雇用保険の保険料は?加入条件と被保険者証の手続き

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会社に雇用されて給与をもらっている全ての労働者が知っておくべき保険の1つに雇用保険があります。

雇用保険は、条件を満たせばすべての人が加入できる制度のはずですが、パート、アルバイトという雇用形態で仕事をしている方の中には、自分には関係ないと思っている方もいるのではないでしょうか。

今回は、雇用保険の料金や加入条件など基本的なことを説明していきます。

雇用保険とは?

雇用保険とは、労災保険、雇用保険、からなる労働保険の1つで、労働者の生活と雇用の安定と、再就職を促進するための必要な給付を行う厚生労働省が管轄する強制保険制度です。

雇用保険の加入条件(事業主の義務)

事業主は労働者を一人でも雇っていれば労働保険(雇用保険)に加入し、労働保険料を納付する必要があります。

ここには、雇用されている労働者の意思は関係ありません。

暫定任意適用事業者の雇用保険加入は任意

但し、幾つかの例外があります。農林水産業のうち、「暫定任意適用事業」にあたる事業所は、雇用保険(労働保険)の加入が任意で選択できます。雇用保険の暫定任意適用事業とは、以下の事業者のことを指します。

下記に掲げる農林水産の事業(国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業および法人である事業主の事業を除きます)であって、常時5人未満の労働者を雇用する個人経営の事業です。

  • 土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業(いわゆる農業、林業と称せられるすべての事業)
  • 動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他畜産、養蚕又は水産の事業

雇用保険の被保険者になるためには

それでは、雇用保険の被保険者となる(給付を受ける)権利はどのような人にあるのか見ていきましょう。

週20時間、31日以上の雇用見込み

正社員、パート、アルバイトなど契約形態を問わず下記の労働者はすべて対象になります。

  • 65歳未満であること(平成29年から65歳以上も被保険者になります)
  • 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
  • 31日以上雇用の見込みがあること

「31日以上雇用の見込み」とは、具体的に次のいずれかに該当する場合をいいます。

  • 期間の定めがなく雇用される場合
  • 雇用期間が31日以上である場合
  • 雇用契約に更新規定があり、31日未満での雇止めの明示がない場合
  • 雇用契約に更新規定はないが同様の雇用契約により雇用された労働者が31日以上雇用された実績がある場合
当初の雇入時には31日以上雇用されることが見込まれない場合であってもその後、31日以上雇用されることが見込まれることとなった場合には、その時点から雇用保険が適用されます。

雇用保険により給付されるもの

次に、雇用保険に加入することで、どのような補償(給付)をもたらしてくれるのか見てみましょう。雇用保険の給付は、以下の4つに大別され、必要に応じた14の給付が実施されます。

分類 名称
求職者給付
  1. 基本手当(失業手当)
  2. 技能習得手当
  3. 寄宿手当
  4. 傷病手当
  5. 高年齢求職給付金
  6. 特例一時金
  7. 日雇労働求職者給付金
就業促進給付
  1. 就業促進手当
  2. 移転費
  3. 求職活動支援費
教育訓練給付
  1. 教育訓練給付金
雇用継続給付
  1. 高年齢雇用継続給付
  2. 育児休業給付
  3. 介護休業給付

雇用保険と聞くと、「失業手当」のことを思い浮かべる方が多いと思いますが、雇用保険にはそれ以外にも教育訓練給付、育児休業給付、介護休業給付等さまざまな給付金があります。

安い保険料(後述します)でこれだけのことに備えられるのですから、加入できる条件が整っている方は加入するべきです。

各それぞれの給付内容や受給するための条件については、別の機会にご説明します。

被保険者になると交付される書類

労働者が被保険者になったことが、事業主からの届出によりハローワークで確認がされると、以下の2つが交付されます。

  1. 雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(被保険者用/事業主用)
  2. 雇用保険被保険者証

交付のために、労働者が行わなければならない手続きはありません。

会社により交付後の対応は様々ですが、労働者に渡して紛失され、退職時に事務処理が増えることを避けるため、会社側で管理・保管をしておき、労働者が退職するタイミングで渡すようにしている会社が多いようです。

1.雇用保険被保険者資格取得等確認通知書

雇用保険被保険者資格取得等確認通知書
雇用保険被保険者資格取得等確認通知書サンプル

2.雇用保険被保険者証

雇用保険被保険者証
雇用保険被保険者証サンプル

雇用保険料

雇用保険料は以下の計算式によって算出され、毎月の給与から天引きされます。

雇用保険料 = 毎月の給与総額 × 雇用保険料率

計算式からわかるように、保険料は毎月変動する可能性があります。

それでは実際に、保険料はいくらなのかということですが、手元に給与明細がある方はおわかりかと思いますが、かなり安い保険料となっていることがわかります。

労働者の雇用保険料率
平成28年度 平成29年度
一般の事業 0.4% 0.3%
農林水産・清酒製造業 0.5% 0.4%
建設業 0.5% 0.4%
雇用保険料率表(労働者負担分のみ)

上記のほか、事業主が倍近くの保険料を上乗せして支払う形となっており、最終的には約3倍の保険料を納付しています。

雇用保険料は厚生年金や健康保険料より圧倒的に安く、例えば、賃金が20万円であれば本人の保険料は600円です。安い保険料で失業した時の安心とさまざまな給付金をもらえるとてもお得な保険です。

パートタイマーも雇用保険に是非加入を

現在週20時間未満の労働契約で働いている人は、20時間以上働けるように会社に掛け合ってみてはいかがでしょうか。

また契約は20時間未満となっているものの、実際20時間以上働いている人は、事業主側に雇用保険に加入させなければいけない義務が発生しますので、この場合も相談をしましょう。契約の時間よりも実際の労働時間で加入すべきかどうか判断されるのが、この雇用保険だからです。

労働者の権利を理解し、加入することが自分を守ることにも繋がりますし、「保険」という性質上、社会の他の誰かを支えることにも繋がります。

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