年金、約8億円の運用損で話題になった「GPIF」とは?

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約140兆円にもおよぶ公的年金の運用を一手に任されているGPIF。

その運用成績が2015年7~9月期にマイナス約8兆円(国内株で約4.3兆円、外国株で約3.7兆円の運用損が発生)となりました。2015年8月以降の世界的な株安が響いたもので、運用損は2014年1~3月期以来、6四半期ぶりとなります。今回はGPIFとはどんな組織か、そして約8兆円といった運用損をどのように見たらよいかを解説しましょう。

GPIFは、厚生労働省が管轄する公的年金の運用機関。年金積立金管理運用独立行政法人(Government Pension Investment Fund)が正式名称です。約140兆円の運用資産は2位のノルウェー政府年金基金を大きく引き離し“世界最大の機関投資家”です。

歴史を振り返りますと、2001年3月まで公的年金の積立金を管理していた政府系の特殊法人「年金福祉事業団」が前身です。リスク資産に投資せず預金程度の利回りを得るに過ぎませんでした。その後、時代の要請で運用収益を上げることが求められ、「年金資金運用基金」へ改組されます。さらに2006年4月に独立性を持った現在のGPIFが設立され、リスク資産の保有比率を高める運用改革が進んでいきます。

GPIF発足当時の基本ポートフォリオは、6割を国内債券に投資し、株式(国内・外国)は24%程度でした。それが政権側から将来の年金不安に対応するため、株式などリスク資産への投資比率を高めるべきとの要望が幾度となく出され株式投資比率を高めていきます。現在の運用比率は国内債券35%、国内株式25%、外国債券15%、外国株式25%。かなり株式投資の比率を上げたことが分かります。

今回の約8兆円の運用損は、株式投資の比率を高めたことによる、との見方を否定することはできないでしょう。ただ、リターンを得るためにはリスクを覚悟しなければならないことも事実。株価が下がったことに一喜一憂せず、長いスパンで見ていくことも重要です。GPIFの運用は、2013年度は約10兆円、2014年度は約15兆円の運用益を得ていることも忘れてはなりません。

ただ、1つ懸念されるのは、株式投資の比率を高めていくことを国民の声をあまり反映せずに決めていることです。はっきりしないプロセスで株式投資の比率が上がっていますので、株価対策との批判も出やすくなっています。仮に株が大暴落し、深刻な運用損が発生しても、その責任の所在もはっきりしません。この点は今後、ホットな議論が展開される可能性もあるでしょう。

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