6分でわかる過払い金返還請求と手続き方法!グレーゾーン金利と時効とは

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もう大分落ち着きましたが、少し前までは「払い過ぎた利息が戻ってきます!」「過払い金には期限があるのでお急ぎ下さい!」など、弁護士事務所のCMをテレビで見ない日はありませんでした。

これは、消費者金融(貸金業者)やクレジットカード会社などの金融会社からお金を借りた経験がある人を対象にした「過払い金返還請求」を勧める内容のCMです。

過払い金返還請求とは、借金を貸金業者に返済する際の金利を払いすぎてしまっているため、その金利分を取り戻すための請求のことです。

この問題に詳しくない人は、そもそも「利息を払い過ぎる」とはどういう状態なのかがわからないでしょう。

一般的に、私たちがお金を借りる理由で思い浮かぶのは、自動車ローンや住宅ローンです。近年はマイナス金利の影響で、住宅ローンも変動金利は1%を切っていますし、30年以上の長期固定金利も1%前後と歴史的な低金利です。

しかし、「カードローンやキャッシングの金利は、現在でも10%以上とかなり高い金利です。ところが、以前はお金を借りるために20%以上の金利が必要な場合があり、グレーゾーン金利と呼ばれていました。

今回は、グレーゾーン金利、過払い金返還請求とは何か、今でも払い過ぎた利息を取り戻せるのかについてお話します。

グレーゾーン金利とは

グレーゾーン金利とは、貸付け額に応じて15-20%までと「利息制限法」が定める金利、「出資法」で罰則を定めている29.2%までと定める金利の間の「20%超29.2%未満」の金利を言います。

平成22年6月17日の法改正前まではこのような金利の二重基準があったため、グレーゾーン金利の範囲内であれば借主本人の任意でお金を貸すことが可能な「みなし弁済規定」がありました。

つまり、グレーゾーン金利とは、お金を貸す際に罰則のない利息制限法は超えていても、罰則のある出資法には違反していないという貸金業者に都合が良いあいまいな金利だったわけです。

ところが、このような高金利の貸金業者から仕方がなくお金を借りた債務者が返済できなくなり、返済するために別の貸金業者でお金を借りて、債務が膨らんでいく多重債務が社会問題化しました。

そこで金融庁は、出資法改正により上限金利を20.0%に引き下げてグレーゾーン金利を撤廃し、貸金業法改正により利息制限法の上限金利を超える金利に対して行政処分の対象としました。

ちなみに、貸金業法改正では貸付額が10万円以上100万円未満の場合は年率18%以上で行政処分、貸付額が100万円以上の場合は年率15%以上で行政処分で行政処分、また、貸付額に関わらず年率20%を超えたら罰則となっています。

過払い金返還請求とは

さて、利息制限法の改正は、今後のお金の貸付に対して単純に15-20%までの厳格な金利制限を設けただけではありません。

最高裁の判決によって、これまでの「みなし弁済規定」まで否定されたため、以前に「利息制限法」を超える利息で貸し付けていたお金にも適用される事になりました。

つまり、グレーゾーン金利でお金を借りていた人は、利息を払いすぎている可能性があるため、払いすぎた利息を貸金業者に対して返還請求できるということです。この返還請求のことを「過払い金返還請求」と言います。

過払い金返還請求は弁護士が中心となって、全国で行われました。特に2007年から2017年ごろの10年間は、司法書士や弁護士の間で「過払い金バブル」と言われ、過払い金の総額は20兆円以上だと言います。

ただし、過払い金は請求をした全額が返還されるわけではなく、根拠となる記録が貸金業者や債務者に残っている場合に行われるため、いくらが債務者に返還されるかはわかりません。

ちなみに、司法書士や弁護士の報酬は過払い金返還請求によって返還された金額の2-3割程だそうです(手付金+成功報酬など)。つまり、全ての過払い金を回収すれば、4兆円以上の市場になるということです。

「過払い金バブル」と呼ばれることも、これだけ連日CMを見かける理由もわかる気がします。

過払い金返還請求には時効がある

もちろん、今でも過払い金返還請求をすれば、過払い金を取り戻せる人は大勢います。そのため、貸金業者からお金を借りていた人は、今からでも弁護士に相談をして、過払い金返還請求を起こした方が良いでしょう。

ただし、過払い金には、返還請求ができなくなる時効があります。

過払い金の返還請求期限は、完済から10年が経過するまでです(正しくは最終取引日から10年間)。そして、10年間の時効が過ぎてしまえば、たとえ過払い金が何千万円あっても1円も取り戻すことはできません。

過払い金の返還請求期限が10年だということを知っている人は、グレーゾーン金利が生きていた2007年から10年経つ2017年までが過払い金の時効だと思うかもしれませんが少し違います。

過払い金返還請求の時効は完済から10年のため、もし仮に2007年にグレーゾーン金利でお金を借りた人が5年かけて2012年に完済した場合は、たとえ2008年に金利が引き下げられたとしても、過払い金請求の時効は2022年になります。

もちろん、時間が経つほど過払い金の時効はどんどん成立していくため、心当たりがある人はすぐに過払い金返還請求をする必要があります。

では、実際に過払い金を請求するにはどうすればいいのでしょうか。

過払い金返還請求の手続き

実際の過払い返還金請求は、下記のような手順で行われるのが一般的です。

1.弁護士などに貸金業者に対して取引履歴を開示してもらう
2.グレーゾーン金利から正規の利息の引き直し計算をする
3.過払い金があれば、貸金業者に返還請求を行う

インターネット上の情報や雑誌・書籍では、弁護士や司法書士など専門家に依頼せず、自分で過払い返還金請求を行ない、お金を取り戻した体験談も紹介されていますが、本当に自分でも出来るものでしょうか?

利息の引き直し計算は、インターネットや書籍でも無料ソフトが公開されていますので自分で行うことも可能です。

時間と手間をかけて、自分で手続きを行えれば良いのですが、貸金業者との交渉内容によっては返還金額が変わったり、裁判になるケースもあるため、多くの場合は交渉力を持つ専門家に任せた方が良いでしょう。

過払い金の有無を判断するには?

恐らく10年以上も前の借金となると、覚えていない人が多いのではないでしょうか。そのため、過払い金請求の相談を躊躇する気持ちはわかります。

まずは、貸金業者に対して取引履歴の開示請求が必要になります。そして、取引履歴の開示請求によって、過払い請求が可能かどうかがきまるため、まずは、記憶が曖昧でも弁護士に依頼してみると良いでしょう。

弁護士や司法書士に頼むと高い?

弁護士や司法書士等の専門家に依頼した場合、一般的には着手金や成功報酬という形で、専門家に報酬を支払う必要があります。

過払い金によってこれらの報酬を支払っても手元にお金が戻ってくるケースであれば、専門家を利用する場合が多いようです。

初回相談や利息引き直し計算などは無料で行っている弁護士・司法書士もいるため、「完済した時から10年」という過払い金の返還請求の時効にも注意しながら、依頼するかどうか判断すると良いでしょう。

もし依頼料などが心配な人は、弁護士や司法書士などの専門家に相談する前に、地方自治体の窓口で相談すると良いでしょう。

参考|生活困窮者自立支援法とは?借金など生活に困ったときの無料相談窓口

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