預金バカ 賢い人は銀行預金をやめている

読了目安[ 5 分 ]

4月。街にあふれるフレッシュマンの初々しいスーツ姿に春の訪れを感じます。

和泉昭子の「お金持ちになるための教科書」シリーズ。
4回目は中野晴啓氏による「預金バカ 賢い人は銀行預金をやめている」です。
前々回に低所得でも貯蓄ができる!貯金術を学んだばかりなので、そのタイトルに衝撃を受けます。たしかに、マイナス金利で物価上昇、インフレ傾向の現在では、銀行に預金しているだけでは、実質目減りしていくのが火を見るより明らかです。
いったいどうすればよいのでしょうか?
銀行預金だけに頼らない資産形成づくりとは何か?この本を通して学んでいきましょう。

著者のコメント

預金バカ

刺激的で思い切ったタイトルですが、とよく言われます。
そのわりに内容は真っ当で難しい言い回しはほとんどなくすんなり読みすすむことができると思います。
預金でお金は増やせず、ましてやインフレ時代には実質目減りしてしまうこと、銀行が本来の機能を果たしていないことや、一定期間は販売サイドも顧客に解約誘導をしない業界の暗黙ルールの後、その期間をすぎると一斉に乗り換えを促す回転売買で手数料稼ぎをする証券会社に対しては、ふだんセミナーでも言っていますが、憤りをそのまま書き記しています。
また長期投資の必要性やお金を働かせることによって私たちが社会に果たす大きな役割などその理念についても触れましたが、マイナス金利の導入によって将来の資産設計はますます難しく、預金だけではやはりダメだということは本書を読めば納得していただけるはずです。
金融や投資の内容を期待して読み始めると一転、第2章「私はこうして投資信託ビジネスを起業した」では、大逆境の中で何度打たれてもめげずに会社を設立するまでの道のりを包み隠さず語っています。
新入社員で店頭株にはまり大損したこと、長期投資へのめざめ、自分で投信会社を作ろうと何度も上司につぶされ左遷を繰り返し、日本の投信業界の「常識」に阻まれ、数々の困難に立ち向かいやっとの思いで会社を作り上げる、こうした告白を通じて自分自身の投資信託への「思い」を伝えており、実話なだけに面白い読み物になっていると思います。
投資初心者に投資について関心をもってもらうことにも適した一冊。投信ビジネス業界の裏側も知ることができます。

中野 晴啓(なかの はるひろ)
セゾン投信株式会社 代表取締役社長。
1963年東京生まれ。1987年明治大学商学部卒。同年、現在の株式会社クレディセゾン入社。
セゾングループの金融子会社にて債券ポートフォリオを中心に資金運用業務に従事した後、投資顧問事業を立ち上げ運用責任者としてグループ資金の運用のほか外国籍投資信託をはじめとした海外契約資産等の運用アドバイスを手がける。
その後、株式会社クレディセゾン インベストメント事業部長を経て2006年セゾン投信株式会社を設立、2007年4月より現職。
販売会社を介さずに直接販売する直販ファンド2本を設定、運用し、2本のうちの1本「セゾン資産形成の達人ファンド」はR&Iファンド大賞「最優秀ファンド賞」を2年連続受賞。
現在、顧客数10万7千、運用資産総額は1,300億円を突破した。
また全国各地で年120本以上の講演やセミナーを行い、社会を元気にする活動とともに積み立てによる資産形成を広く説き「積立王子」と呼ばれる。
著書に『投資バカ』(朝日新聞出版)『投資信託はこうして買いなさい』(ダイヤモンド社)ほか多数。

和泉昭子のココがオススメ!

金融業界で「プリンス」といえばこの人、セゾン投信株式会社社長の中野晴啓さん。
彼の講演には、若いファンの方たちが列をなすほどの人気者です。
その風貌や柔らかな語り口からは想像できない衝撃的なタイトル「預金バカ」という本が、2014年夏に発刊されたときの衝撃は今も忘れられません。
発売からやや時間が経っている本書をあえて今とりあげるのは、ご存知「マイナス金利」の影響を受け、銀行の預金金利が1年物から10年物に至るまで、軒並み地を這う状態だから。
もはや預金だけではお金を2倍にするのに7200年もかかり、人生を豊かにする手段としては間に合わないのです。
本書前半は、中野さんご自身が投信ビジネスを始めた経緯や長期投資に対する熱い思いがつづられています。
そして、第3章「国も会社もあなたを守ってくれない」
第4章「『勉強』しなくても投資はできる」
まで読み進めれば
「頭ではわかっていても、もうひとつ動く気になれない」
「何から始めればいいのかわからない」
といった投資予備軍の方たちも一歩を踏み出さざるを得ない気持ちになるでしょう。
また、続編的な「投資バカ」(朝日新書)では、投資を始める際に陥りがちな誤解についてより深く紹介されています。
できればセットで読み、王道な長期投資で明るい未来を切り拓きましょう。


「お金持ちになるための教科書s」
経済ジャーナリストの和泉昭子さんが、お金や経済の仕組みがよくわからない、マネー超ビギナーに向けて、お金持ちになるための「知恵」と「行動力」が身につく、お金のことがよくわかる本を毎回「教科書」として紹介します。
初心者が経済のいろはを「教科書」で学び、「お金持ち体質」に体質改善され、お金持ちになることを目指します。
和泉昭子(いずみ・あきこ)
大学卒業後、出版社・放送局を経て、フリーのキャスターに転身。NHKを中心に、ニュース・情報番組を担当。95年CFP®(ファイナンシャル・プランナー上級資格)取得後、現職へ。NHK「日曜討論」、TBS「朝ズバッ!」、日経新聞「家計のギモン」等、メディア出演や講演活動、個人相談などを通じて、マネー情報を発信。(株)プラチナ・コンシェルジュ代表取締役 

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