学費無料で給料ももらえる!中学卒業後に選択できる企業内高校とは

読了目安[ 6 分 ]

文部科学省の調査によると、平成22年度の高校進学率は98%、就職率は0.4%となっています。

参考|数字で見る高等学校|文部科学省

高校に進学しない2%の中には、家庭環境の問題や金銭面の問題でやむなく進学を諦めた生徒たちもたくさんいるはずです。ちなみに、公立高校の授業料は年間約39万円、私立高校の授業料は年間約97万円かかります。

ところが、たとえ金銭の問題があっても、高校に進学できないわけではありません。その1つの方法として、授業料などが無料になるだけではなく、給与(手当)がもらえて、卒業後の就職もほぼ約束されるという道があることをご存知でしょうか。

それは、企業内高等学校に進学するという道です。中卒であれば誰でも受けられる選択肢の1つなので、知っておいて損はないでしょう。

そこで今回は、企業内高等学校の特徴やいくつかの企業内高等学校についてお話していきます。

企業内高等学校とは

企業内高等学校とは、主に中学校卒業生を対象とした高等学校の一形態のことで、企業系列の学校法人によって運営されている学校のことです。

企業内高等学校に入学した生徒には一般高校と同様の教科だけでなく、系列企業で働くために必要な工業などの知識や技術を習得させ、卒業後は系列企業の従業員として活躍できる人材の育成を目的としています。

企業内高等学校の特徴は以下の通りですが、一律ではないため、それぞれの学校資料などを見て特徴をよく理解しましょう。

特徴1.給与がもらえて学費がかからない

企業内高等学校の1番の特徴は、系列企業の技術を実地で学ぶため給料が出るうえに、学費がかからない点です(入学費が必要、給料・手当がない企業内高等学校もある)。

もちろん条件が良いため倍率が高く、合格するためにはかなりの努力が必要です。また、入学後の生徒のモチベーションも高いため、単純に「お金がもらえる」「学費がかからない」だけが目当てでは学生生活に苦労するでしょう。

特徴2.卒業後は系列企業へ就職する

企業内高等学校を卒業すると、系列企業の就職がほぼ約束されていることは大きなメリットです(卒業後に大学進学や採用試験を実施する場合もある)。

ただし、企業内高等学校では、学生であるとともに従業員育成の場でもあるため、将来の方向性はほぼ決まってしまうと言えます。

特徴3.高校卒業資格が得られる

企業内高等学校に入学するということは、社会人の一歩を踏み出したと認識しましょう。とは言え、一般高校と同様の教科も教わるため、卒業をすれば高校を卒業したという資格は得られます。

また、学校によっては、入学と同時に入社、または卒業と同時に入社扱いになります。

特徴4.寮が用意されている

現在ある企業内高等学校には、寮が用意されています。それらの寮は、通学困難者だけ利用可能な寮を提供している学校と必ず入らなければいけない全寮制の学校に分かれています。

トヨタ工業学園(愛知県)

トヨタ工業学園は、トヨタ自動車株式会社が運営する全寮制の企業内高等学校です。高校生の間はトヨタの社員ではなく、3年間トヨタのものづくりの基礎を学び、卒業後に入社することになります。

参考|トヨタ工業学園

給与や手当など

毎月の生徒手当13万円-14万円と年2回の特別手当がもらえます(平成27年度)。

卒業後の進路など

トヨタ工業学園単体で高校卒業資格は取得できませんが、同時入学する通信制の科学技術学園高等学校を卒業すると高校卒業資格が取得できます。

また、トヨタ工業学園卒業後に希望者は豊田工業大学に進学することも可能です。大学進学には、配属職場の推薦と社内選抜試験の受験が必要ですが、奨学金をもらいながら大学に通える進学支援制度は非常にメリットですね。

デンソー工業学園(愛知県)

デンソー工業学園は、株式会社デンソーが運営する企業内高等学校です。トヨタ工業学園とは違い、まず採用試験を受けて入社することになります。つまり、高校生であり社員(訓練生)ということになります。

また、全寮制ではありませんが、遠方から通う生徒が入ることができる寮はあります。

参考|デンソー工業学園

給与や手当など

毎月の手当は、1年生が12万円、2年生が12.2万円、3年生が13.6万円と年2回の特別手当がもらえます(平成20年度)。

卒業後の進路など

トヨタ工業学園と同じく、同時入学する通信制の科学技術学園高等学校を卒業すると高校卒業資格が取得できます。

また、デンソー工業学園でも選抜試験に合格した若干名が、社会人入試を受けて豊田工業大学に進学可能です。

日野工業高等学園(東京都)

日野工業高等学園は、日野自動車株式会社が運営する企業内高等学校です。デンソー工業学園と同じく入学と同時に社員となり、訓練生という立場で学びます。こちらも全寮制ではありませんが、遠方から通う学生向けの寮があります。

参考|日野学園(日野自動車企業内訓練校)-体験入学受付中!

給与や手当など

毎月の手当は、1年生が9.4万円、2年生が9.7万円、3年生が14.4万円と年2回の特別手当がもらえます(平成28年度)。

卒業後の進路など

訓練を通した本人適性を考慮したうえで、日野自動車の各部門に正式配属されます。

企業内高等学校は減少している

企業内学校は自分の将来の目標がはっきりしている学生、家庭環境によって早く就職をしたい学生にとっては、非常に有力な選択肢の1つです。ただし、以前に比べて企業内学校は減少しており、以下の通り一般校への転換や閉校が相次いでいます。

以下参考|企業内高等学校 – Wikipedia

石川島工業高等学校 石川島播磨重工業 1977年閉校
印刷工芸高等学校 共同印刷 1978年に日本プリンティングアカデミー(専門学校)に改組
近江高等学校 近江絹絲紡績 現在は一般校に転換
鐘紡長浜高等学校 鐘紡 1988年閉校
三和高等学校 日本曹達 1963年閉校
スタンダード高等学校 スタンダード靴 1979年閉校
誠信高等学校 林紡績 現在は一般校に転換
静清高等学校 相川鉄工 現在は一般校に転換
清明高等学校 宮川モスリン→宮川毛織→大日本紡績→ユニチカ 1997年閉校
誠和高等学校 林紡績 1997年閉校
ソニー厚木学園高等学校 ソニー 1975年閉校
南海高等学校 南海電気鉄道 現在は南海から分離して清風南海高等学校
湯浅学園高等学校 湯浅電池 1992年休校

企業内高等学校を選択したマネープラン

では、仮に企業内高等学校を選択した場合のマネープラン計算してみましょう。

企業内学校に入学できた場合節約できる公立高校3年間分の教育費|約117万円
3年間でもらう手当(特別手当含む)|約500万円

117万円+500万円=617万円

単純に学費ともらえる手当のみで比較した場合、一般の公立高校に進学したときに比べて617万円の差が生じます。

そのため、金銭事情の苦しい家庭環境では、かなり魅力的な選択肢ですね。もちろん前述した通り、このような企業内高等学校を選択する生徒のモチベーションは非常に高いことをお忘れなく。

中学卒業時点で将来を見据えた決断をすることは難しいことです。もし、企業内高等学校を選択する場合は、人生はお金だけではないため、将来について家族でよく話し合ってから決めるようにしましょう。

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