契約社員・パートのためのキャリアアップ助成金活用法!

読了目安[ 17 分 ]

皆さんは、正社員以外にも活用できる助成金があるのをご存知ですか?

今回は契約社員・パートなどに活用できるキャリアアップ助成金を紹介します。

この助成金は契約社員・パートなどの非正規社員が、企業内でキャリアアップを図るために作られたもので、契約社員から正社員への転換時、研修受講時などに国から支援を受けることができます。

キャリアアップ助成金は8つのコース!

「キャリアアップ助成金」は、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、契約社員、パート、アルバイトなどの非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップなどを促進するため、正社員化、人材育成、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度です。

労働者の意欲、能力を向上させ、事業の生産性を高め、優秀な人材を確保するために、ぜひ、この助成金制度を活用しましょう!
このキャリアアップ助成金は、次の8つのコースに分類されています。

助成内容 助成額
中小企業の額 生産性の向上が認められる場合の額 大企業の額 生産性の向上が認められる場合の額
正社員化
コース
有期契約労働者などを正規雇用労働者などに転換または直接雇用した場合 有期→正規 1人
あたり
570,000円 720,000円 427,500円 540,000円
有期→無期 1人
あたり
285,000円 360,000円 213,750円 270,000円
無期→正規 1人
あたり
285,000円 360,000円 213,750円 270,000円
正規には「多様な正社員(勤務地・職務限定正社員・短時間正社員)」を含みます。
派遣労働者を派遣先で正規雇用で直接雇用する場合、①③:1人あたり285,000円、生産性向上が認められる場合は360,000円(大企業も同額)加算
母子家庭の母などまたは父子家庭の父の場合、弱者認定事業所における35歳未満の対象労働者を転換などした場合、①:1人あたり95,000円、生産性向上が認められる場合は120,000円(大企業も同額)、②③:47,500円、生産性向上が認められる場合は60,000円(大企業も同額)加算
勤務地・職務限定正社員制度を新たに規定した場合、①③:1事業所当たり95,000円、生産性の向上が認められる場合は120,000円、大企業は71,250円、生産性の向上が認められる場合は90,000円加算
人材育成
コース
有期契約労働者に次のいずれかの訓練を実施

  • 一般職業訓練(off-JT)
  • 有期実習型訓練(「ジョブカード」を活用したoff-JT+OJT)
OFF
-JT
賃金
助成
1h
あたり
760円 960円 475円 600円
経費助成:実費助成 訓練時間数に応じて1人あたり次の額を限度有期実習型訓練後に正規雇用などに転換された場合
100時間未満の場合 100,000円 70,000円 150,000円 100,000円
100時間以上200時間未満の場合 200,000円 150,000円 300,000円 200,000円
200時間以上の場合 300,000円 200,000円 500,000円 300,000円
OJT 実施
助成
1h
あたり
760円 960円 665円 840円
賃金規定など
改定コース
全てまたは一部の有期契約労働者の基本給の賃金規定などを増額改定した場合 全ての賃金規定などを2%以上増額改定
全ての労働者数が1人~3人 95,000円 120,000円 71,250円 90,000円
4人~6人 190,000円 240,000円 142,500円 180,000円
7人~10人 285,000円 360,000円 190,000円 240,000円
11人~100人:1人あたり 28,500円 36,000円 19,000円 24,000円
雇用形態別、職種別などの賃金規定などを2%以上増額改定
対象労働者数が1人~3人 47,500円 60,000円 33,250円 42,000円
4人~6人 95,000円 120,000円 71,250円 90,000円
7人~10人 142,500円 180,000円 95,000円 120,000円
11人~100人:1人あたり 14,250円 18,000円 9,500円 12,000円
中小企業において3%以上増額した場合、①:14,250円、生産性向上が認められる場合は18,000円加算、②:7,600円、生産性向上が認められる場合は9,600円加算
「職務評価」の手法の活用により実施した場合、1事業所当たり190,000円、生産性向上が認められる場合は240,000円、大企業の場合は142,500円、生産性向上が認められる場合は180,000円加算
健康診断
制度コース
有期契約労働者などを対象に「法定外の健康診断制度」を新たに規定し、4人以上に実施した場合 1事業所あたり 380,000円 480,000円 285,000円 360,000円
賃金規定など
共通化
コース
有期契約労働者と正社員との共通の賃金規定などを新たに規定・適用した場合 1事業所あたり 570,000円 720,000円 427,500円 540,000円
諸手当制度
共通化
コース
有期契約労働者と正社員との共通の諸手当制度を新たに規定・適用した場合 1事業所あたり 380,000円 480,000円 285,000円 360,000円
選択的適用拡大導入時処置改善
コース
選択的適用拡大の導入に伴い、社会保険適用となる有期契約労働者などの賃金引き上げを実施した場合 基本給の増額割合に応じて、1人あたり
3%以上5%未満 19,000円 24,000円 14,250円 18,000円
5%以上7%未満 38,000円 48,000円 28,500円 36,000円
7%以上10%未満 47,500円 60,000円 33,250円 42,000円
10%以上14%未満 76,000円 96,000円 57,000円 72,000円
14%以上 95,000円 120,000円 71,250円 90,000円
短時間労働者労働時間延長
コース
有期契約労働者などの週所定労働時間を5時間以上延長し、社会保険を適用した場合 1人あたり 190,000円 240,000円 142,500円 180,000円
上記「賃金規定など改定コース」または「選択的適用拡大導入時処遇改善コース」と併せ、労働者の手取りが減少しない取り組みをした場合、1時間以上5時間未満延長でも助成
1時間以上2時間未満 38,000円 48,000円 28,500円 36,000円
2時間以上3時間未満 76,000円 96,000円 57,000円 72,000円
3時間以上4時間未満 114,000円 144,000円 85,500円 108,000円
4時間以上5時間未満 152,000円 192,000円 114,000円 144,000円

生産性を向上させた企業に労働関係助成金が割増される!?

キャリアアップ助成金・労働関係助成金の創設の背景・趣旨とは

日本において、今後労働力人口の減少が見込まれる中、経済成長を図っていくためには、個々の労働者が産み出す付加価値(生産性)を高めていくことが不可欠となります。このため、企業における生産性向上の取り組みを支援するため、生産性を向上させた企業が労働関係助成金(一部)を利用する場合に、助成額または助成率が割増されることになります。

生産性向上を満たす要件とは?

労働関係助成金は助成金を申請する事業所が、次の方法で計算して「生産性要件」を満たすことで、助成の割増が適用されます。

助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、

  • その3年前に比べて6%以上伸びていること または、
  • その3年前に比べて1%以上(6%未満)伸びていること

この場合金融機関から一定の「事業性評価」を得ていること

事業性評価とは

都道府県労働局が、助成金を申請する事業所の承諾を得た上で、事業の見立て(市場での成長性、競争優位性、事業特性及び経営資源・強みなど)を与信取引などのある金融機関に紹介させて頂き、その回答を参考にして、割増支給の判断を行うものです。なお、「与信取引」とは、金融機関から借入を受けている場合の他に、借入残高がなくとも、借入限度額(借り入れの際の設定上限金額)が設定されている場合なども該当します。

「生産性」の計算式は?

生産性=営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産貸借料+租税公課/雇用保険被保険者数

となります

なお、「生産性要件」の算定の対象となった期間中に、事業主都合による離職者を発生させていないことが必要です。

一般企業における「生産性要件」の具体的な計算方法

生産性要件を算定するための「生産性要件算定シート」は、厚労省のホームページからダウンロードすることも可能です。ダウンロードしたシートに該当科目の額を、損益計算書や総勘定元帳の各項目から転機し、生産性を算定することで、生産性向上要件を満たしていた際に、キャリアアプ助成金を受ける要件を満たすことになります。なお、助成金の支給申請にあたっては、各勘定項目の額の証拠書類(損益計算書、総勘定元帳など)の提出が必要となります。

生産性要件算定シートの記入例

生産性の算定対象となる企業名
支店名など
厚労産業(株)
申請事業所名 厚労産業(株)東京支店 事業所番号 1234-567890-1
項目 勘定科目 ABの3年前年度 B直近年度
平成24年度 平成27年度
Aの会計期間 Bの会計期間
24年4月~25年3月 27年4月~28年3月
人件費 役員報酬 18,630,000円 19,630,000円
役員賞与 5,100,000円 6,200,000円
給与手当 118,000,000円 139,032,000円
賞与 49,000,000円 57,700,000円
通勤費 2,750,000円 2,600,000円
法定福利費 13,100,000円 14,273,000円
福利厚生費 18,500,000円 2,139,000円
(製)給料手当 32,100,000円 35,600,000円
(製)賞与 5,500,000円 5,710,000円
(製)通勤費 1,200,000円 1,200,000円
(製)法定福利費 9.700,000円 9,800,000円
(製)福利厚生費 300,000円 290,000円
減価償却費 減価償却費 3,330,000円 3,330,000円
(製)減価償却費 3,240,000円 3,240,000円
動産・不動産貸借料 地代家賃 4,530,000円 4,530,000円
貸借料 347,000円 347,000円
(製)地代家賃 4,590,000円 4,590,000円
(製)貸借料 240,000円 240,000円
租税公課 租税公課 3,330,000円 3,330,000円
(製)租税公課 213,000円 231,000円
営業利益 営業利益 9,500,000円 1,356,000円
(1) 付加価値[=①~⑤計](円) 303,200,000円 327,572,000円
(2) 雇用保険被保険者数(人) 59人 60人
(3) 生産性[=(1)/(2)](円) 5,138,983円 5,459,533円
(4) 生産性の伸び[=((3)B-(3)A/(3)A](%) 6.2%
(5) 生産性の向上に効果があった事業主の取り組み 従業員の能力開発に取り組むことに加え、○○設備の導入により業務の効率性を高める効果があった。

生産性要件算定シートの項目説明

項目 説明
生産性の算定対象となる企業名・支店名など 損益計算書などの財務諸表は企業単位で作成するため、生産性も企業単位で算定されますが、助成金は原則として事業所単位で支給申請しますので、生産性は事業所の単位に最も近い単位の組織で算定します。具体的には、連結決算を採用の場合は連結前の個別企業単位の財務諸表から、また支店独立会計制度を採用の場合は支店単位の財務諸表から必要な勘定科目の額を転記します。「生産性の算定対象となる企業名・支店名など」「申請事業所名」欄はこれを踏まえて記入して下さい。
①~⑤ 損益計算書の「営業費用」の「販売費および一般管理費」の中に含まれる①~④に該当する勘定科目の額や、⑤の「営業利益」として計上されている額を損益計算書(内訳書)や総勘定元帳から転記します。
製造業や建設業の場合、①~④に該当する科目は、損益計算書上の「売上原価」の中にも含まれるので、それらの額も、「製造原価報告書(明細書)」「完成工事原価報告書」「兼業事業売上原価報告」か総勘定元帳から転記する必要があります。なお、これに該当する勘定科目を記載する場合は勘定科目の名称の頭にそれぞれ「(製)」「(工)」「(兼)」と付します。
人件費 対象となるモノ

  • 役員の報酬、従業員の給与、通勤費など諸手当、賞与に相当するもの
  • 法定福利費」(社会保険料等)、「福利厚生費
  • 雑給」(臨時アルバイト等の給与)
  • 研修費」「教育訓練費」(社員研修の費用)
  • 「製造原価報告書(明細書)」「完成工事原価報告書」等に含まれるこれらの勘定科目については、通常「労務費」としてまとめられていますので、その額を転記しても差し支えありません(ただし「退職金」「労務外注費」が含まれる場合はそれを控除します。)。

対象とならないもの

  • 従業員の「退職金」や役員の「退職慰労金
    これが計上される年度とそうでない年度の差が大きくなりすぎるため除外します
  • 出張旅費などの「旅費交通費」(通勤費を「旅費交通費」の中に含めている場合を含む)
  • 派遣労働者に係る派遣手数料に相当するもの(「外注加工費」など)
動産・不動産貸借料 「地代家賃」「貸借料」など
(1) 付加価値 ①~⑤に入力した値の合計を記入します。
(2) 個用保険被保険者数 各事業所で管理しているデータ(労働保険料申告書にも用います)を利用するほか、正確な人数を「事業所別被保険者台帳交付請求書」によってハローワークに照会することができます。人数は、財務諸表の作成単位(企業単位、支店単位)と同じ単位の組織の人数を記入(企業や支店の中に複数の事業所がある場合はその事業所の被保険者数を合算し、その事業所名と事業所番号を記した任意の書面を添付)して下さい。助成金申請事業所のAとBの会計年度の末日または3月末実現在の人数を記入して下さい。なお、雇用保険被保険者数には、「日雇労働被保険者」や季節的に雇用される「短期雇用特例被保険者」は除きます。
(3) 生産性 付加価値((1)欄)を雇用保険被保険者数で割った値を記入します。(小数点以下四捨五入)
(4) 生産性の伸び 直近年度(B)とBの3年度前(A)の伸び率を記入します。(小数点以下2桁切り捨て)6%以上又は1%以上(6%未満)(※)の場合に生産性要件を満たすこととなります。1%以上(6%未満)の場合は、金融機関から一定の「事業性評価」を得ていることが必要です。
(5) 生産性の向上に効果があった事業主の取り組み 具体的な内容を記入してください。(例:従業員の能力開発・意欲(働きがい)の向上、働き方や働きやすさの改革、業務の効率性や成果を高める設備の導入など)

キャリアアップ助成金以外にも「生産性要件」を満たすと受けられる助成金!

労働関係助成金のうち生産性要件が設定される助成金は、雇用維持や障害者の雇用環境整備など一部の助成金を除いた以下の助成金も対象となります!

再就職支援関係

1.労働移動支援助成金

  • 早期雇入れ支援コース
  • 人材育成支援コース
  • 移籍人材育成コース
  • 中途採用拡大コース

雇入れ関係

1.地域雇用開発助成金

  • 地域雇用開発コース

雇用環境の整備関係

1.職場定着支援助成金

  • 雇用管理制度助成コース
  • 介護福祉機器助成コース
  • 保育労働者雇用管理制度助成コース
  • 介護労働者雇用管理制度助成コース

2.人事評価改善など助成金

3.建設労働者確保育成助成金

  • 認定訓練コース
  • 技能実習コース
  • 雇用管理制度助成コース
  • 登録基幹技能者の処遇向上支援助成コース
  • 若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース
  • 女性専用作業員施設設置助成コース

4.65歳超雇用促進助成金

  • 高年齢者雇用環境整備支援コース
  • 高年齢者無期雇用転換コース

注)当該助成金は、生産性の伸び率が1%以上(6%未満)である場合の金融機関への事業性評価の対象外となっています。

仕事と家庭の両立関係

1.両立支援など助成金

  • すべてのコース
  • 事業所内保育施設コース
  • 出生時両立支援コース
  • 介護離職防止支援コース
  • 育児休業等支援コース
  • 再雇用者評価処遇コース
  • 女性活躍加速化コース

キャリアアップ・人材育成関係

1.キャリアアップ助成金

  • すべてのコース
  • 正社員化コース
  • 人材育成コース
  • 賃金規定等改定コース
  • 健康診断制度コース
  • 賃金規定等共通化コース
  • 諸手当制度共通化コース
  • 選択的適用拡大導入時処遇改善コース
  • 短時間労働者労働時間延長コース

2.人材開発支援助成金

  • すべてのコース
  • 特定訓練コース
  • 一般訓練コース
  • キャリア形成支援制度導入コース
  • 職業能力検定制度導入コース

最低賃金引き上げ関係

1.業務改善助成金

キャリアアップ助成金の受給までの流れ

助成金の活用にあたっては、事前に「キャリアアップ計画」(労働組合などの意見を聞いて作成)などを作成し、提出することが必要です。

キャリアアップ助成金受給までの流れ

例えば皆さんがパートを正社員に転換することを考えているとしましょう。この場合、「正規雇用転換コース」を活用することで、50万円の助成を受けることができます。

あるいは、契約社員の戦力アップを考えている場合、次のコースから目的に合わせて多様な研修を受講することもできるのです。

有期契約労働者向け訓練

  • 一般職業訓練(Off-JT)
  • 有期実習型訓練(Off-JT+OJT)
  • 中長期的キャリア形成訓練(Off-JT)
  • 育児休業中訓練(Off-JT)

会社の規模などにより支給額は異なります。キャリアアップ助成金の詳細については、厚生労働省のページをご確認ください。

契約社員を雇用している会社は、是非チェックしてみて下さいね。

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