貯蓄ゼロ家庭の家計の改善方法は?世帯収支の問題点の洗い出し方

読了目安[ 6 分 ]

人生には波があります。良いときもあれば悪いときもあります。もちろん、結婚後の家計も同様で、家計が安定しているときもあれば、夫婦で相談して将来を考えなければいけないピンチも多々あります。

ファイナンシャルプランナーであるわたしが、そんな家庭のお金に関するお悩みをお聞きする中で、多いご相談の1つが「これから、どのように家計を管理して良いかわからない。」というものです。

このような抽象的なご相談は、家計の波が良いときは少ないのですが、一転お金が入用になり、将来の家計に漠然とした不安を感じたときに多くなります。

そこで今回は、現在貯蓄がゼロで、将来を考えたときにとても不安を感じるという春川さん(仮称)の家計のご相談を例に、今後どのように家計を管理していけば良いか、家計を良い波に再生させるためにどう行動すれば良いかをお話します。

春川さんの家族構成と家計データ

まず、春川家の家族構成と現在の家計のデータを見てみましょう。春川家の家族構成は、35歳会社員の夫、37歳パート勤務の妻、6歳の長男が1人の3人家族です。

世帯の月間収入

月収 夫の月の手取り 380,000円
妻の月の手取り 20,000円
児童手当 1ヶ月あたり 10,000円
月間収入合計 410,000円
ボーナス 0円

世帯の月間支出

住居費 賃貸 130,000円
食費 外食代含む 40,000円
光熱費 電気・ガス・水道料金など 20,000円
通信費 固定電話・携帯電話代など 12,000円
自動車関連費 駐車場・ガソリン代など 0円
教育費 保育園代など 10,000円
レジャー費 教養・趣味・娯楽費など 30,000円
被服費 美容・被服費など 15,000円
雑費 日用品など 15,000円
その他 子どもの費用 20,000円
妻小遣い ランチ代含む 20,000円
夫小遣い 50,000円
育英会奨学金返済 15,000円
保険料 医療保険・学資保険 25,000円
月刊支出合計 402,000円

世帯の月間収支の状況

このように春川家における世帯の月間収支状況を見てみると、現状、毎月の収支は赤字にはなってはいないものの「月間収入-月刊支出=8,000円」と、とても将来に向けた貯金ができる状態ではありません。

前述した通り、現在の貯蓄額はゼロです。これから益々教育費がかかる息子のことや今後不測の自体が起こる可能性を考えると、家計を管理している妻の不安は増すばかりでしょう。

春川さんご本人も月20,000円位は貯蓄にまわしたい、まずは100万円貯めたいという意向があります。

家計の改善方法|家計の問題点を洗い出す

家計を改善する基本は、収入を増やすか支出を減らすことです。

春川さんの収入にはボーナスがないため、不足分を補うことは難しい状況です。また、お子さんがまだ小さいため、奥さんは現状仕事を増やすことは難しいとのことなので、主に支出の見直しが必要になります。

では、春川家の家計を改善するために、現在の家計の問題点を洗い出してみましょう。

1.食費、水道光熱費

春川家の食費は毎月40,000円の支出ですが、一般的な家庭の食費と比べると安く抑えられているため、うまくやりくりされている印象です。お子さんが男の子なので、この先は1-2割増しで支出が大きくなるかもしれません。

総務省統計局が行った平成28年度の家計調査報告によると、二人以上の世帯(平均2.99人)における月の平均食費は72,934円です。

参考|家計調査報告(家計収支編)平成28年(2016年)III 総世帯及び単身世帯の家計収支|総務省統計局

同様に、水道光熱費も春川家が20,000円に対して、家計調査報告では21,177円となっているため問題はありません。今後の電力自由化競争の状況次第では、もう少し減らすことができるかもしれません。

2.レジャー費、その他

春川家は、お子さんが小さいため家族で遊びに出かけることは大切なことだと思います。

ただ、細かくお聞きしたところ、30,000円の「レジャー費」だけでなく「その他」で計上されている20,000円も、家族で出かけたり、おもちゃなどを購入するため奥さんに任せているお金とのことです。

つまり、家族のレジャー・娯楽費として、毎月50,000円支出していることになります。家計調査報告では、教養娯楽費の平均が28,159円のため、使い方に気をつければ、もう少し減らすことができるかもしれません。

3.妻のお小遣い、夫のお小遣い

春川家では、妻のお小遣いが毎月20,000円、夫のお小遣いが毎月50,000円です。

お小遣いは、つい自分の感覚では「これくらいは必要」と思ってしまいがちです。個人が自由に使えるお金は多いほど嬉しいものですが、貯蓄を増やしたいなら、一部を貯蓄にまわすことも考えてみましょう。

ちなみに、新生銀行が行った「2016年サラリーマンのお小遣い調査」を見ると、小学生がいる世帯の会社員の夫のお小遣い平均額は37,980円となっており、30代妻のお小遣い平均額は25,925となっています。

参考|お小遣い・浪費・教育費の価値観が…夫婦がお金で揉める理由ベスト3

4.育英会奨学金返済

春川家では、毎月15,000円を奨学金の返済に充てていますが、返済が終わるのは3年後とのことです。奨学金の返済金額は、3年後から貯蓄にまわすように、予め夫婦で認識しておく必要があります。

5.保険料

春川家では、夫妻とも全労済の医療保険に加入し、合わせて毎月10,000円を支払っています。病気、不慮の事故、交通事故で入院した場合に入院費用が日額で出るタイプの保険で、死亡、高度障害の保障額は、夫が2,400万円、妻が1,200万円となっています。

また、月額15,000円は学資保険に支払っており、15歳満期で100万円、18歳満期で100万円となっています。春川さんは、将来を考えて学資保険をこのまま続けていくか、現在の家計を考えて学資保険をやめるか悩んでいるとのことです。

条件にもよりますが、一般的には貯金よりも学資保険の方が受け取り額は多くなります。ただし、その差額は大きく変わるものではないため、家計の計画によっては、決まった額の貯金を選ぶ方が心理的なストレスが軽減する場合もあるでしょう。

参考|出産間近のパパ・ママ必見!学資保険と預貯金はどっちが得!?

家計科目を1つずつ細かく見ることが大切

前述した通り、家計を改善する基本は、収入を増やすか支出を減らすことです。ただ、収入を増やす行為は、家庭環境によっては難しいことが多いため、主に支出を減らすことを考える人が多いでしょう。

その際の注意点は、家計科目を大雑把に考えるのではなく、なるべく細かく分解して1つずつ支出を減らすことができないかを考えることです。そして、支出を減らすために無理な節約をしたり、必要な科目を削りすぎないことです。

無理をするとストレスが溜まり、ストレスが溜まると家族のトラブルになります。家計は1日1日の積み重ねでできているため、家族がお互いを支え合って、少しずつ改善していくことが望ましいでしょう。

支出が多いか少ないかは、総務省統計局の家計調査報告などをひとまずの参考としてください。ただし、家計調査報告の二人以上の世帯においては、世帯主の平均年齢が高いこと(平成28年度は59.2歳)も考慮に入れて考えましょう。

以上春川さんのお話をもとに、現在の家計の問題点を挙げて1つずつ見直しましたが、次回はこれからの家計改善のため、もう少し具体的なことについてアドバイスしていきたいと思います。

※掲載されている画像(家族写真)はイメージです。

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