仕事の創造力を鍛えるには?必要なものは才能よりも知識と工夫
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社会人として誰からも必要とされる人になるためには、どのような能力を身につければ良いでしょうか。
経済産業省が提唱している「社会人基礎力」は、「前に踏み出す力(アクション)」「考え抜く力(シンキング)」「チームで働く力(チームワーク)」の3つの能力と、それらの能力を構成する12の要素があります。
この「社会人基礎力」を身につけるために、能力を構成する12の要素をクイズ形式で診断してみましょう。
今回のテーマは、「考え抜く力」の構成要素である創造力です。まずは、あなたの計画力を事例クイズでチェックしてみましょう。
創造力の事例クイズ
新人のあなたは、課長から「早めに新商品についての企画を考えておくように。」と指示されました。
そんなとき、あなたはどうやって新商品のアイデアを見つけますか?
A.画期的なアイデアが思い浮かぶのを待つ
B.既存取り扱い商品を調査し、応用して何か生み出せないか考える
C.情報収集をしながら、多くの人に新しいアイデアを聞いてみる
創造力とは
創造力とは、新しいものを生み出す能力のことです。今までにない全く新しい商品やビジネスを生み出す力と考えられがちですが、既存の商品に新しい機能や新しい使い方を発見して、価値を生み出すことも創造力です。
そのため、ちょっとした工夫で課題を解決する方法を見つけたり、少しだけ効率を上げる仕事の仕方を見つけられる人は、想像力が豊かだと言えるでしょう。
新商品や新アイデア発想法として、オズボーンのチェックリストというものがあります。オズボーンのチェックリストは、何もないところからアイデアを生み出すのではなく、既存のものを少し変えることで新しい価値を生み出す発送法です。
- 転用|他に使いみちはないか
- 適合|他に同様のものがないか
- 変更|色や形などを変えられないか
- 拡大|大きくできないか
- 縮小|小さくできないか
- 代用|他で代用できないか
- 置換|入れ替えられないか
- 逆転|反対にできないか
- 結合|他のものと組み合わせられないか
仕事では、限られた時間や人、予算のなかで継続的に成果をあげることが求められます。そのために、課題に対していつも同じ方法で取り組むだけでは組織としての発展や個人として成長がありません。
成長するためにも新しい価値を生み出し続ける必要がありますが、難しく考えるのではなく、常に今ある課題を解決するためにちょっとした工夫を見つける必要があります。
創造力の診断結果
A:創造力0点
B:創造力90点
C:創造力50点
Aを選択する人は、創造力が才能やインスピレーションによるものだと思いこんでいる人です。創造力を高めるためには、知識と試行錯誤が必要であり、決して才能と想像力が直結しているわけではありません。
Bを選択する人は、創造力を高める努力をしていける人です。新人で知識がなければ、まずは既存商品を調べ、オズボーンのチェックリストなどを参考にしながら、新しい価値を作れないか考えましょう。試行錯誤の積み重ねが画期的なアイデアに繋がります。
Cを選択する人は、まず情報収集をする点は大切ですが、自分で模索する努力が必要な人です。他の人に聞くだけでなく自分自身で問題意識を持って主体的に考えないと創造力は高まりません。
創造力を鍛える5つのポイント
では、社会人に必要な創造力を鍛えるためにはどうすれば良いのでしょうか。基本は以下の行動を理解することです。
- 従来の常識や発想にとらわれず、自由に考える
- 現状に満足せず、常により良くするための工夫をする
- 何事も当事者意識を持ち、まず自分の頭で考えてみる
- 思いついたアイディアは周囲の人に説明して意見を聞く
- 行き詰まったら、何度も角度を変えて眺めてみる
創造力は才能ではありません。常に創意工夫する精神と新しい知識を吸収する意欲があれば、自然と身についていくものです。もしこれまで勘違いしていた人は、創造力は誰でも高められることを認識してください。
社会人基礎力講座
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- 耐える力は必要なし!仕事のストレスコントロール力とは
- 社会人に必要な課題発見力とは?課題を見つける情報収集と整理方法
このシリーズは、著書『わかる!できる!「社会人基礎力」講座 誰からも必要とされる人になるための12のスキル』(高橋忠寛著・ビジネス教育出版社)を一部改編しながらお伝えしていきます。