フビライもコロンブスも目的は金?世界が狙う黄金の国ジパングの歴史

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過去の日本が海外の国や勢力に狙われたのは、歴史上二回あります。一度は鎌倉時代の元寇(モンゴル~中国の王朝)、二度目はコロンブスに代表される大航海時代です。

大航海時代とは、中世ヨーロッパ15世紀中ごろから17世紀中ごろにおいて、ヨーロッパ各国による植民地を求めた海外進出が盛んだった時代のことです。

アメリカ大陸を発見したかの有名なコロンブスが目指したものは、当時世界的に伝説的な扱いをされていた「黄金の国ジパング」です。

船乗り達がヨーロッパを出て冒険をしたのは、自由やロマンのためではなく、いたるところに金(ゴールド)がある「黄金の国ジパング」を見つけて、大金持ちになるという野望ゆえでした。

今回は、なぜフビライやコロンブスが日本を目指したのか、世界が狙う黄金の国ジパングの歴史についてお話します。

マルコ・ポーロの東方見聞録

コロンブスが日本に向かうきっかけになったのは、イタリア人のマルコ・ポーロの旅行記を描いた「東方見聞録」です。

ちなみに、東方見聞録はマルコ・ポーロが書いたと勘違いされていますが、正確には1271-95年の旅行の体験談を口述して、フランス人のルスティケッロ・ダ・ピサが記した(編纂した)旅行記です。

東方見聞録のジパングに関する記述を読むと、冒険物語に出てくる黄金の島そのものの姿が描かれています。そのため、誰もが「黄金の国ジパング」目指して船を出したくなります。

「島では、金が見つかるので、彼らは限りなく金を所有している。しかし大陸からあまりに離れているので、この島に向かう商人はほとんどおらず、そのため法外の量の金で溢れている。この島の君主の宮殿について、私は一つ驚くべきことを語っておこう。その宮殿は、ちょうど私たちキリスト教国の教会が鉛で屋根をふくように、屋根がすべて純金で覆われているので、その価値はほとんど計りきれないほどである。床も二ドワの厚みのある金の板が敷きつめられ、窓もまた同様であるから、宮殿全体では、誰も想像することができないほどの並外れた富となる。」

『マルコ・ポーロ 東方見聞録』月村辰雄・久保田勝一訳 岩波書店より一部抜粋

東方見聞録はマルコ・ポーロの旅行記ですが、彼自身は歴史上日本を訪れたことはありません。マルコ・ポーロが「黄金の国ジパング」のことを記したときは、中国「元」の宮廷で皇帝フビライ(フビライ・ハーン)に仕えていました。

当時のインド洋から日本海にかけて帆とオール(櫂)しかない船で渡るには、風と海流を利用する知識と経験、先人の知見が少なく、そう簡単に渡ることはできませんでした。

つまり、「東方見聞録」にある黄金の国ジパングに関する記述は、当時の中国やイスラムが抱くはるか東にある幻の国の噂やあこがれをまとめただけだなのです。

イブン・フルダーズベのワクワクの国

さらに、マルコ・ポーロの「黄金の国ジパング」伝説の元になったお話しがあります。中世アラブの伝説「ワクワクの国」というものです。

聞くだけでワクワクしてくる名前ですが、この「ワクワクの国」が日本を指しています。ワクワクの語源は、日本の旧名「ワ(倭・和)の国」ではないかと言われています。

「ワクワクは金を豊富に産し、住民は犬をつなぐ鎖や猿の首輪そしてチュニックを金の糸で織っている。」

この話を、アッバース朝(今のイラン)の役人だったイブン・フルダーズベは、「諸道と諸国の書」という書籍にまとめて発行しています。そして、モンゴル民族が東欧から中東そして中国を征服する中で、東西交流が盛んになることで様々な話が伝わりました。

ワクワクの国の話を聞いたフビライは、金(ゴールド)を求めて元寇を起こし、ヨーロッパに帰ったマルコ・ポーロが記した東方見聞録によって、黄金の国への憧れが強まり、コロンブスなどの大航海時代が始まりました。

欧州・中国と異なる二つの脅威、その動機こそ「黄金の国ジパング」の黄金伝説だったのです。

元寇が起きたのは、日本の鎌倉時代1274年と1281年、そして大航海時代は、元寇を起こしたモンゴル帝国の衰退後の15世紀半ばごろからです。

日本はちょうど戦国時代の頃で、戦い慣れた武士と強力な兵器を持つ国になり、外国勢力の脅威を打ち破ることに成功しています。

今も昔も人は黄金に憧れる

今も昔も、人の心や追い求めるもの、憧れるものは変わりません。このように、常に過去の歴史から学べることは多いのではないでしょうか。

日本史・世界史ともに、教科書や書籍に残っている記述は人物名や出来事が中心ですが、その人物の心を突き動かし大きな出来事を起こすのは、いつだって未知なるモノへの好奇心やお金や名誉への欲望です。

当たり前のことですが、表だって語られている歴史の裏には、人々の「お金=経済」面の動機が潜んでいることがほとんどです。

歴史の陰に黄金あり。やはり、黄金はいつの時代も魅力的であり続けています。

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