独身で定年貧乏が怖い…おひとりさま老後資金計画の4ステップ

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「おひとりさま」という言葉がありますが、その意味は「男女問わず自分のキャリアを確立しながら、充実したプライベートを楽しんだり、住居や老後の準備を行なうなど自立したライフプランを送る姿勢の人」を言うようです。

つまり、「おひとりさま」になるには、自立したマネープランが必要不可欠だということです。

現在独身の男女が、ふと老後を考えると心配になることはわかります。また、現在結婚をしていても、パートナーが突然死んでしまうことも頭に入れて置かなければいけません。

実際に筆者も、老後の独身生活・独り身生活を心配する男性・女性の「おひとりさま」から、老後に向けての資金計画について相談を受けることがよくあります。

そこで今回は、老後の独身生活に備えて、おひとりさまの老後資金を準備するために何をすべきか基本的な手順をみていきましょう。

1.おひとりさまの老後の生活費を知る

65歳以上の生活費は?

総務省統計局の2016年家計調査によると、65歳以降の単身世帯消費支出はシングル男性が13万7523円、シングル女性が15万1567円必要だということがわかっています。

参考|統計局ホームページ/家計調査(家計収支編) 調査結果

仮に平均で15万円の生活費が必要だと仮定して、65歳から85歳までの20年間の生活費を試算すると、総額3600万円必要ということになります。

15万円×12か月×20年=3600万円

この金額には旅行・趣味・交際費が含まれていますが、あくまで全体の平均です。食事や趣味などにお金の余裕を持ちたい人は、その分上乗せして試算しなければいけません。

65歳以上の住居費用が低い理由は?

また、65歳以上の住居費用が12695円と低いのは、持ち家率が高いためです。現在、65歳以上の高齢者がいる世帯では95%以上が持ち家のため、今後はより住居費用が必要になる可能性があります。

介護施設を利用する場合は?

さらに、いくら1人で生活をしたいと言っても、高齢になると身体が不自由になるため、介護施設などのお世話が必要になりことがあります。

特養や有料老人ホームなど各種老人ホームに入居すると、現在の住居費用がいらない代わりに入居費用が必要になりますし、食費などその他の生活費用も上がるため、生活費は20-30万円/月ほどになるでしょう。つまり、平均で25万円/月ほどを考えておくと無難です。

25万円×12か月×20年=6000万円

おひとりさまは、お互いを支え合うパートナーがいません。そのため、施設などでお世話になる代わりにお金が必要です。

2.老後に向けての貯蓄目標を決める

老後資金は、まずは国からもらう年金を頼りにしたいところですが、年金受給額は、働き方など状況によって人それぞれです。

たとえば、大学を卒業して65歳まで一般企業に勤めた人の場合、これまでの平均年収が500万円であれば年金受給額の目安は月額15万円ほどです。

年収500万円・加入期間が40年の場合
老齢基礎年金額=780,100円×40年×12か月÷480=780,100円
老齢厚生年金額=410,000円×(5.481/1000)×40年×12か月=1,078,661円

厚生年金加入期間40年で受け取れる年金額は、年間1,858,761円となり、月々154,897円になります。

自分がいくらもらえるかは、「日本年金機構ねんきんネット」などでシミュレーションすると良いでしょう。

上記の場合、介護施設に入居しても生活費の半分以上は老齢基礎年金と老齢厚生年で賄えます。ちなみに、平均年収が400万円の場合、年金受給額は13.8万円/月ほどです。

15万円×12か月×20年=3600万円
6000万円-3600万円=2400万円

上記の例で、年金を65歳から85歳までの20年間受け取ると3600万円のため、自分で準備するための目標金額は2400万円になります。

もちろん、長生きをするとそれだけお金も必要になります。2016年厚生労働省の調査では、女性の平均寿命は87.14歳、男性の平均寿命は80.98歳です。

3.老後資金の貯蓄方法を考える

では、おひとりさまは、どうやって65歳までに2400万円を貯めれば良いのでしょうか。

貯蓄方法1.退職金

退職金は、勤続年数や会社によって変わりますし、制度によっても変わるため、厚生労働省が発表している一般的な退職金額を参考にします。

厚生労働省が平成25年1月1日現在の状況を調査した「平成25年就労条件総合調査結果の概況」によると、平成24年1年間における勤続35年以上の定年退職者の学歴・職種別退職金は次の通り。給与の42カ月程度が支給されています。

大学卒(管理・事務・技術職):2156万円(2335万円)
高校卒(管理・事務・技術職):1965万円(2001万円)
高校卒(現業職):1484万円(1693万円)

※( )内は平成20年の金額

1つの会社に長く勤めることで、大卒であれば2000万円以上の退職金を期待できます。つまり、住宅ローンなどを退職までに支払い終えて少しの貯蓄があれば、割と余裕を持った老後を過ごすことが可能だということです。

ただし、これは大手企業の場合です。東京都産業労働局労働相談情報センターによると、中小企業の場合は退職金制度がある会社が69.8%しかないうえに、退職金も大手の半分ほどに減ってしまいます。

●事業規模別の定年退職のモデル退職金の額
<従業員数 10~49人>
大学卒:1058.3万円(1281.7万円)  
高専・短大卒:991.7万円(1206.3万円) 
高校卒:1011.1万円(1176.8万円)  

<従業員数 50~99人>
大学卒:1171.0万円(1497.0万円)
高専・短大卒:1028.5万円(1233.9万円)  
高校卒:1119.5万円(1338.2万円)

<従業員数 100~299人 >
大学卒:1278.8万円(1718.6万円) 
高専・短大卒:1152.6万円(1484.3万円)  
高校卒:1235.6万円(1365.0万円)

※( )内は平成26年の額

貯蓄方法2.毎月の貯金

もし65歳までに2400万円貯めるなら、まず月々の定期預金を考えるでしょう。その場合、月々に必要な積立は以下の金額になります。

25歳からの貯金|月々5万円で40年
30歳からの貯金|月々5.7万円で35年
35歳からの貯金|月々6.6万円で30年
40歳からの貯金|月々8万円で25年
45歳からの貯金|月々10万円で20年
50歳からの貯金|月々13万円で15年

これは利息が付かなかった場合の試算ですが、今は低金利なので定期預金でも、ほとんど変わらない預金額になるでしょう。そう考えると、定期預金だけで2400万円を賄うことは難しいですね。

貯蓄方法3.自宅の売却

老後を老人ホームなどで過ごす場合は、自宅を売却してお金を作る方法もあります。

ただし、住宅ローンを完済した一戸建てやマンションは築30年以上になるため、建物自体の価値はほぼない(良くても数百万円)ものと考えてください。そのため、売却価値が担保できるのは一戸建てが建つ土地です。

自宅売却で注意すべき点は、以下を参考にしてください。

参考|資産価値・売却価格が下がりにくい物件の選び方!5つの特徴
参考|自宅売却する方法は?注意すべき住宅ローンと売買費用の考え方

貯蓄方法4.資産運用

実際は、老後資金以外の貯蓄も必要なので、少しリスクを取って高い利回りが期待できる資産運用を取り入れた方が良いでしょう。

例えばプラスアルファとして、30年資産運用をして1500万円を貯めるためには、月の積立額を以下の利回りで運用しなければいけません。

利回り0%|月々41,666円の積立
利回り1%|月々35,937円の積立
利回り2%|月々30,812円の積立
利回り3%|月々26,275円の積立
利回り4%|月々22,287円の積立
利回り5%|月々18,812円の積立

この利回りを頭に入れて、自分の考えにあった金融商品を選ぶ必要があります。

その場合、初心者でも始めやすい「投資信託」を選んでも良いでしょう。利益や分配金などが非課税になる「NISA(ニーサ)」を選んでも良いでしょう。現時点のNISAなら、利回りは3%程が目安になります。

また、今なら4-5%の利回りができる確定拠出年金も資産運用の選択肢になります。確定拠出年金は、60歳までの払出し制限がありますが、NISAよりさらに税メリットが期待できます。

他には、今後マイナス金利の影響が軽減していくと考えられる、個人年金保険なども選択肢に入る可能性があります。

もちろん、リスクを考慮して大きな利回りが期待できる方法としては、個人の株式売買、FX、不動産売買などもありますが、これらは長期間の勉強とセンスが不可欠です。

老後資金計画は複数の方法を併用する

さて、ご紹介したように独身老後の資金計画は、同じおひとりさまでも人によって必要な金額が異なります。

大切なことは、自分が老後にいくら必要なのかを見極め、目標の金額を貯めるために定期貯金、退職金の活用、資産運用など、様々な選択肢を併用して貯蓄を作っておくことです。

もちろん、今はおひとりさまでも、先々は結婚を選択するかもしれません。また、子どもが生まれて、思い描いていた生活とは全く違う人生になるかもしれません。

ただ、いずれにしても老後は必ず訪れます。貧乏な老後生活をしたい人はいないはずなので、充実した生活が送れるように早めの勉強、早めの準備をスタートしましょう。

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