金の値動きで世界経済が予知できる?お金持ちがゴールドに注目する理由

読了目安[ 5 分 ]

金(ゴールド)は、世界の金融市場の動きが大きく変化する時に、株式や為替など他の市場に先駆けて動きやすい特徴を持ちます。

そのため、金(ゴールド)の値動きを見ることで、金融市場の暴落や暴騰に対して事前準備をすることができます。

金(ゴールド)の値動きが大きく下げたり上げたりしたときは、その後に、政治・経済的に大きな動きが起きたり、他の市場が大きく動く可能性があるため要注意です。

今回は、なぜ、金(ゴールド)の値動きが他の金融市場の指標になりえるのか、経済動向が予知できるのかの理由を解説します。

金価格で経済動向が予知できる理由

1.市場規模が小さく、市場の動きに敏感!
2.金先物市場の参加者はほぼプロのため市場の動きに敏感!
3.株式・為替などに比べて資産用途が高く市場の動きに敏感!

理由1.市場規模が小さく、市場の動きに敏感!

人類がこれまでに採掘・加工した金(ゴールド)の量は、約18万トンです。年間に採掘される金(ゴールド)の量は約3000トンのため、1グラム5000円で計算すると、年間に増える世界の金(ゴールド)の総額は約15億円になります。

参考|金脈を探せ!世界一金の採れる国は中国!金生産量ランキング

それに対して、日本の中央銀行が年間に発行する貨幣は、約80兆円です。日本円だけで年間これだけ増えるため、世界の貨幣増加量に比べると、金(ゴールド)の増加量が桁違いに少ないことがわかりますね。

そのため、金(ゴールド)は、クジラの鼻先で餌や危険を探知するパイロットフィッシュの役目を果たすことができます。

理由2.金先物市場の参加者はほぼプロのため市場の動きに敏感!

先物市場にかぎらず、個人投資家は売買ルールや利益確定と損切りタイミングのルールが曖昧で、資金に対するリスク管理もできていません。

対してプロの投資家は、全ての売買をファンダメンタルズに合わせた過去の経験によって積み重ねています。もちろん、プロでも間違った投資判断を行うこともありますが、個人投資家よりは確実な投資を行ないます。

理由3.株式・為替などに比べて資産用途が高く市場の動きに敏感!

金(ゴールド)は、いつの時代も最も安全性の高い資産用途として見込まれています。なぜなら、金(ゴールド)は保有していても、金利や優待が付くこともなく、世界の主要などの通貨とも交換することができるためです。

そのため、金価格が上がった場合は将来的な不安があり、金価格が下がった場合は世界情勢が安定していると予想できます。

金価格が世界経済を予見する具体例

冷戦が終了し、世界が経済発展と平和を実感している中で9.11テロが起きました。さらに、中国の急激な経済成長によって欧米に対抗する力が出てくると、金価格は急激に上昇しています。

1.量的緩和制作による金価格の下落

また、アメリカの量的緩和終了時の下落局面も良い具体例です。アメリカは、量的緩和という金融政策によって、米ドルを大量に市場へと供給していました。

ところが、当時のバーナンキFRB議長は、2013年6月の記者会見で2013年後半から徐々に量的緩和の縮小を始めると宣言したため、この会見の後に金価格は大きく下落しました。

「ゴールドと米2年債の動き」月足チャート:2016年10月14日

ゴールドと米2年債の動き」月足チャート、マネーゴーランド
※引用:GMOクリック証券

ただし、投資家の間では、アメリカの量的緩和の縮小は予見されていたため、2012年の末から金(ゴールド)の値下がりは始まっていました。

2.利上げによる金価格の下落

また、アメリカの利上げ問題も金価格の下落を予兆するものとなっています。

当時アメリカは、2015年12月に金利を上げて以来、利上げを行っていなかったため、金(ゴールド)は値下がりすることなく、高値圏を維持していました。

参考|「米国の利上げ」って何?なぜ重要なの?

ところが、2016年10月4日から金価格が下落しはじめました。すると、市場関係者が予測した通り12月のFOMC(米国の金利を決める中央銀行の会議)で政策金利は0.25%に引き上げられました。

参考|米国の金融政策(2016年12月)1年振りの利上げ、政策金利見通しを上方修正/マーケット情報 - 三井住友アセットマネジメント

アメリカの金利が上がると、アメリカの国債や社債などの債券を保有していれば、一定の金利を得られるようになります。そのため、金利を生まない金(ゴールド)の値段は下がります。

「ゴールドとNYダウの日足チャート」:2016年10月14日

ゴールドとNYダウの日足チャート、マネーゴーランド
※引用:GMOクリック証券

このとき、NYダウは高値を維持していますが、金(ゴールド)はすでに下がっています。

資産家は常に金市場の動向を見ている

このように、金(ゴールド)が大きく値下がり・値上りする時は、世界経済が大きく変化する可能性が高いと言えます。

そのため、世界の投資家やお金持ちは、たとえ金(ゴールド)を売買していないときでも、世界の情勢が金市場に与える影響と価格に注目をしているのです。

ちなみに、同じ貴重な貴金属であり資産価値も高いプラチナは、金(ゴールド)とは少し違った動きをします。プラチナは、以下で解説しているため参考にしてください。

参考|金より希少なプラチナに資産価値はある?用途や特徴、価格変動要因は?

【シリーズ】なぜ金などの「実物資産」が好まれるのか

  1. お金持ちが金を資産に選ぶ理由は?ゴールド保有のメリット・デメリット
  2. 金がインフレに強いのは嘘?市場で金価格が変動する7つの理由
  3. 金の値動きで世界経済が予知できる?お金持ちがゴールドに注目する理由
  4. 金より希少なプラチナに資産価値はある?用途や特徴、価格変動要因は?
  5. 100年で価値3800倍! 資産家がゴールドを持つ理由と歴史の背景
  6. 消費税分丸儲け!日本への金密輸入が急増する理由と方法や罰則
  7. 米ドル依存の世界経済の裏で金を買い集めるロシアと中国の狙いとは

全てのバックナンバーはこちら
実物資産「金・銀・プラチナ」で資産運用

コメントを残す

  • コメント欄には個人情報を入力しないようにしてください。

  • 入力いただいたメールアドレスは公開されませんがサーバーに保存されます。
  • 入力いただいた情報の他に、IPアドレスを取得させていただきます。取得した IPアドレス はスパム・荒らしコメント対処ために利用され、公開することはありません。