会社員が資格取得を節約できる!雇用保険の教育訓練給付制度とは

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社会人になって数年が経ち、仕事にも慣れてきたみなさんはそろそろステップアップをしたいと思っているかもしれません。

仕事の幅を広げたい、転職のきっかけにしたい、将来独立開業したいなどのために資格取得は大きなメリットがあります。

例えば私自身も5年間会社員をしてから社会保険労務士の資格を取り、今は独立開業をしています。また、知人は在職中にUSCPA(米国公認会計士)の資格を取って転職し、収入も大幅にアップしました。

資格は自分の知識を蓄積できるだけでなく、生活環境を変えるきっかけにもなります。

「興味はあるけど、独学はちょっと厳しい……。でも、学校に通うのはお金がかかる……。」という人は、雇用保険の「教育訓練給付制度」という給付金制度を利用してみましょう。

教育訓練給付制度とは

教育訓練給付制度とは、社会人を対象に厚生労働省が対象とする資格講座を受講して支払ったお金の一部が、ハローワークから給付金として戻ってくる給付金制度のことです。

教育訓練給付制度には、「一般教育訓練給付制度」と「専門実践教育訓練給付制度」という2つの制度があり、給付金を受けるための条件、対象となる講座、給付金額が異なります。

給付金を受けるためにはどのような資格取得でも良いわけではありませんが、一般教育訓練給付制度の場合、厚生労働省が指定した全国1887校が開催する講座が対象(平成27年4月1日現在)になるため、決して少ない数ではありません。

厚生労働省のサイトから対象講座を検索できるため、興味のある講座がないか調べてみましょう。

参考|厚生労働省 教育訓練講座検索システム

教育訓練給付制度を受ける条件

教育訓練給付制度の「一般教育訓練給付制度」と「専門実践教育訓練給付制度」で、給付金を支給するための条件は以下の通りです。

一般教育訓練給付金の支給条件

・受講開始日で3年以上雇用保険に加入している人(初申請の場合は1年以上)
・被保険者でない場合、離職日の翌日から1年以内の人(適用対象期間の延長があれば最大4年以内)
・前回の教育訓練給付金受給から受講開始日前までに3年以上経過している人

専門実践教育訓練給付金の支給条件

・受講開始日で10年以上雇用保険に加入している人(※初申請の場合は2年以上)
・被保険者でない場合、離職日の翌日から1年以内の人(適用対象期間の延長があれば最大4年以内)
・前回の教育訓練給付金受給から受講開始日前までに10年以上経過している人

給付金対象となる支払い金額と給付金額

教育訓練給付制度の給付金対象となる金額は、原則として入学料及び最大1年分の受講料の合計金額です。検定試験受験料、受講に必ずしも必要ではない補助教材費などは、教育訓練給付制度の給付金対象になりません。

教育訓練給付制度のポイントは、もし試験に不合格で資格を取れない場合でも、きちんと勉強して講座自体を修了すれば、給付金としてお金が戻ってくることです。

講座が修了できたかどうかの判断は、学校がその講座の修了認定基準(※出席率、課題の提出状況、修了認定試験等を一定割合以上満たすこと等、講座ごとに設定)に基づいて、受講内容が身に付いたことを確認できた場合に認められます。

教育訓練施設から修了証をもらったら、ハローワークで給付金の申請を行います。

ただし、教育訓練給付制度給付金は、講座の受講修了日の翌日から1か月以内に支給申請手続きを行う必要があります。意外とあっという間に期日が来るため気を付けてください。

一般教育訓練給付金の給付金額

一般教育訓練給付金の給付金額は、受講者本人が教育訓練施設に対して支払った受講経費の20%に相当する額です。

ただし、支給額の上限は10万円とし、受講経費が4千円を超えない場合は支給されません。つまり、経費が20万円であれば2割の4万円ですが、60万円であれば2割の12万円ではなく上限の10万円が給付金になります。

専門実践教育訓練給付金の給付金額

専門実践教育訓練給付金の給付金額は、受講者本人が教育訓練施設に対して支払った受講経費の40%に相当する額です。

ただし、支給額の上限は32万円のため、経費が50万円であれば4割の20万円ですが、100万円であれば4割の40万円ではなく上限の32万円が給付金になります。

さらに、専門実践教育訓練の修了後1年以内に、目標資格を取得して雇用保険の被保険者となる就職をした場合、専門実践教育訓練給付金は再計算され、受講経費の60%(年間上限48万円)を上限として既に支給された給付金の差額を受給することができます。

職業訓練受講給付金(求職者支援制度)とは

教育訓練給付制度は素晴らしい制度ですが、雇用保険の一定期間の被保険者という資格が必要です。では、以下のように、雇用保険の一定期間の被保険者という条件を満たさない人はどうすれば良いのでしょうか。

・雇用保険に加入できなかった人
・雇用保険の加入期間が足りずに失業給付を受けられない人
・失業給付の支給が終了したのに就職が決まっていない人
・自営業を廃業した人
・就職が決まらないまま卒業した学生

そんな人でも使える制度が、国の職業訓練受講給付金(求職者支援制度)です。

職業訓練受講給付金(求職者支援制度)とは、ハローワークに求職の申し込みをしていて労働の意志と能力があり、雇用保険の条件を満たしていない人が早期就職を実現するために、国が用意した職業訓練期間中の生活を支援するために給付金が支給される制度のことです。

求職者支援制度では、3か月から6か月の期間、平日6時間程度の職業訓練にほぼ毎日通い、就職を希望する職業に関する内容の講座を受講することになります。

簿記やOA事務、介護、Webシステムなどの幅広い内容の講座が用意されていて、費用は原則無料、テキスト代や実習費用などを合わせても1万円程度の実費負担に抑えることができます。

つまり、格安で専門的な講座を受講できるということです。講座を受ければ、関連する資格を取得することも可能です。具体的なコース情報は以下の通りですが、地方自治体によって取り扱う科が異なるため、高齢・障害・求職者雇用支援機構のサイトで検索してください。

介護スタッフ養成科
経理事務実践科
医療事務科
Webデザイナー科
グラフィックデザイナー
建築CADデザイン科
建設機械運転科
ネイリスト養成科
エステティシャン養成科
パソコンインストラクター養成科
農業技術習得科

参考|求職者支援訓練 認定コース情報

さらに、ハローワークの支援指示により職業訓練を受講する場合、訓練期間中に月10万円の職業訓練受講給付金が受給できます。

参考|職業訓練受講給付金(求職者支援制度) |厚生労働省

国の制度でお得に資格取得

このようにわたしたちが知らないだけで、国や地方自治体の制度を使うことで、意外とお得に資格取得をできる手段はあります。

もしこれまで資格取得をしようと思っても、金銭面がネックになっていた人は、厚生労働省の教育訓練講座検索システムを使って自分の可能性を探ってみましょう。

今は昔と違い、1つの会社で定年まで働き続けることが難しい時代です。

資格取得はキャリアアップの1つの武器になることはもちろん、自分の世界を広げたり、新しい仲間を作ったり、単純に学ぶ機会を増やすことにも役立ちます。

自分の人生を豊かにするためにも、国の制度をうまく活用してみてください。

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