労災保険の休業補償給付と休業給付とは?いつまで・いくらもらえる?

読了目安[ 4 分 ]

仕事中または通勤途上でのケガや病気で会社を休まざるを得なくなった時には、賃金が支給されません。

そのかわり、働けなくなって賃金が支給されない場合には、労災保険(労働者災害補償保険)から休業(補償)給付が受けられます。

いつ災害が自分に降り掛かってくるかわかりませんので、このような仕組みがあるということを覚えておくと良いでしょう。

“休業補償給付”と”休業給付”の違い

  • 業務上の理由の場合は休業補償給付
  • 通勤途上の場合は休業給付

と呼びます。

詳しくは後述しますが、「補償」があるかないかによって待機期間中の賃金の補償を雇用主がしなければならないかが変わります。

休業(補償)給付をうけるための要件

休業(補償)給付が支給されるための要件は、下記のようになります。

  1. 療養していること
    医者の指示の範囲で通院し、自宅療養していることも含まれます。
  2. 労働することができないこと
  3. 賃金を受けていないこと
    平均賃金の6割以上の会社からの補償や有給休暇取得等がないこと

有給を使ってしまうと、その分だけ休業(補償)給付は支給されませんので、考えて利用することをお勧めします。

同様に、賃金を受けてしまうと減額されてしまいます。

休業(補償)給付の給付額

休業(補償)給付は、休業が4日以上にわたる場合に4日目以降の休業について、休業(補償)給付と休業特別給付金が支給されます。

待機期間の取り扱いと給付

休業初日から第3日目までを「待期期間」といい、休業(補償)給付と休業特別支給金は支給されません。

ただし、業務災害である休業“補償”給付の場合は、この待期期間については、雇用している会社が休業補償(1日につき平均賃金の6割以上)を行うことになります。支給される額は下記計算式になります。

休業補償給付 = (給付基礎日額 × 0.6以上) × 休業日数

このことは、労働基準法第76条に記載があります。

(休業補償)
第七十六条  労働者が前条の規定による療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の百分の六十の休業補償を行わなければならない。

労働基準法

尚、6割では足りない場合有給休暇を取ることも可能ですが、その場合休業補償はなくなります。

給付基礎日額とは

給付基礎日額とは、平均賃金に相当する額のことです。

平均賃金 = 直前3ヶ月間の賃金 / 3ヶ月間の歴日数

例えば、直前3ヶ月の賃金が25万円、23万円、24万円であれば、歴日数92日で割って、平均賃金は、7,826円となります。

給付額

待機期間終了後(4日目以降)は、休業特別支給金が上乗せされ、

休業(補償)給付 = (給付基礎日額 × 0.6) × 休業日数
休業特別支給金 = (給付基礎日額 × 0.2) × 休業日数

が支給されます。

いつまで給付を受けられるのか

この休業(補償)給付を受けられる期間の上限はありません。

休業(補償)給付の3つの要件に該当していれば「休業する日」となり、支給されることになります。

また、休業(補償)給付を受けている間は、会社は辞めさせることができませんので、覚えておいてください。

しかし、まだ治っていないのに自己都合で会社を辞める場合も3つの要件に該当していれば、給付を引き続き受けることができます。

ただし、この場合は、今まで会社が行ってきた労働基準監督署への申請を自分で行うことになりますので注意をしてください。

補足:自賠責との関係

交通事故が原因で労働ができないのであれば、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)から補償を受けることも可能です。

自賠責保険も労災保険同様の強制保険で、どちらも国が管轄している保険です。そのため、どちらかを利用すればもう一方の支給は調整されます。

ただし、労災保険の休業特別支給金については、所轄の労働基準監督署に請求すれば、給付基礎日額の2割相当額が支給されることになっています。

自賠責保険は、過去3ヶ月間の平均賃金の全額(日額19,000円が上限)が支給されるのに対し、労災保険の休業(補償)給付は6割で、どちらを使用したとしても休業特別支給金の2割を上乗せできることを考えると、自賠責保険の方が良く思えてきますね。

しかし、そこまで話は簡単ではなく、自賠責保険を使った診療は自由診療(診療費が高額になるケースがある)になってしまうことや、任意保険の(上限額の)有無や、交通事故であれば過失割合など、各々の状況によりなにを選択したら良いのか実は非常に難しい話なのです。

弁護士や社労士に相談してみると良いでしょう。

参考|国土交通省 自賠責保険ポータルサイト 限度額と保障内容

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