自営業者が節税と老後資金のために準備する3つの退職金制度

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自営業者(個人事業主=国民年金第一号被保険者)は、会社員のように定年はありません。そのため、自分の意志以外で会社を引退しなければならないということはありません。

極端な話、元気であれば死ぬまで働くこともできますが、病気やケガなどで商売ができなくなる可能性もあるため、実際はどこかで一線をひかなくてはなりません。

もちろん、現役を退くと必然的に収入は減ります。そうなると年金や貯蓄が頼りの生活になりますが、自営業者(個人事業主)が加入する国民年金でもらえる国民年金の額は、20歳から60歳まで40年間きちんと保険料を納め続けた場合でも年額約78万円、夫婦2人でも年150万円程度です。

そのため、国民年金だけではとても生活できるだけの収入ではありません。では、自営業者は引退後の生活のために何をしておかなければ行けないのでしょうか。

今回は、自営業者が有利に老後資金を積み立てられる方法をご紹介します。

1.個人型確定拠出年金

個人型確定拠出年金とは、毎月一定額の掛金を拠出し、拠出金を金融商品(預金・保険・投資信託)で運用して、掛金と運用益の合計額を元に給付金額が決定される公的な資産形成制度のことです。

従来の年金制度は納めた金額に応じて給金が決まる「確定給付」ですが、確定拠出年金は運用益によって個人毎にもらえる金額が異なります。

掛金は月額5,000円-68,000円から選択でき、金融機関が提供する金融商品から、自分で選んで運用します。運用で得られた収益は非課税となるため有利に運用できます。

注意点は、国民年の保険料を満額納めている人が対象、また原則60歳前に掛金や運用益の引き出しができないことです。

参考|個人型確定拠出年金ナビ(iDeCoナビ)~イデコ加入ガイド~

2.国民年金基金

国民年金基金とは、47都道府県に設立された「地域型基金」と25の職種別に設立された「職能型基金」のどちらか一つに加入して、納めた金額に応じて老齢基礎年金に上乗せして給付金が決まる確定給付制度のことです。

掛金は性別、年齢、加入口数により異なりますが、個人型確定拠出年金と同じく月額5,000円-68,000円になり、受け取りは一時金の受け取りはなく年金での受け取りになります。

注意点は、国民年の保険料を満額納めている人が対象で、国民年金基金加入後は任意で脱退できません。

また、個人型確定拠出年金と両方に加入する場合は、掛金を合算して月額68,000円の上限までに抑える必要があります。

参考|国民年金基金連合会

3.小規模企業共済

小規模企業共済とは、自営業者のための退職金制度と呼ばれており、掛金の納付期間に応じて最大120%相当額の共済金を受け取ることができます。

掛金は1,000円-70,000円から選択でき、途中で掛金の増額や減額も柔軟に行えます。共済金の受け取り時期は、事業の廃業時または退職時、または事業の全部を第三者に譲渡した時です。

さらに、小規模企業共済は、個人型確定拠出年金や国民年金基金とは別枠で加入できるため、老後資金としてプラスアルファが見込めます。

注意点は、途中で任意に解約もできますが、掛金の納付期間によっては、払い込んだ掛金額を大幅に割り込む場合があることです。

参考|小規模企業共済(加入をご検討の方)|小規模企業共済(中小機構)

制度の組み合わせで退職金を確保しよう

自営業者のみなさんは一般的な会社員とは違い、今の生活から老後の生活まで全て自分で選択や準備が必要なため、色々と大変だと思います。

その代わり、個人型確定拠出年金、国民年金基金、小規模企業共済という3つの制度をうまく活用することで、一般的な会社員よりも税制面で有利な状況を作ることは可能です。

個人型確定拠出年金|掛金を運用するため、受取金額が目減りする可能性があります
国民年金基金|確定給付のため、掛金を積み立てれば一定金額を受け取れます
小規模企業共済|掛金の任意解約をすると共済金は掛金を割り込む場合があります

以上の3つの制度の共通メリットは、所得から掛金を全額を経費計上できることです。そのため、節税効果も踏まえたうえで、3つの制度を組み合わせて、早めに老後資金を見据えておきましょう。

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