「奨学金」で変わる、天国と地獄

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皆さんは自分が学生の時、もしくは自分の子どもに「奨学金制度」を利用したことはあるでしょうか。

最近の奨学金の話題といえば、話題になった保育園問題に対し、子育て支援事業を行うJPホールディングスが最大120万円の給付型奨学金制度を始め、
また、日本学生支援機構(JASSO)は今月、奨学金の返済が滞っている人の率(未返済率)を、大学や専門学校など学校別に公表することを発表しましたね。
どちらをみても、奨学金が大きな社会問題になっていることが分かります。

今回はそんな奨学金について、現状の説明と、返済不要の「給付型奨学金」制度を行っている大学を一部紹介します。

基本知識!奨学金のおさらい
そもそもですが、奨学金制度には2種類のタイプが存在します。
1つは「貸与型奨学金」です。
これは、独立行政法人日本学生支援機構やあしなが育英会といった公的な組織が行っているもので、学業を修了するまで月額数万円を「貸して」くれるものです。そのため、学業が修了し社会に出て就職すると、返済を求められます。しかし、利子を付けて返済する必要がないため(無利子返済)、借りた分だけ返せばよいということになります。
2つ目は「給付型奨学金」です。
これは、大学や企業が独自に行っているもので、月額数万円から十数万円まであります。学業を修了するまで「いただける」ものなので、返済義務は一切ありません。また、「給付を受けるから必ずこの進路に進め」という制約もありません。

貸与型奨学金の実情
平成24年文科省統計によれば、平均貸与月額は無利子5.9万円、有利子7.3万円。平均貸与総額は、学部生299万円、大学院生378万円です。
また、前述のJASSOによると、奨学金を返還する必要がある374万1000人のうち、3か月以上滞納している「延滞者」は約17万3000人(4.6%)。14年度末までの全体の滞納額は計898億円にも及んでいます。
さらに、JASSOの調査によると、奨学金延滞者の37.6%が申し込み手続きを終えた後も返還の義務を知らず、延滞督促を受けてから返還義務があることを知ったという人も9.8%いた。返還期限を猶予する救済措置についても、延滞者の35.7%が「知らない」と答えていたそうです。

大学を卒業した途端300万円近くの返済人生が始まると考えると、自分で借りたとはいえ生活が厳しくなるのは当然でしょう。
当然ですが、貸与型奨学金制度を利用する前にはしっかりと制度について把握しておかないと、自分で将来の自分の首を締めることになるかもしれません。

私立大学は給付型奨学金が充実している
「給付型奨学金」は親の収入要件や成績要件などを満たしていれば、4年間毎年数十万円などの給付を返済不要で受けられるので家計はとても楽になりますよね。
2016年度の受験は既に終わっているかと思いますが、2017年度に向けて志望校を選ぶ際、「給付型奨学金」があるかどうかも判断基準の一つとして持っておくのもよいでしょう。

給付型奨学金は各自治体や企業でも行っているものがありますが、今回は私立大学の2016年度向けに行っている給付型奨学金制度をいくつか紹介します。気になる制度があったら是非各大学のHP等で詳細を確認してみてください。

<慶應義塾大学「学問のすゝめ奨学金」>
要件:首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)以外の国内高等学校出身者、父母の収入・所得金額合算が1000万円未満、家族が東京・神奈川・埼玉・千葉以外に住んでいて自宅外通学の予定であること、高校の教員から推薦が得られる者 等
支給額: 60万円/年(医学部は90万円/年、薬学部薬学科は80万円/年)
      入学後1年間給付(成績や要件の審査に通れば継続給付が可能)
新規採用人数:全国合計で107名(出身地別に上限人数が定められています)

<早稲田大学「めざせ!都の西北奨学金」>
要件:首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)以外の国内高等学校出身者、父母の収入・所得合算が800万円未満 等
支給額:40万円/年 4年間継続給付(各学年で継続判定あり)
採用候補者数:約1200名

<立教大学「自由の学府奨学金」>
要件:首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)以外の国内高等学校出身者、主たる家計支持者の収入・所得金額が800万円未満、高校における全教科の評定平均値3.5以上 等
支給額:50万円/年(理学部は70万円/年) 原則4年間継続給付(各学年で継続判定あり)
人数:約500名

<青山学院大学「地の塩、世の光奨学金」>
要件:首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)以外の国内高等学校出身者、父母の収入・所得合算金額が800万円未満、自宅外通学予定、高校における全教科の評定平均値3.5以上 等
支給額:50万円/年 4年間継続給付(各学年で継続判定あり)
人数:約350名予定

<中央大学「中央大学予約奨学金」>
要件:首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)以外の国内高等学校出身者、父母の収入・所得合算金額が700万円以下、自宅外通学予定、高校における全教科の評定平均値4.1以上 等
支給額:授業料相当額半額 4年間継続給付(各学年で継続判定あり)
人数:約100名

<東京女子大学「挑戦する知性」奨学金>
要件:国内高等学校出身者、父母の収入・所得合算金額が805万円以下、自宅外通学予定、高校における全教科の評定平均値4.3以上、高校から推薦が得られる者
支給額:学納金相当額および学寮経費相当額 原則4年間継続給付(各学年で継続判定あり)
人数:約10名

奨学金制度はうまく利用すればとても便利な制度ですが、計画的に返済のことを考えないと大変な20代、30代を過ごすことになってしまいます。
将来のことを考えた上での利用や、給付型奨学金を利用するなど、賢く奨学金と付き合っていきましょう。

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