年金受給資格期間短縮へ!「10年で何万円もらえる?」FPが徹底解説

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年金が受給できるための受給資格期間が、現在の25年(300ヶ月)から10年(120ヶ月)に短縮される法案が9月26日、閣議決定されました。
臨時国会でこの法案が成立すれば、2017年9月分からの支給となり、10月受取分から年金が支給されることになります。

この改正によって、新しく年金を受け取ることができる人は、基礎(国民)年金で約40万人、厚生年金も含めると約64万人と見込まれています。

今回の改正の概要

年金の受給資格期間とは

  • 保険料納付済期間
  • 保険料免除期間
  • 合算対象期間

を合計した期間をいいます。
これまで、基本的に受給資格期間が25年以上ないと、老齢年金は受給できませんでした。
24年と11ヶ月(299ヶ月)以下では、受給年齢に達していても1円ももらえていなかったということです。

年金を25年(300ヶ月)から10年(120ヶ月)受給するためには

この法案が成立することによって、これまで老齢年金を受け取るために、保険料納付済期間(国民年金の保険料納付済期間や厚生年金保険、共済組合等の加入期間を含む)と国民年金の保険料免除期間などを合算した資格期間が原則として25年以上必要だったのが、
平成29年8月1日からは、資格期間が10年以上あれば老齢年金を受け取ることができるようになります。
春ごろから該当者に順次、年金請求書(対象者が請求をする用紙)が黄色い封筒で送られてきますので、手元に届いたら

まずは「ねんきんダイヤル」に電話

0570-05−1165ナビダイヤル
050で始まる電話番号でかける場合
03−6700-1165一般電話

曜日 受付時間
月曜日 午前8:30〜午後7:00
火〜金曜日 午前8:30〜午後5:15
第2土曜日 午前9:30〜午後4:00

※月曜日が祝日の場合は、翌日以降の開所日初日に午後7:00まで相談可
※祝日(第2土曜日を除く)、12月29日〜1月3日は利用不可
※連絡の際は、基礎年金番号のわかる年金手帳、年金証書を要準備

でご予約のうえ提出し受理されることによって年金支給の開始となるようです。

年金に関して相談するメリット

  • 自分の都合に合わせてスムーズに相談できる
  • 相談内容にあったスタッフが事前準備してくれて、丁寧に対応してもらえる

というメリットがあります。
もちろん混雑状況次第で、時間通りに案内できないこともあるようですが、安心です。

予約相談の開始時間帯

曜日 時間帯
月曜〜金曜 午前8:30〜午後4:00
土曜開所日 午前9:30〜午後3:00
延長開所日 午前8:30〜午後6:00

※土曜開所日及び延長開所日について、一部の街角の年金相談センター(オフィス含)では予約相談を行なっていません。予約相談可能な街角の年金相談センター(オフィス含)か全国の相談・手続き窓口でご確認ください。
※予約相談の受付は上記「ねんきんダイヤル」で行なっています。

年金相談の受付期間や準備など

  • 予約相談希望日1ヶ月前から前日まで受付
  • 連絡の際は、基礎年金番号のわかる年金手帳、年金証書を準備してください。

※予約状況によって希望に添えない場合があるので、余裕をもって早めに予約した方が良いでしょう。

年金請求書の送付について

資格期間が10年以上25年未満であって、下記の表に該当する方が対象になります。
基礎年金番号、氏名、生年月日、性別、住所及び年金加入記録があらかじめ印字された年金請求書と、年金の請求手続きのご案内が日本年金機構から送付されてきます。
請求手続きは平成29年8月1日以前でも可能です。
「年金請求書(短縮用)」が届きましたら、年金事務所等で手続きしましょう。
※すべての加入期間が国民年金第1号被保険者期間の方は、市区町村で手続きをしてください。

生年月日 送付時期
大正15年4月2日~昭和17年4月1日 平成29年2月下旬~3月下旬
昭和17年4月2日~昭和23年4月1日 平成29年3月下旬~4月下旬
昭和23年4月2日~昭和26年7月1日 平成29年4月下旬~5月下旬
昭和26年7月2日~昭和30年10月1日【女性】
昭和26年7月2日~昭和30年8月1日【男性】
平成29年5月下旬~6月下旬
昭和30年10月2日~昭和32年8月1日【女性】
大正15年4月1日以前生まれの方
共済組合等の期間を有する方
平成29年6月下旬~7月上旬

資格期間が国民年金のみの方並びに厚生年金保険・共済組合等の期間が12月に満たない方で生年月日が昭和27年8月2日以降の方は、年金請求書(短縮用)は送付されず、年金請求書(事前送付用)が送付されます。

年金の受け取りに関して

年金の決定後は、平成29年8月以降に「年金証書・年金決定通知書」が送付されてきます。
受け取ることができるのは、平成29年10月以降になります。

海外居住中で、年金制度に加入していた方

以下の条件に該当している方も、年金を受け取るために必要な資格期間が25年から10年に短縮されます。

  • 日本の年金保険料を納付した期間や共済組合に加入していた期間のほか、日本国籍の方が海外に居住していた期間も対象。
  • 上記のような期間を合計して10年に満たない場合でも、日本が「社会保障協定」を締結している国の年金加入期間を持っている方は、通算措置により日本の年金を受給する権利を得られる可能性があります。

海外からも、年金の請求や年金記録の確認が可能です。
海外から年金を請求するときは、日本年金機構ホームページからダウンロードした年金請求書に記入し、必要書類を添えて、日本での最終住所地を管轄する年金事務所へ提出する必要があります。

10年の資格期間がなくても、年金を受け取れる可能性が??

下記の制度により、10年の資格期間に該当しなくても、年金を受け取ることができるかもしれません。

年金受給に関する任意加入制度

本人の申出で「60歳以上70歳未満」の期間に国民年金保険料を納めることで、年金を受給するために必要な資格期間を満たすことがあります。
加入は申出のあった日からになりますので、注意してください。
【ご利用可能な方】

年齢 条件
60歳以上65歳未満の方
  • 老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていない方
  • 現在、厚生年金保険に加入していない方
65歳以上70歳未満の方
  • 老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない方
  • 現在、厚生年金保険に加入していない方

国民年金を後から収める後納制度

過去5年以内に国民年金保険料の納め忘れがある方は、申し込みによって平成27年10月から平成30年9月までの3年間に限り、国民年金保険料を納めることが可能です。
【ご利用いただける方】

  • 5年以内に保険料を納め忘れた期間がある方(任意加入中の保険料も該当します)
  • 5年以内に未加入の期間がある方(任意加入の対象となる期間は該当しません)

※60歳以上で老齢基礎年金を受け取っている方は申し込みできません。

特定期間該当届・特例追納制度のご案内

会社員の夫が退職したときや、妻の年収が増えて夫の健康保険の被扶養者から外れたときなどには、国民年金の第3号被保険者から第1号被保険者への切替が必要でした。
過去に2年以上切替が遅れたことがある方は、切替が遅れた期間の年金記録が保険料未納期間になっています。
「特定期間該当届」の手続きをすることで、年金を受け取れない事態を防止できる場合があるほか、最大で10年分の保険料を納めることができます。
納付できる期間は平成30年3月までとなっているので、早めに手続きをしましょう。

年金記録の再確認

持ち主のわからない年金記録(いわゆる「未統合記録」)に関して、いまだ約2000万件の持ち主を確認できていない記録が残っているとのことです。
この中に、自分の記録があった場合は、資格期間になる可能性があります。
特に、旧姓やよく読み間違えられる名前の読み、本来とは異なる生年月日・名前で届出された可能性がある場合、年金事務所の職員に相談して、年金記録をもう一度確認してもらいましょう。
年金記録は「ねんきんネット」で、PC、スマートフォンからも確認することも可能です。

平成29年8月1日以降に年金の支給開始年齢に到達する人の場合は?

支給開始年齢に到達する3ヵ月前に、
基礎年金番号、氏名、生年月日、性別、住所及び年金加入記録をあらかじめ印字した「年金請求書(事前送付用)」及び年金の請求手続きの案内が日本年金機構から送付されてきます。
「年金請求書(事前送付用)」が届くまで待ちましょう。
年金請求書の受付は、支給開始年齢になってからとなります。
平成29年8月1日以降に支給開始年齢に到達したら、年金請求書を提出しましょう。

年金受給額の計算方法

年金額の計算式は以下の通りです。

老齢年金額=老齢基礎年金額※1+ 老齢厚生年金額※2

※1:老齢基礎年金額
 =780,100円(平成28年度) ×20歳~60歳までの保険料納付済月数/480
※2:老齢厚生年金額
 =厚生年金加入期間中の平均標準報酬額× (5.481/1000) ×厚生年金加入月数

厚生年金の加入期間が25年と10年における受給額は?

では、年収500万円の会社員を例に、年金の加入期間によって受け取れる年金額がどのくらい変わってくるか確認していきましょう。
20歳以降の厚生年金加入期間による、65歳からの概算年金額は、次の通りとなります。

加入期間 老齢基礎年金 ひと月の受給額
10年 195,000円 + 老齢厚生年金:270,000円 = 465,000円/年 38,750円
25年 488,000円 + 老齢厚生年金:674,000円 = 1,162,000円/年 96,833円
40年 780,000円 + 老齢厚生年金:1,079,000円 = 1,859,000円/年 154,916円

(基礎年金満額は年度毎に改正あり。本来の年金額は1円単位まで支給され、要件に該当すれば加給年金などが付きます。)

「10年間の年金額なんて…」と侮れない

老齢基礎年金のみで見てみれば、10年に短縮され年金がもらえるようになったところで、年195,000円で、ひと月にすれば1万6000円じゃないかという声も聞きます。

しかし、老後になって生活苦に陥る「老後破産」なんて言葉も生まれているように、定年退職後に優雅な暮らしを送れている人は限られているのかもしれません。
65歳以上になって毎月1万6000円の収入を増やそうとするのは、かなり困難なことだというのは容易に想像できます。
そして、生きている限り何歳でももらえるお金があるということは、どれほど安心できることでしょう。

「自分の老後は自分で守る」ための第一歩の公的年金。
何より国民年金に加入し、保険料を払うのは紛れもない「義務」なのです。
10年年金の実施が、年金の重要性を多くの人が再認識できる機会になればと願っています。

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