五輪終了後は…新興国BRICsは今後どうなる?【上村和弘のFX基本講座】

5

読了目安[ 6 分 ]

この連載を読んでいけば、FXの経験が無い方もFXビギナーの方も一定のFXトレーダーになれる! 知っておくと便利な事やFX知識として重要な事、そしてお得な情報までを解説するシリーズ【上村和弘のFX基本講座】。

前回「五輪開催中!ブラジル通貨レアルは今買い?」では、リオ五輪の当事者ブラジルを中心にご紹介しました。今回は、新興国全体のことをお話しします。

新興国で有名な言葉がBRICs(ブリックス)。これは、B(ブラジル)、R(ロシア)、I(インド)、C(中国)の4つの国のことで、2001年に米国の投資銀行であるゴールドマン・サックスが、21世紀に経済成長する可能性が高い国として名づけてから広まりました。

■BRICsの特徴
1、人口が多く、労働力豊富かつ消費市場としても有望。
2、国土が広く天然資源が豊富にある。
3、労働コストが低く、工業製品を低コストで生産できる。

実際、21世紀に入り、この4か国は大きな成長を遂げました。何しろお隣の中国は、日本を抜いてGDP世界第二位の座を獲得、さらに米国の地位すら脅かしています。

下記グラフは、BRICs&日本の人口推移グラフ。インドの人口は、2020年前後に中国に並びます。労働人口が増える国は経済成長しやすく、インド・ブラジルは、これから期待されている国です。

新興国BRICsは今後どうなる?【上村和弘のFX基本講座】、マネーゴーランド
出典:厚生労働省統計局

グローバル化で先進国と新興国の間をお金が移動

近年、インターネットと金融市場の発達で、グローバル化(*)が進みました。そのため、製品やサービスの一部を先進国で作る必要がなくなり、製造コストの安い新興国や発展途上国で生産することが有利になり工場が先進国から移転。代表的なケースは、『ユニクロ』の服や『アップル』のスマートフォン。

さらに、2008年以降に起きた金融危機を救うために、先進国の中央銀行は、お金を市場に大量に供給する量的緩和を行い、金利を引き下げます。すると、そのお金は、有利な運用先を求めて、高い金利を提供する新興国へと移動して経済を成長させました。

お金の流れが逆回転

ところが、2013年半ばごろから、米国の量的緩和縮小に向けての動きがはじまり、今までとお金の流れが逆回転になり、新興国から逃げ出し始めます。これまで、世界経済の成長を引っ張っていた中国の成長率が弱くなりはじめ、世界経済&金融市場の両方に、暗雲が立ち込めることになりました。

■シェール革命で原油が値下がり
そして、米国でシェール革命が起きます。これまでは、採掘不可能だったシェール層にある原油・天然ガスを採掘できるようになり、供給が増えた原油は値下がり。ロシア・ブラジルといった原油を輸出していた国は、貿易で稼げなくなり経済が悪化します。

今後の新興国はどうなる?

今や、世界経済は、危ういバランスを保っており、2016年から2017年にかけては、大きな調整期間になる可能性があります。

BRICs自体の将来的な成長性は引き続き高いと思われます。特に成長余地が大きいインドとブラジルは有望でしょう。しかし、短期的には注意が必要。原油をはじめとした資源価格への依存が大きいブラジル・ロシアは、原油価格が上がらない限り、苦しい状態が続くのではないでしょうか。

ブラジルの場合、五輪開催でお祭りモードを終えた後に、巨額の財政赤字を解消&政権の汚職や腐敗を解決するというミッションが待ち構えています。

中国は、すでに、大国の一角を占めるも、共産党の独占問題・貧富の格差や利権・人民元の解放など乗り越えなければいけないハードルがたくさんあります。特に潜在的な不良債権残高は約200兆円とも言われており、世界及び中国経済が成長していけば、処理できても、低成長やバブル崩壊に見舞われると、不良債権処理に追われる時期が近いうちにやってきそうです

これらを考えると、BRICsの中で、短期的に有望なのはインドの可能性が高いと思います。長期的には、ブラジルやインドといった人口が多い上に若い人の多い国の成長に期待しています。少し注目して見ておきましょう。

次回も【上村和弘のFX基本講座】、宜しくお願い致します。

<*ワンポイントレッスン>
本日のワード:グローバル化
国境を超えて、人・物・お金が移動しやすくなること。インターネットと輸送の発達で、現在の世界は、国境による制限が弱くなり、移動の自由度が増しています。尤も、メリットだけでなくデメリットも存在します。

【上村和弘のFX基本講座】
全バックナンバーはこちらから

●第9回 FXのスワップポイントで一石二鳥を狙う:長期投資に効果大
●第31回 米雇用統計公表!FXは金利に注目
●第35回 英国EU離脱でビジネスチャンス到来か⁉︎
●第38回 米国と世界の板挟み…イエレン議長の舵取りは?
●第41回 話題のヘリコプターマネーとその影響は?
●第42回 日銀の量的・質的緩和にカラータイマー点灯中!
●第43回 五輪開催中!ブラジル通貨レアルは今買い?

同じカテゴリの記事 この著者の記事を表示

コメントを残す

  • コメント欄には個人情報を入力しないようにしてください。

  • 入力いただいたメールアドレスは公開されませんがサーバーに保存されます。
  • 入力いただいた情報の他に、IPアドレスを取得させていただきます。取得した IPアドレス はスパム・荒らしコメント対処ために利用され、公開することはありません。