夫が急死…家族が受取る遺族年金はいくら?計算方法と事例

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「もし、一家の大黒柱の夫が突然死んでしまったら……。」

現在、20歳以上の男性は年間60万人以上亡くなっています。そのため、「夫が死ぬことなんてないし、私には関係ない」とは言えませんよね。

考えたくはないことですが、万が一のことが起こった時、残された家族は悲しみに暮れながらも生活をするためにお金が必要です。

そんな残された家族の生活を守る制度として「遺族年金」がありますが、一体いくら位受給できるものなのでしょうか。

今回は、遺族年金をいくら受け取ることができるのか、計算方法と事例についてお話します。

遺族基礎年金と遺族厚生年金

遺族年金は加入している年金制度によって、「遺族基礎年金(国民年金)」と「遺族厚生年金(厚生年金)」に分かれており、遺族年金として受け取れる金額も違います。

簡単に言うと、国保に加入しているか、社保に加入しているかで年金制度も異なるのですが、一般的には「自営業の家族が受け取るのは遺族基礎年金」で、「会社員の家族が受け取るのは遺族基礎年金と貴族厚生年金」という2階建ての制度だということを理解しましょう。

また、それぞれ子供の有無や家族構成によっても、もらえる遺族年金の金額は違います。

遺族基礎年金と遺族厚生年金の違いは以下を参考にしてください。
参考|遺族基礎年金との違いは?遺族厚生年金に加入するメリットとは

では、遺族基礎年金と遺族厚生年金で受給できる年金額をシミュレーションしてみましょう。

遺族基礎年金の計算方法

もし遺族基礎年金(国民年金)に加入している自営業者が死亡した場合、対象者に以下の貴族基礎年金が支払われます。

配偶者 年間779300円+子の加算
第一子 年間224300円
第二子 年間224300円
第三子以降 年間74800円

自営業者の遺族基礎年金受給事例

例えば、東京都在住で小売業を営む40歳男性Aさんが死亡した場合、家族がもらえる遺族基礎年金はいくらになるでしょうか。Aさんの家族は専業主婦の妻35歳と、小学6年生と小学2年生の2人の子供がいます。

遺族基礎年金は、18歳未満の子供を持つ配偶者とその子供に支給されます。ただし、遺族基礎年金は「子供を持つ配偶者」と「その子供」に支給されるもので、「子供のいない配偶者」には支給されません。

配偶者=年間779300円
第一子=年間224300円
第二子=年間224300円
779300円+224300円+224300円=122万7900円

子供の加算は18歳に到達すると支給が終わるため、Aさん家族は上の子が18歳になる6年間は122万7900円、その後下の子が18歳になるまでの4年間は100万3600円受け取ることになります。

そして、下の子が18歳に到達した年度末で、遺族基礎年金の支給は終了となります。その後配偶者が老齢基礎年金を受け取るまでの間は、各種基礎年金の支給はありません。

「遺族基礎年金」は、あくまでも「子供」が18歳になるまで受給できる年金だと理解しましょう。ただし、障害等級1級または2級に該当する障害を持つ子供は20歳未満まで、20歳以降は障害基礎年金が受給できます。

また、配偶者に子供がいない場合は、寡婦年金か死亡一時金を選択することになります。寡婦年金と死亡一時金は、それぞれ条件が違うため、また別途まとめてお伝えします。

詳しい要件に関しては、下記を参照ください。
参考|遺族基礎年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)|日本年金機構

遺族厚生年金の計算方法

もし遺族厚生年金(厚生年金)に加入している会社員が死亡した場合、対象者に前述した貴族基礎年金に加えて、以下の計算式で算出した遺族厚生年金が支払われます。

{平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの被保険者期間の月額+平均標準報酬月額×5.481/1000×平成15年4月以後の被保険者期間の月額}×3/4

平均標準報酬月額とは、厚生年金や健康保険などの基準となる報酬金額のことで、原則として4月、5月、6月にもらう総支給額の月収平均から算出されます。

詳しくはこちらは下記のねんきんネットから調べることができます。
参考|ねんきんネット

会社員の遺族厚生年金受給事例

前述したAさんが勤続18年の会社員だった場合、家族がもらえる遺族厚生年金はいくらになるでしょうか。
遺族厚生年金でもらえる金額は生前の「平均標準報酬月額」と被保険者期間(保険料を支払った月数)によって決まります。

Aさんが18年間で支払った保険料の平均標準報酬月額が45万円だとすると、先程の計算式に当てはめて、遺族厚生年金は58万8242円となります。そのため、第一子が18歳になるまでの6年間は遺族基礎年金と遺族厚生年金を合わせて181万6142円、その後第二子が18歳に達するまで159万1842円が支給されます。

遺族厚生年金は、子供が18歳に達した後も、配偶者が64歳になるまでの間「中高齢寡婦加算(ちゅうこうれいかふかさん)」の58万4500円が加算されるため、年間117万3342円が支給されます。

中高齢寡婦加算は遺族厚生年金だけの制度です。詳しい要件に関しては、下記を参照ください。
参考|遺族厚生年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)|日本年金機構

遺族基礎年金がもらえない落とし穴

ただし、注意しておきたいのは、遺族基礎年金がもらえない場合があることです。
障害年金や遺族年金は、 年金保険料を払うべき期間の3分の1以上が未納、かつ直近1年間に未納の月が1か月以上ある場合は受給できません。

特に女性の場合、働き方や扶養の有無などが変わることが多く、社会保険→国民健康保険→社会保険などの変わり目に保険料を払い忘れてしまう期間が出やすく、遺族基礎年金を受給できない可能性があります。

しかしそんな場合でも、平成30年3月31日までなら過去10年分の年金保険料を納付できる救済措置が行われています。

詳細は下記でご紹介しています。
参考|マネーゴーランド – 家族の急死で遺族年金が受給できない…会社員の妻の落とし穴と救済措置

家族に万が一のことがあった場合の保障として、収入保障などの保険を最初に思い浮かべる人は多いと思いますが、まずは年金など国からもらえるお金、そして会社からの死亡退職金、弔意金などの制度を確認してください。

人間はいつ死んでしまうかわかりません。残された大切な家族が幸せに生活できるために、いざという時の準備をすることも社会人の大切な役割だと思います。

※本文で紹介した年金額はすべて1年あたりの金額です。

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