フリーランスの生き方、8つのポイント〜社会不適合者の歪んだサクセス・ストーリー「ナイトクローラー」に学ぶ〜

読了目安[ 5 分 ]

刺激的で“グラフィカルな絵”を求め夜のロサンゼルスをハイエナのように駆け回る報道パパラッチの姿を通し、テレビ業界の裏側を皮肉たっぷりに描いたサスペンス・スリラー「ナイトクローラー」。

第87回アカデミー賞脚本賞にもノミネートされ、常軌を逸した主人公を演じるジェイク・ギレンホールの怪演に各界著名人から絶賛の悲鳴が続々!(公式サイトより)届いた話題作。

「フリーランスジャーナリスト」という名の、見るからにヤバイ目をした社会不適合者が織りなす成長譚でもあり、歪んだサクセス・ストーリーでもある本作に、同じフリーランスのライターとして、ときにはお手頃デジ一を手に取材先に伺うこともあるエセカメラマンとして、「ゲ、ゲスだなあ…」と戦慄しつつも、今作の主人公には何かしらのシンパシーを感じずにはおれませんでした。

今回は映画「ナイトクローラー」を題材に、フリーランスとして素直に勉強になると思ったポイントと、これはダメだろう!という反面教師的なポイントを、ライター目線でお伝えしたいと思います。

1)売り込み先とタイミングを誤るべからず

主人公ルイスは映画冒頭で工事現場から盗んだフェンスを買取業者に持ち込み、ついでに自分を職員として現場で雇ってもらえないかと懇願します。
しかし窃盗犯とわかりきった人間を雇い入れる業者がいるはずもなく、敢え無く門前払いに。
人間どんなに才能(手際がいい、物分りがいい)があっても、売り込む相手とタイミングをちゃんと見計らわないと無意味!ということがわかる場面です。

2)先行投資は大事

偶然遭遇した自動車事故現場をヒントに、ルイスはケチな窃盗犯から報道パパラッチに転身することを決意。
手始めに高級自転車を盗んで売り、撮影に必要なカメラや警察無線を傍受する機器などを購入します。
けっきょく地道に稼いだお金をつぎ込んで…ではなく窃盗なのがこの映画の肝です(笑)。
何かを始めるのには先行投資が必要不可欠なのですが…窃盗だけはダメ、絶対!

3)「口下手」より「舌先三寸」が良い

とりあえず見よう見真似でいい感じの映像が撮れたので、テレビ局のディレクターに売り込みを開始するルイス。
彼の死んだ魚のようなヤバイ眼差しは気にせずに、見せられた映像と話の内容だけに注視するディレクター(いいのか、それで!)。
彼の口の達者さがいかんなく発揮される場面です。
「僕はファストラーナーだ。要領がいい」と冒頭のフェンス買取業者相手に語っていたこととほとんど変わりないのですが、今回は相手とタイミングがよかったおかげで見事交渉成立し、無事パパラッチとしてのスタートラインに立った記念すべきシーンとなります。

最近とあるコンペのような場面で「謙遜は無意味。言ったもん勝ち」ということを学んだばかりの口下手な私は、彼の口の上手さには非常に学ぶべきものがあると感心しました。
「口の上手さは七難隠す」という格言もありますしね。今作りましたけど。

4)正義よりビジネス

「ジャーナリストを突き動かすものは正義か?いやビジネスだ!」と、とにかく彼は割り切っています。
その突き抜け方には一種清々しささえ感じられるほどに。
この姿勢は怖くも感じられるのですが、見習いたい部分もあり、複雑な感情を抱いてしまいました。

5)ライバルから学べ・盗め

見切り発車で事業を始めた孤独なナイトクローラーには、現場で手とり足とり教えてくれるような親切な先輩や仲間は皆無です。
誰かに教えてもらえるのを待っていては成長なんてできやしない。
そんなときはどうするか?先輩方から盗めばいいじゃない!
この場合は窃盗ではなく、目で見たもの、肌で感じたものを盗む、という意味なのでご安心ください(笑)。

6)ヤラセと演出の境目

視聴者の興味を惹くため、クライアントが望んだ通りの「グラフィカルな絵」を撮るために、事件現場で遺体を動かしたり、容疑者目撃の通報を怠ったり、たびたび一線を越えた「演出」をほどこすルイスに「おまえ…それは…よくないぞっ!(小声)」と内心ハラハラしながらスクリーンを見守ること度々。呆れながらもドキドキしてしまう場面です。
取材先でいい絵を撮るためのちょっとした演出は実は私もよくやります。
ただしやり過ぎると演出の範疇を超えた「ヤラセ」となり、真実とはかけ離れたものになってしまうので、細心の注意が必要です。
ルイスはたまたま何事も無く乗り切っていますが、最悪事件に巻き込まれることもあるので、犯罪の一線は越えないようにしましょう。犯罪、ダメ、絶対!(二回目)

7)交渉のチャンスは逃さない

クライアントのテレビ局ディレクターに対し「俺をもっと優遇しろ」といった旨のことを脅しながら働きかける、非常に下衆な名場面があります。
彼のやり口には思わず「おまえ最低!本当最低!」と思いつつも、「なるほど、ここがギャラ上げとコネクション作成のチャンスなんだ。勉強になるな~!」とまったく相反する感心の仕方をしてしまいました。
ただここでのやり口は諸刃の刃で、非常にハイリスクなので素人にはおすすめしません。私は絶対真似できません!

8)事業拡大のタイミングが絶妙

受注量を増やし事業を拡大をするためには一人で何でもこなそうとするのではなく、分業したり、人を雇い入れることも必要になってきます。
ライバルからの協力要請は袖にするものの、事業主として事業を拡大することには意欲的なルイスはそのあたりも非常にうまくやってのけます。
ただしある悲劇的な場面に遭遇してしまうことも…
この悲劇の場面はぜひご自分の目で確認してください。もう…ひどすぎます…(涙)

先日DVDとBlu-rayが発売され、レンタルも開始されたばかりの「ナイトクローラー」。
フリーランスとしてのキャリアを考えている方だけでなく、これから事業を起こしたい方、ただただ刺激的な映像が見たい方、ジェイク・ギレンホールの眼差しにやられたい方、報道・メディアなどの制作に携わっている方、報道・メディアのあり方について考えたい方など、あらゆる方におすすめしたい怪作です。
ぜひお近くの書店、レンタルショップで手にとってみてください。

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