.1195 配偶者特別控除|所得税|国税庁

扶養控除とは

扶養控除とは、その年の12月31日時点で16歳以上の控除対象扶養家族がいる場合に受けられる控除です。

例えば、同居はもちろん、同居はしていないけれど、年金暮らしの親御さんはいらっしゃいますか?

その親御さんに生活費の一部を仕送りするなど、生計を一にしているとみなされる場合は、扶養控除(被扶養者が70歳以上の場合は老人扶養控除)が適用されるかもしれません。

扶養控除には種類が3つあります。(各金額は控除額)

  1. 扶養控除…16歳以上一般扶養親族 38万円
  2. 特定扶養控除…19歳~21歳の扶養親族 63万円
  3. 老人扶養控除…70歳以上の扶養親族 同居は58万円、別居は48万円

16歳未満のお子さんは扶養義務はあるものの、児童手当の支給と引き換えに平成22年度税制改正より、扶養控除の該当から外されたので、ここでは対象外です。

ちなみに兄弟姉妹間で、仕送りをしている場合などは、誰かひとりしか控除を受けられませんので、ご注意ください。

障害者控除/特別障害者控除

障害者控除とは、納税者本人または配偶者、扶養家族等が障害者の場合に受けることができる控除です。

控除金額は1人につき27万円です。

また、特別障害者に該当する場合は特別障害者控除が適用され、1人につき40万円となります。

さらに、納税者本人、または生計をひとつにする配偶者、扶養親族で同居を常にしている場合は、同居特別障害者として75万円が控除されます。
参考|No.1160 障害者控除|所得税|国税庁

寡婦控除、寡夫控除とは

寡婦控除とは、配偶者と死別もしくは離婚した女性が受けられる控除のことです。

控除金額は、一般の寡婦で27万円、ある条件を満たした特別の寡婦で35万円となります。
参考|No.1170 寡婦控除|所得税|国税庁

勤労学生控除とは

勤労学生控除とは、納税者自身が働きながら学生をしている場合に適用される控除になります。

条件を満たした学生で、かつ合計所得が65万円以下の場合、一律27万円が控除されます。

社会保険料控除とは

自分を含め、生計をひとつにする親族に必要な社会保険料を支払った場合に適用される控除になります。

会社に勤めている場合は基本的には何も申請の必要はなく、会社がすべてやってくれます。

控除される金額は、支払った社会保険料の全額分になります。

小規模企業共済等掛金控除とは

小規模企業共済とは、個人事業主などが積み立てた掛け金を、退職や廃業する際に受け取ることができる、いわば個人事業主の退職金制度のようなものです。

小規模企業共済等掛金控除は、積み立てるために支払う掛け金に対して受けることができる控除のことを言います。

社会保険料控除と同じく、支払った掛け金全額が控除対象となります。

個人事業主だけではなく、小規模企業などが加入している場合もありますので、会社員の場合でも適用されることがあります。

生命保険と地震保険

生命保険料控除の申請は、個人口座からの引き落としや、クレジットカード払いなどで、会社を通さずに保険会社へ支払をしている人が、自主的に支払いの明細を会社へ提出する為のものです。

会社の団体扱いで生命保険に入っている場合は、会社が申請手続きをしてくれるケースがありますが、場合によってケースバイケースですので管轄部署へ確認した方が確実です。

また、忘れがちな保険関係控除は、「地震保険料控除」です。生命保険は会社を通していても、損害保険は個人的に支払っていた、などの場合は忘れずに提出しましょう。

住宅ローン控除とは

「2年目の住宅ローン控除」は、要注意です。(初年度は年末調整では対応できませんので、確定申告が必要です。)税務署からの控除証明書と、金融機関からの残高証明書を添付して、年末調整を行う必要があります。しかし、万一提出を忘れてしまった場合は、確定申告を行えば問題ありません。

確定申告でしか控除できないもの

さきほどから「確定申告」という言葉が出て来ましたが、そもそも会社が個人に代って行ってくれる「年末調整」では、控除できない種目が、いくつもあります。

代表的なものは

  • 医療費控除(市販薬も対象になります)
  • 寄付金控除(ふるさと納税でワンストップ対象のものは、年末調整で完結)
  • 配当控除(損益通算とどちらかですので、年収や損益と照らし合わせて選択)
  • 特定支出控除(仕事上必要な書籍代や資格取得費、スーツなどの被服費など)

です。

サラリーマンも年末調整だけではなく、確定申告を行うべきだと感じています。先程も申し上げました「確定申告しないと控除できない」種目があるのに加え、税や社会保険の仕組みを理解するうえで、確定申告ほど分かりやすいものは無いからです。

  • 企業がどれほどの社会保険料を負担して、国に納めているか
  • 控除の種類によって、どの業種分野に既得権益が発生しているのか

など、国・会社・個人のお金の流れを知る事で、損失を被る事は無いはずです。

「面倒くさい」のは百も承知、節税にはマメさが必要不可欠です。毎年きちんと領収証を保管して、正しい申告を行いましょう。不安があっても安心してください、分からないところは、所轄の税務署に行けば、職員の方が優しく教えてくれますから…。確定申告の期間は2月16日~3月15日です。

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