便利なリボ払いで大損!カードローンと手数料比較シミュレーション
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普段から買い物の支払いにクレジットカードを利用している人は多いでしょう。
クレジットカードは、現金の持ち合わせがなくてもサインひとつで買い物ができる、ポイントが貯まる、明細書があるので家計の管理がしやすいなどのメリットがあります。
ただ、管理して使わないと、買い物の翌月に請求書が届いてびっくりということもありますね。こんなときに少しでも支払いを少なくしたいと考えて「リボ払い」を選択する人がいます。
リボ払いは普通の支払い方法よりポイントがたくさん貯まりますし、毎月定額払いで支払いが楽!と思って利用している人が多いようですが、リボ払いを便利な支払い方法と考えると大損をする可能性があります。
そこで今回は、リボ払いの仕組みと手数料についてお話します。
この記事の目次
クレジットカードと支払い方法
クレジットカードは、カード会社と顧客の信用に基づき発行され、買い物をしたらカード会社が代わって支払いし、後日顧客に代金を請求するという仕組みで成り立っています。
信用が大事ですから、カード発行時には収入や勤務履歴、他社からの借入状況などをもとに審査があります。
支払い方法には、一括払い、分割払い、リボ払いがあります。一般的に、「翌月一括払い」や「ボーナス一括払い」には支払い手数料が一切かかりません。
一括払いやボーナス一括払いなど手数料がかからない支払い方法では、現金で支払う場合と同じ金額をカード会社に支払います。
クレジットカードを使うと支払いのタイミングを遅らせることができ、カード会社のポイントがたまるので上手に利用したいものです。
ただし、リボ払いによる支払い方法だけはかなり慎重に考えなければいけません。
リボ払いとは
たとえばJCBカードの場合、リボ払いでは実質年率15.0%の手数料がかかります。
現在の普通預金金利が0.001%、住宅ローン35年固定で0.78%(住信SBIネット銀行「フラット35S(金利Aプラン)【2016年4月現在】」)のため、いかに手数料か高いかがわかります。
リボ払いはいくら購入しても、5000円、1万円、2万円など毎月一定の金額のみ支払っていくので、利用し続けても元金がなかなか減らず、支払い終了時期の把握が難しいばかりでなく、完済までの手数料は膨大になります。
なぜなら、リボ払いは利用残高の全体に実質年率9.6%-18%の手数料がかかる仕組みだからです。もちろん、上限の18%設定が一般的です。
最初は「一括払い」にしたとしても、「後からリボ」にできるというような誘惑メールに囚われてしまうのも注意が必要です。
「率」だとわかりづらい人のために金額で説明しましょう。
例えば、20万円のバッグを月2万円のリボ払いで購入した場合、支払い元金は月2万円で翌月プラスされる手数料は2,054円です。全額支払うまでに10か月かかり、支払う手数料の合計は13,368円となります。
カード作成時に「ポイントが2倍貯まる!」などの文句に誘われてリボ払いを選択すると、月々の支払いは楽になる気がしますが、実質的な支払額は多くなり負担は増してしまいます。実質年率15.0%がいかに高いかを認識する必要があります。
リボ払い脱却方法
リボ払いを続けると返済期間は長期化し、支払いは手数料に割り当てられるため元金はなかなか減らず、気がつけばリボ払い残高が高額になります。現在リボ払いをしている人は、金利が非常に高いため1日でも早くリボ払いを完済することをおすすめします。
方法1.完済資金を調達する
まずは親戚にお金を借りて完済するのが対策の一つです。ただし、親戚間でもお金を借りる場合には借用書を交わすことは大切です。
方法2.完済資金を調達する
お金を借りづらい人は、リボ払いよりも若干利率が低いカードローンに借り換える選択肢があります。
カードローンもお金を借りる点では同じですが、リボ払いに比べると低金利です。例えば三菱東京UFJ銀行のカードローンは年利1.8%~14.6%(2016年9月現在)です。
リボ払いとカードローン手数料比較シミュレーション
50万円の高級ブランドのバッグをリボ払いで買い物した場合、また、元金定額方式(元金部分の返済金額が固定+手数料)、元利定額方式(毎月の返済額は手数料を含めた一定の金額(元金+手数料))の2つの方式も合わせて比較します。
例に、リボ払い:パターンAとカードローン(14.6%:パターンB/1.8%:パターンC)で借入れした場合の手数料を比較してみます。
※借入金額:50万円、返済元利金:1万円
リボ払い年利18%の例
返済回数 | 利息 | 返済総額 | |
---|---|---|---|
リボ払い(元金定額方式) | 50回 | 19,1250円 | 69,1250円 |
リボ払い(元利定額方式) | 94回 | 43,1021円 | 93,1021円 |
カードローン年利14.6%の例
返済回数 | 利息 | 返済総額 | |
---|---|---|---|
カードローン(元金定額方式) | 50回 | 15,5108円 | 65,5108円 |
カードローン(元利定額方式) | 78回 | 27,5050円 | 77,5050円 |
カードローン年利1.8%の例
返済回数 | 利息 | 返済総額 | |
---|---|---|---|
カードローン(元金定額方式) | 50回 | 1,9215円 | 51,9125円 |
カードローン(元利定額方式) | 78回 | 2,0109円 | 52,0109円 |
リボ払いとカードローンだとどちらがお得?
リボ払いとカードローンを比較すると、利息(手数料総額)が大きく異なるのがわかります。さらに、元金定額方式の方がお得になることもわかります。
カードローンが、年利14.6%で元金定額方式だと約3万6000円、元利定額方式だと約15万6000円お得に、そして年利1.8%で元金定額方式だと約17万2125円、元利定額方式だとなんと41万912円お得になります。
低い金利に乗り換えることで、支払う手数料を少なくすることは大きなメリットがあります。
ただし、リボ払いであろうが、カードローンであろうが、どちらも買掛(後払い=借入)があることは事実です。速やかに返済できるよう、スケジュールを綿密に立てて借り入れを実行しましょう。
せっかく投資信託などの資産運用でお金を増やそうと頑張っても、それ以上に年率が高い借金をしていては本末転倒です。
止むを得ずお金が必要になった時には、できる限り低い利率で借りられる方法を検討しましょう。