労働時間無関係!だれもが労災申請できる!

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「労災」と聞いてどんなイメージがありますか?

労災というと、ブラック企業による過酷な労働条件による過労死(うつ病などによる自殺)を思い浮かべませんか?ところが、自殺による過労死が「労災」認定を受けたのは、2000年に最高裁による判決が最初(*)で、それほど前のことではないのです。それまで「労災」というと、業務上に発生した不慮の事故などに認定されることが多かった中で、過労自殺に「企業側の責任」を認めた画期的な判決となりました。その後厚労省の指針なども改められましたが、過労自殺は年々増え続ける一方です。

「労災」とは、「労働者災害補償保険」の通称ですが、はたしてどれだけの人が正しく内容を知っているでしょうか?案外、知っているようで知らないことが多いかと思います。実は働く上で、とても重要な制度です。

労災は非正規含む全労働者が対象
労災の対象となるのは、労働者です。労働者には、会社員、アルバイト、パート、契約社員、派遣労働者等名前に関係なく、働いてお金をもらうという労働契約(口約束でも可)を結んでいれば該当します。公務員は一部の非常勤職員を除いて対象外です。また、個人事業主や会社の社長等も対象ではありません。たとえば「○○うどん」で働いている人は対象ですが、店主や一緒に働いている家族は対象ではありません。またアルバイトとして1日だけのイベントに参加したとか、1時間だけちょっと手伝ってと言われて手伝った場合も対象です。

よくトラブルになるのが、「ちょっと手伝ってと言われてケガをしたのに、お手伝いは対象ではないと言われた」「1日だけのアルバイトには労災は出ないと言われた」などです。社長としては、労災事故を起こしたくないし、また保険料もかかります。だから、アルバイトには労災は出ないとか、お手伝いは労働ではない(お手伝いでもお金をもらっていればりっぱな労働者です)とか、わけのわからないことを言いたてるのです。

自分の健康保険は使わない!労災は自己負担ゼロ
通勤途中や仕事中に病気やケガをした場合、社長や現場の担当者に「自分の健康保険を使って医者に行ってくれ。自己負担分は会社が持つ」と言われても、絶対に自分の健康保険証は使わないこと。自己負担分とは医療機関の窓口で支払う3割負担のことで、例えば医療機関で診察と薬に1万円かかった場合、3割の3,000円を窓口で支払います。後の7割は健康保険から支払われる仕組みです。ところが労災の場合は、自己負担はゼロで、全額が労災保険から支払われます。医療機関で「労災でケガをした」と言えば自己負担はゼロになるのです。

さらに労災保険には、休業補償があります。アルバイトが5日間の約束で1日目に仕事中にケガをして仕事ができない場合、後の4日間はアルバイト料金の約80%がもらえます。(2日目と3日目は会社から、4日目と5日目は保険から)
ただし、通勤途上のケガの場合は、4日目と5日目の2日間の休業補償のみです。

雇い主に拒否されても申請できる
アルバイト先でケガや病気になった場合、社長が「労災はだめだ。アルバイトは対象ではない」と言われても、医療機関(できれば労災指定医院)で事情を話せば、申請をしてくれます。そうすると労働基準監督署から社長に連絡が行き、社長は後から保険料を支払うことに。アルバイトだから、軽いケガだからと我慢するではなく、堂々と「労災だ」と言って医療機関にかかって、早めに直すようにしましょう。

最近では、労務の規定により、残業時間の管理などが厳しくなっているようです。
だれもが楽しく働ける職場環境を整えることは、企業の責任でもあるのです。

(*)1991年に大手広告代理店の社員が自殺、その後遺族が会社の責任をめぐって損害賠償を求めた裁判で、2000年に最高裁は遺族の訴えを全面的に認め、企業側に賠償金の支払いを命じた。過労自殺を認めた初の司法判例となる。その後、東京中央労基署により「労災認定」された。

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