英国国民投票は市場の分水嶺~【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】

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6月第4週の見通し(2016/06/20)

為替アナリストの岡安盛男です。毎週月曜日にお届けしている『初心者でもわかる今週の為替市場』。今週も宜しくお願いします。

「英国国民投票は市場の分水嶺」

先週はドル円が強いサポート(下値を支える)レベルとみられていた105円を割り込み103円55銭まで下落しました。円高になった原因はやはり英国のEU離脱を問う国民投票を控え市場に不安感が広がっていたことです。不安定な市場の中で先週は日米金融政策会合が開かれました。

米国FOMC会合では予想通り利上げを見送りましたが、先行きの米経済に対し慎重な見方が示されました。また、イエレンFRB議長は英国国民投票や米労働市場への懸念を示しました。また、特定の利上げ時期に言及しなかったことから米国利上げペースが、これまでより緩やかになるとの見方が市場に広がりました。金利の引き上げ回数が少なくなるという事は、ドルの上昇幅も狭まるという事を表すものです。

一方、日銀は予想通り追加緩和を見送りましたが、この発表を機にドル円は一気に下落に転じました。これまでのドル円は日米金融政策の違いで上昇していましたが、その政策も節目に近づいたとの見方からドル円が売られたと考えられます。特に、英国のEU離脱という不安感が漂う中で安全通貨のドル円は買われやすい地合いにあったこともドル円の下落を促したと言えるでしょう。

今週は23日(木)にいよいよ英国の国民投票が実施されます。この国民投票は英国だけの問題ではなく、欧州や米国、そして日本にとっても大きな影響を与えます。英国がEUから離脱することになればEU内でも離脱をしようとする国が増えると考えられます。そうなればユーロの結束にひびが入り、ユーロ崩壊にもつながりかねません

そうなれば、世界の経済や金融市場にも影響を及ぼし米国の利上げ観測も後退。世界的なリスクの高まりから安全通貨の円が買われるという動きが予想されます。

そういった懸念からドル円は100円を割り込む可能性があります。一方、円高が一気に進むようなら日銀がドル買い円売り介入に入ると思われます。そうなればドル円は上下に大きく振れることになるでしょう。反対に、もしEU残留となればポンドやユーロが上昇し同時に安全通貨の円売りが進みドル円は一気110円方向に上昇するでしょう。

そういう観点からみると、今回の英国国民投票は市場の分水嶺になると考えられます。

先週は英国で残留キャンペーン中に労働党議員が射殺されるという痛ましい事件が起きました。英国内では同情票による残留支持者が増えるとの見方もあります。しかし、こればかりは蓋を開けてみないとわかりません。

皆さんの生活にも影響するこの国民投票を是非注目してください。【岡安盛男の初心者でもわかる今週の為替市場】、来週も宜しくお願い致します。

▼30秒でわかる!6月第4週の今週の為替市場の見通し

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